2019年2月24日 (日)

春を告げ、春を待つ

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 春の訪れを感じるためにフクジュソウを見に行きました。2月つまり旧暦の元日ごろから咲き始める福寿草。新春を祝い、幸福と長寿を願う意味から名付けられたそうです。元日草(ガンジツソウ)や朔日草(ツイタチソウ)という別名もある。1月つまり新暦の正月に合わせて花屋さんで売られている寄せ植えは、ハウス栽培で早く開花させたフクジュソウ。自然の営みをカレンダーに適合させたモノです。

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 もうコブシのツボミがふくらんでいました。北国より1ヶ月以上早いと思います。モクレン科の落葉広葉樹。コブシの名前の由来はツボミの形ではなく、秋にできる果実がデコボコしていて握りこぶしに見えることから。うーん、どうでしょうか。握りこぶしに似ているかどうかは、意見が分かれるところ。ぜひ秋にご自身の目で確かめてください。

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 もうひとつご紹介したいのは、春の訪れではなく秋の名残。まだ冬枯れのこの時期にかなり目立つ、ハコネウツギの果実の殻。中の種子を飛ばした後の造形美です。花期は5~6月。白い花が次第に赤に変化するので、1本の木で白もピンクも赤も同時に咲いているヘンな木。ヴォーリズ六甲山荘の先に群生しているので、そのころにも足をお運びを。

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2019年2月21日 (木)

もしかして記録的な水不足?

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 早春の花を探しに森林植物園へ向かいました。スタート地点の新神戸駅。新幹線のガード下にアートが!? 千住博さんの作品のよう、と言ったら叱られそうですね。JRなのか神戸市なのか、案内表示にしてはとても気が利いている。いいもの見つけた!と幸先良くて気分も上々。

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 でも歩き始めてすぐに気づいたのが、異常な渇水。まず布引の滝にほとんど水がない! こんな滝の姿は初めて見ます。先ほどの表示、看板倒れじゃないか。この冬は北海道や東北、北陸では大雪に泣かされたようですが、神戸はまとまった雨がほとんど降っていない。もちろん雪も。

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 参考のために1ヶ月前に撮った滝の写真もアップします。貯水池もいつもより7~8m水位が下がって普段は見えない湖底が見えている。いつもたくさん見かける水鳥もどこかへ行っていません。浅くなった湖底にゴイサギが一羽ポツンと立って餌をとっている。この先どうなるのでしょう? まさかこのまま夏の水不足に突入する、なんてことはないでしょうが・・・。

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 皮肉なことにトゥエンティクロスは昨年の西日本豪雨以来、通行止め。再度公園のほうまで迂回して森林植物園へ。案の定、植物園のなかの長谷池も干上がっている。初夏に涼やかな花で楽しませてくれるスイレンやコウホネは、どうなるのだろう? 近頃は異常気象が異常でなくなって、この程度のことでは話題にも上らないのかもしれませんね。

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2019年1月28日 (月)

神戸に新・石炭火力発電所?

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 神戸市灘区に新たな大型石炭火力発電所を建設しようとする動きに異議を唱える住民グループが、映画上映会とセミナーを開催しました。地域住民の健康被害や地球温暖化の加速による気候変動へのリスク。健康と環境という、世界のそして時代の大きな流れに逆行する建設計画に対して、NOの意思表示を続けて来たけれど、計画はどんどん進行している。民事訴訟や行政訴訟も起こしていますが、どうなるのでしょうか。

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 この市民運動は一発電所の事案ではないと思う。どうしたら国や行政や巨大企業などが進めようとする計画を止めたり変更したりできるか、市民の意向を反映させるかという問題です。さまざまなデータや学者を動員して説得にかかる。あるいは発電所問題なら電力不足になったらどうするといった脅しまで。これら強大な力に対し、市民の支持を増やしながら粘り強く運動を続けるしかないのでしょう。

