2018年7月 5日 (木)

日本サッカーにリアリズムを

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 優勝するチームただ1ヵ国を除き、必ず負けて終わる。ワールドカップは長い予選期間を含め、すべての国が負けるために戦うゲームなのだ。
 もちろんたった一つの勝者になるために戦うのだけれど、本気で勝者を目指せるのは一握りの選ばれし国々だ。それもみんなわかっている。それ以外はタテマエで優勝を目指すとは言うものの、まずはその一握りに入りたいというのがホンネでしょう。そして一握りの国々は、どこも独自のサッカー文化を持っている。長い時間をかけて築き上げた勝利のスタイルと、一歩一歩真剣勝負を通して重ねてきた経験の歴史。
Photo_2  2018ロシア大会で日本サッカーは選ばれし国々の仲間入りへの貴重な体験をひとつ積み上げたと思う。無力感に打ちひしがれるだけという敗退も多いけれど、今回は未来への希望を見出したのではないでしょうか。それは勝者の文化を構成する大事な要素・リアリズムの概念を歴史に付け加えたから。
 グループリーグ第3戦、ポーランド相手に0対1の負けを選んでプレーした残り10分間。そして逆に、ベルギー戦で残り1分を切った場面でなぜショートコーナーを選ばなかったのか。リアリズムを考えるこれらの経験は未来に大きな財産になるはずです。美しく散るロマンからカッコ悪くても勝つリアリズムへ。日本サッカーが夢の実現へ一歩前進した大会でした。

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2018年6月28日 (木)

世界でいちばん長い並木道

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 総延長35.41km、ギネスブックに「世界最長の並木道」として登録されている道が日本にある。日光杉並木街道だ。植樹から400年近く経った杉の大木が約12,500本。高さ30mを超える見事な景観を作っている。これだけ大きくなると、もうすこし間隔をあけたほうがいいんじゃないかと思うほど、すきまなくびっしりと生えている。

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 この道は昔の街道サイズだから狭いけれど、クルマも走れる。だから根元に重みがかかり樹勢が弱る杉もある。その対応策として道路の地下に大きな中空のコンクリートブロックを埋め込む工事を順次おこなっているそうだ。踏み固められる負担をやわらげ、しかも根は自由に伸ばせるように。これだけの並木だもの、ずうーっと後世まで残していかないとね。

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 杉は空に向かって真っすぐに伸びていく姿から、神さまに近い木と考えられ神社に多く植えられている。また神さまは杉の木を伝って天井界と地上界を行き来する、という言い伝えもあるそうだ。東照宮にも杉は多い。家康の墓所の横には、願い事がかなうと言われる「叶う杉」もある。参道である日光街道の杉は、神となった家康公への捧げものだったのですね。

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2018年6月25日 (月)

梅雨に咲くクチナシの花

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 今年は梅雨らしい天気が続きますね。わずかに日差しが出た梅雨の晴れ間に、マンションの敷地に咲いているクチナシを撮影しました。ガーデニアとも呼ばれるアカネ科の常緑低木。学名はGardenia jasminoidesで、西南日本から台湾、中国、インドシナ半島に分布するそうだ。亜熱帯から熱帯にかけて自生する植物なので、寒さには弱い。植えられているのは野生種ではなく園芸品種のオオヤエクチナシ。

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 クチナシは甘い香りがあたりに漂うので、おっ花が咲いたな、と気づく。春先のジンチョウゲ、秋のキンモクセイとともに独特な芳香が特徴だ。有名な香水にも使われているという。英国でケープジャスミンと呼ばれるそうだが、よくわかります。花のない時期もツヤツヤした濃い緑の葉が美しい。しっかり厚みもあり葉脈もはっきりくっきり見えて、まさに照葉樹林帯の木、という感じ。
  
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 白い花のベルベットのような質感は、ちょっとモクレンに似ている。次々と花が咲くので、ツボミから茶色く枯れたものまで同時に見られる。それは便利なようでもあるけど、汚く感じられることも。またクチナシは秋には赤黄色い実がなって、これから抽出された色素が、たくあんや栗きんとんやラーメンの麺の天然着色料に使われている。けっこう身近な植物だったのだ。もっとも園芸品種のヤエクチナシには残念ながら実がならないそうで。

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2018年6月 9日 (土)

ムーミン谷をおいしく味わう

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 このラスク、ムーミンとムーミンママです。フィンランドの会社が販売しているクッキー型で型抜きをして作ったもの。もちろんクッキーも作れます。長年愛されてきたキャラクターたちだから、カタチだけでちゃんと誰だかわかるからたいしたものです。

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 こちらに並んでいるのはクッキー版、ムーミン谷の愉快な仲間たち。カタチだけでも楽しいけれど、目鼻をペインティングするとさらに面白さが増す。ムーミン、ムーミンママ、ミイ、スナフキン、ニョロニョロ。ムーミン谷の住人たちが生き生きと動き出す(かな?)。