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 会の冒頭に上映された映画『シェーナウの想い』(2008年)に感動しました。チェルノブイリ原発事故をきっかけにドイツの田舎町シェーナウで生まれた市民グループが、「自然エネルギー社会を子どもたちに」という想いから初の「市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでを描いたドキュメンタリーです。あのドイツでさえ、こんなに苦難があったのか。福島で大事故があったにもかかわらず、あっさり再稼働を認めるこの国ではとてもじゃないけど・・・。

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 でもこの映画は10年もの苦労と努力があったとはいえ、市民の想いがちゃんと実現した事実を教えてくれる。これは大きいことだ。ちなみにシェーナウの会社が操業を始めた翌1998年に、ドイツは電力事業の自由化に踏み切ったそうです。発電所の問題に限らず、独占事業や公共事業をおこなう巨大な体制に市民が立ち向かうには、とてつもないエネルギーと時間と知恵が必要だ。この映画が神戸市民にも持続する勇気と力を与えてくれることを願います。

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2019年1月25日 (金)

奇跡の星の植物館へ行く

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 幹の直径は1m、高さは3.5m。強烈な存在感を放つ奇妙な植物。アロエ・ディコトマと名札がついている。説明によると樹齢約320年、アフリカ南部に生えているそうだ。もちろん名前の通りアロエの仲間。たしかに枝先の葉はアロエだ。けれども昔ヤケドに効くといって鉢植えにしていたアロエとは、姿もスケールもずいぶんイメージが違うでしょ。

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 見たこともないトロピカルフラワーやジュラシックパークに出てくるような巨大なシダ。ここ淡路島にある「奇跡の星の植物館」は、安藤忠雄さんが設計した大きな温室施設で、地球に生きる植物の多様性と不思議さを体感できる。6つの展示室とアトリウム、カフェやフラワーショップ、野外のローズガーデンやきのこ村で構成され、発見と感動を与えてくれます。

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 最初にご紹介したアロエ・ディコトマは展示室1の「プランツギャラリー」にある。乾いた土地で生きるさまざまな多肉植物を見ることができる。展示室2「トロピカルガーデン」ではバナナの花を初めて見た。暗くて湿潤な部屋、乾燥して熱い部屋。いろんな環境を人工的に作り出し、世界の植物を身近に感じられるとともに、自然との共生を考えさせられる展示はおもしろい。

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 特別展示室は『雲南省の植物』を集めていた。中国・雲南省は17世紀に多くのプラントハンターが探検した秘境。たくさんの新種をヨーロッパに持ち帰り、当時の植物界に革命を起こしたという。この「ハイドゥン」というツバキ科の花も、蝋細工のような厚みある花弁と葉が独特だ。こんな特別展示やシーズンごとの空間企画植栽。何度も行きたくなる工夫が凝らされています。

兵庫県立淡路夢舞台温室
奇跡の星の植物館

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2019年1月19日 (土)

淡路島でスイセンが満開です

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 淡路島の南部、灘黒岩水仙郷でスイセンが咲き誇っています。海沿いの急な斜面に野生のニホンスイセンの大群生。約180年前に海岸に漂着したスイセンの球根を山に植えたのが始まりで、だんだん繁殖して500万本にも増えたという。例年、1月中旬から2月いっぱいが見頃です。でもこの冬は暖かいので、いつもより開花が2週間ぐらい早いそうです。

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 駐車場からジグザクにつけられた思いのほか急な遊歩道を、フウフウ息をつきながら登る。一面に咲いた水仙の甘い香りに包まれた展望台からは、真ん前に国産み神話の舞台「沼島(ぬしま)」が望める。白と黄色と緑と青い海。この色の組み合わせは、まさに春の前触れ。こんな厳しい時期にけなげに咲くスイセンは、弱々しく見え、じつはすごく強いのかもしれませんね。

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 スイセンの花って、花弁は6枚だと思っていた。じつは花びらは内側の3枚で、外の3枚はガクだそうです。説明板に書いてありました。見た目は同じだけれど、働きの意味が違うのでしょうね。根には毒があり、だからなのか野ネズミやイノシシにかじられることなく、勢力を伸ばせたのかもしれない。自然界はほんとによくできている。

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 標高608mの諭鶴羽山から海へ続く45度の急斜面の一帯、約7ヘクタールにわたってスイセンが咲く灘黒岩水仙郷。近年はロードバイクで淡路島を一周するのが流行っているようですが、その周回コースに面した灘黒岩。イザナギとイザナミによる国産み神話とともに、これからますます人気が高まることでしょう。

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2019年1月10日 (木)

冬枯れも、また楽し

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 冬の六甲山。秋の紅葉が終わると、落葉した林は見通しが良くなり一年でいちばん明るい季節になります。山麓の日当たりのいい場所には、ススキやセイタカアワダチソウの綿毛が美しい。色といい形といい、ぜんぜん主張しないのにしっかり確立された美がある。枯れ草色の美しさに改めて気づく季節。

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 枯れ草色とともに目立つのが、照葉樹林を構成するつややかな緑。その生命力あふれる緑に映えるのが真っ赤なヤブツバキです。六甲にもたくさんの群落がある。そして少し日陰になった場所にはアオキの赤い実が、やはり緑との対比で目に飛び込んでくる。枝に実だけ残った柿やマユミも見ごたえがある。

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 緑の時期には葉が茂り下草も密集しているため見えなかったもの、気づかなかったものが見えてくるのも冬の山歩きの楽しみだ。伐採した木と切り株に薄茶色の半透明ビニールシートを被せたかたまりに、何か張り紙がある。「マツクイムシの燻蒸駆除」。 へぇ、こんなこともしているんだ。森林の維持管理は大変なのだ。放っておくと荒れる一方だから。

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 修法ヶ原の奥を歩いていると、「少花粉スギ」の植栽を見かけた。まだ高さ2mぐらいですが、兵庫県森林ボランティア団体協議会が平成26年に植えた苗木だそうだ。花粉の量が通常のスギの1%以下だという少花粉スギ。花粉症対策に役立てばいいですね。何もないように思われる冬枯れの山のハイキングも、このようにおもしろい発見や新しい出会いがいっぱいです。

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2019年1月 1日 (火)

亥年、そして平成最後のお正月

            慶応明治大正昭和平成
            時は流れる 時代は移る
            人は生きる 時間は長い
            人は忘れる 時間は速い
            平成三十一年己亥正月
            五輪万博 いつか見た夢
            季節は巡る 時は積もる

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 平成最後のお正月、と聞くと何かと感慨深いものがあります。とくにこの年齢ともなると、時間のことをよく考えるようになる。いままで過ごしてきた時間。これから残された時間。長いようで短い。遅いようで速い。つかみどころがなく、でも厳然と存在する時間。人間は生まれ、愛し、死んでいく。それは何万年も変わらない宿命。あなたも私も、人間は神さまが作った時間ゲームの駒と割り切れば気楽なんでしょうが、それも難しい。

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 今年は亥年。写真はフィレンツェの「新市場のロッジア」にある青銅製のイノシシ。幸運を呼ぶ彫刻と呼ばれている。毎日たくさんの観光客に触られた鼻のあたりは金ピカです。舌の上にコインを置いて滑らせ、うまく下の穴に落ちると願いが叶うという。何百年もの間、人間の願いや欲望を見てきた彼は、「時間」なんて結論の出ない問題に悩むより、日々を懸命に生きろと思っているのだろうか。アモーレ!マンジャーレ!カンターレ! いい1年になりますように。

 

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2018年12月29日 (土)

歳末は、明石の魚の棚へ

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 小さい頃は「ウオンタナ」と意味も分からず音で覚えていたから、「魚の棚」と漢字で認識した時の驚きといったら。昔の話ですが。ここ明石の鮮魚店や調理・加工した魚介類を売る店が集まる商店街「魚の棚」は、たしかにアーケードに英文字で UONTANA と表記されている。