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 チョコレート色とホワイトの2色、速乾タイプのチョコペンでデコレーションに初挑戦。これがなかなか難しい。線を引くためのチューブを押す力加減、特徴をあらわすための省略と強調。初挑戦でうまくいくほど甘いものではない。これはかなり練習しないと、です。

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 ひとしきりお絵かきに没頭。寡黙になります、意地になります。そして、達成感がすごくあります。出来上がりの良し悪しにかかわらず。であとは食べるだけ、なのですが情が移って・・・。エイヤ!っと勇気を振り絞ってガブリ。どんな名店のお菓子よりおいしくいただきました。

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2018年5月29日 (火)

乾杯はイニエスタのワインで

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 あのイニエスタが、ほんとに神戸へ来てくれた。数日前にネットでニュースが流れても、飛行機の中の写真を見ても、彼が日本の土を踏むまでは、とドキドキワクワクしながら待っていた。それがついに現実になりました。感激!感謝!感動! 中国やオーストラリアじゃなくてヴィッセル神戸を選んでくれて、ありがとう。
 ハートマークが散りばめられている物体はイニエスタ選手が所有するワイナリー、ボデガ・イニエスタのワインのコルク。このワインで乾杯したいねぇと言いつつ、まだ手に入れていない。

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 ここにあげている写真は、2011年の夏にバルセロナの友人が「こんなワインが出たよ」とお土産に持ってきてくれたワインを撮影したもの。じつはその前の年、2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会でスペインが初優勝。決勝のオランダ戦は延長になり、イニエスタの見事なシュートでスペインが1対0で優勝したのです。イニエスタの印象がまだ鮮烈なときに、彼のワイナリーのワイン! へぇー、ワインづくりを始めたんだと感心し、ミディアムボディの赤をおいしくいただきました。赤と白のハートを組み合わせた可愛いマークが印象的でしょ。右下には彼のサインもある。

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 銘柄名のコラソン・ロコとは「熱狂的な思い」という意味。ワイン造りに対する情熱を表しているそうです。HPを見るとカスティーリャのラ・マンチャ地方に2010年創立、とある。ということは、いただいたものは最初の年の作。貴重なものだったのだ。テンプラニーリョ種とグラシアーノ種のブレンド。
 コラソン・ロコで乾杯するのは、イニエスタがヴィッセル神戸の試合でデビューする日にしましょう。それはワールドカップ ロシア大会が終わってから。スペイン代表、もちろん日本代表も頑張ってください。それまでに手に入れておきましょう。

 

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2018年5月26日 (土)

いずれアヤメかカキツバタ

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 さわやかな初夏にふさわしい紫色の美しい花。シュッと伸びた剣のような緑の葉。アヤメもカキツバタも、いずれも負けず劣らず素晴らしい。どうやって見分けるか。草原に生えるアヤメと水辺に生えるカキツバタ、自生する場所が違う。尾形光琳の『八ッ橋図屏風』でも、水の表現こそ省略しているけれど橋が架かった水辺だ。

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 アヤメは信州の奈川高原でも日当たりのいい草地に育っている。ところが池のそばに生えているアヤメがあったのだ。六甲森林植物園の池のそば。ヒオウギアヤメという種類で高山の湿地に自生するという。それじゃ、どこで区別すりゃいいんだ? どちらもアヤメ科アヤメ属。よく似ていてトーゼンだ。

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 じつは決定的な違いがあるのです。植物園の学芸員さんに教えてもらいました。アヤメは草原に生える種類も水を好む種類も、花の元のほうに網目模様がある。これが見分けるポイント。アヤメ属のなかでは小さめですが、ちょっとゴージャスな感じがします。

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 それに対してカキツバタには網目模様がない。その代わり、というのもヘンな言い方だが、花の基部に白い斑紋が入っている。シンプルでよりスマートな印象。だから光琳が描いた、というわけではない。在原業平の『伊勢物語』から題材をとっているので、燕子花(カキツバタ)である必然性があったのだ。
 
 

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2018年5月20日 (日)

ヒマラヤの青いケシが見頃!

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 ヒマラヤの高山地帯に咲く神秘的な青い花、メコノプシス・ベトニキフォリア Meconopsis Betonicifoliaが六甲高山植物園でいま見頃を迎えています。美しい、おもしろい、珍しい植物がいろいろ見られるここの植物園でも、いちばんのスターかもしれません。「ヒマラヤの青いケシ」、名前もロマンを感じますからね。

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 高さは60~70cm。思っていたより小柄です。標高の高いところに生えるので、あまり大きくなれないのでしょうか。花弁は基本的に4弁。まれに5弁や6弁のものもあるそうだ。花の時期が短いため、いままでは早すぎたり遅すぎたり、なかなかベストのタイミングで見に来ることができなかった。ところが今年はドンピシャ!大当たり!