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 明石海峡や播磨灘でとられて明石港に水揚げされた「前もん」。早朝に出漁し前の海でとってきた魚を昼過ぎにはもう店先に並べる「ひる網」。なんといっても鮮度の良さはとびきりです。明石と言えばタイやタコが超有名ですが、サワラやアナゴやハモやタチウオもブランドです。

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 何軒もの鮮魚店以外に、サワラやタイの味噌漬けや焼魚の専門店が軒を連ねる。その間にさまざまな練り物やアナゴやエビの揚げたて天ぷらを売る店。湯気の立っているタコやイイダコの柔らか煮をすすめる店。魚屋さんののテーマパークのようだ。にぎやかな売り声に心がウキウキしてくる。

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 活きの良さを売り物にする「魚の棚」。いつも地元の人や観光客でにぎわっていますが、中でもいちばん活気を呈するのが歳末。お正月に欠かせない祝鯛の姿焼きや、出世魚のブリ、数の子などを買い求め、玉子焼(大阪ではタコ焼き)を味わって帰るのがこの時期の定番です。
 
 

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2018年11月24日 (土)

日本でもブラックマンデー始まる

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 米国では11月の第4木曜日が感謝祭(Thanksgiving Day)で祝日。その翌日の金曜日に実施されるセールイベントが、ブラックフライデーです。アメリカの小売業界では1年で最も売り上げを見込める日とされている。セールが始まる午前0時にアップルストアやトイザラスへ列をなして駆けつける人々を、TVニュースで見ていました。それが今年は日本でも急に目立つようになったと思いませんか。

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 アメリカではブラックフライデーの売り上げをエコノミストたちが一喜一憂しながら見守っている。それはこの日からスタートするクリスマス年末商戦の行方を、ひいてはアメリカ経済の今後を占う大きな意味合いがあるから。ちなみに週明けの月曜日はサイバーマンデーと呼ばれる。インターネットを利用してECサイトでプレゼントなどを購入する人が近年は多くなったから、こちらもかなり盛り上がっている。

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 さて日本でもブラックフライデーは定着するのでしょうか。海外からのセールイベントとしてはクリスマスも、バレンタインも、ハロウイーンも、歴史の差こそあれそれなりのポジションを確立してきた。どれも企業が仕掛けた販売戦略ですが、その時期の気分にフィットすると無理なく受け入れられるようです。踊らされていると分かっていても、どうせなら流れに乗って踊らにゃそんそん!ですかね。

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2018年10月25日 (木)

秋の味覚イタリアーナ

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 フィレンツェのレストランでディナーの時。ビステッカは頼むとして、あとは何にするか?と考えていたその時。八百屋さんが立派なポルチーニとアーティチョークを運んできました。これだ! キノコの王さまポルチーニと、10月から4月の味覚アーティチョークを頼むことに。

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 アーティチョークはフライに。ポルチーニは1本まるごとグリルで。高級キノコなので下にびっしり生ハムが敷かれていました。この店は毎日手書きのメニューを作っているのだけれど、ポルチーニは書かれてなかった。残念だなぁと思っていたので、食べられてラッキーでした。

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 ポルチーニ茸はドライを使った料理もおいしいけれど、この時期だけの生を使った料理は最高です。なかでもステーキというかグリルしたものが絶品。数あるイタリア秋の味覚でも別格のもの。王さまの名に恥じない美味しさです。

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 オルヴィエートのレストランではイノシシ肉などジビエの炭焼きやトリュフをたっぷり削った地元特産のパスタも味わえた。この崖の上の街はトスカーナではなくてウンブリア州にありますが、ここもトスカーナに負けず劣らず食材の宝庫。

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 街には地元ワインや地元チーズの専門店、トリュフとその加工品の専門店やラベンダーを使った製品の専門店など豊かな味がいっぱいです。どの店も規模は小さいけれど、並べている製品は粒ぞろいで、中世の細い路地にふさわしい。

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