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 栽培されているのは約1,000株。砂地と岩で高山の雰囲気を模したロックガーデンに、それはそれは見事に花開いている。予想以上に花が多いのだ。園内の温室で育てた苗を、毎年毎年この場所に植えるそうです。ご苦労さま。ケシに限らずどんな花でも見えないところでいろいろご苦労があるのでしょうが。

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 そしてこの一角は大スターを写真に収めようと、にわか撮影会場と化しておりました。立派なカメラを構え体勢を低くして一心不乱に神秘の花を狙う。皆さん根性がおありです。外へ出ると駐車場に観光バスが数台停車している。そりゃあ賑わうはずだ。開花情報をよく調べて来られるのでしょうね。ご苦労さまです。

六甲高山植物園

 

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2018年4月27日 (金)

シャクナゲの魅力を六甲山で

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 布引から山道を歩いて1時間半。神戸市立森林植物園のシャクナゲは、いまが見頃です。ツツジ・シャクナゲ園という区画に周遊路がめぐらされ、ヒノキなどの針葉樹の林の中に咲き誇っているピンクのトンネルを歩きながら、華麗な花を楽しめる。ひと山全部がシャクナゲの群生になっているのは珍しいのではないでしょうか。

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 シャクナゲは亜寒帯から熱帯山地まで広く北半球に分布するツツジ科の低木。そして常緑広葉樹にもかかわらず寒冷地でも育つ。特にヒマラヤ周辺にはたくさんの種類があるそうで、ネパールの国花にもなっている。日本でもツクシシャクナゲやアズマシャクナゲ、ホンシャクナゲやホソバシャクナゲなど5~6種類が自生しているそうです。

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 つやつやした葉には毒があり、食べると吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすという。動物に食べられないよう自分の身を守る知恵でしょうね。葉は丸まっていて裏が茶色。平たい葉で裏も緑色の園芸種(西洋シャクナゲ)とは明らかに違う。高山植物園で見たヒマラヤのシャクナゲは葉の裏がびっしり産毛でおおわれていました。

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 花の色はピンクの濃淡の諧調が無数にあり、一本一本みんな微妙に違っている。白い花もあって見飽きない。ツツジより大振りで華やかな花の群生が、すこし薄暗い林間にポッと明るい空間を作り出す。市街地の近くで深山の趣、森林植物園のこの季節ならではの喜び。見頃はあと2週間ほどです。

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2018年4月21日 (土)

和気町の藤公園が見事です

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 北海道から鹿児島まで、野生のフジが生息しない沖縄を除く46都道府県から約100種類、150本のフジを集めた岡山県和気町の藤公園。国や県が天然記念物に指定している有名なものが79種類、中国の空海ゆかりの寺や韓国からも収集されているそうだ。この種類の多さで『日本一』の藤公園と名乗っている。いろんな日本一があるものだ。

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 4月29日から5月12日までの2週間、ここで「藤まつり」が開催される。だから今はまだ見ごろ一歩手前ですが、それでも十分美しい。人混みにもまれるよりは、ゆっくり見物できる今のほうがいいかもしれません。フジはほとんどが薄紫の「藤色」ですが、すこし青味がかった藤色や赤味がかった藤色がある。それらに濃淡があり、微妙に見え方の違いがあっておもしろい。

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 煙るような紫色のなか、はっとするのが清楚な美しさをたたえたシラフジ。この立派なのは宮崎神宮からのオオシラフジだ。これは国指定天然記念物。宮崎まで行けば、親樹である日本最大のオオシラフジを見ることができるはずです。すこし暖色系のやさしい白。自然界のまさに自然な白は、人工的には再現できません。

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 ここ藤公園で初めて見たのが珍しいピンク色のフジ。静岡県豊田町からきたそうですが、こんな色のフジもあるんですね。いろんな発見があって楽しめる。これら150本のフジがあと1週間もすればもっともっと房を長くして、圧巻の景色になるのでしょうね。総延長500mの藤棚の下を散策しながら、全国のいろんな名藤を愛でるなんて、贅沢!

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 岡山県和気町は奈良時代の和気清麻呂の生誕地で、和気神社があるところ。藤公園は清麻呂の生誕1,250年を記念して、昭和60年に開園したという。紫も白もピンクも、どのフジも今が盛り。甘い香りをまわりに発散し、蜂をいっぱい呼び寄せて子孫繫栄を目指しています。役に立たない人間は、その営みのお相伴にあずかり眼を楽しませてもらいます。

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2018年4月18日 (水)

北海道では初夏を告げる花

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 いまリラが六甲のうちのそばで美しい花を咲かせています。冷涼な気候を好むこの樹は北海道では初夏を告げる花と呼ばれ、街路樹にもたくさん使われている。さっぽろライラックまつりも毎年5月中旬に開催されます。ライラックは英語で、フランス語ではリラ。わたしたちにはこのリラという名前のほうがなじみがあるかもしれません。花の時期からみると、やはり北海道より一か月季節の進行が早いようです。

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 リラはモクセイ科の落葉樹でヨーロッパのバルカン半島からクリミア半島にかけてが原産地だそうだ。明るい紫色、花弁4枚で十文字の花が穂状についた華やかな姿。あたりにはやさしく甘い香りが漂う。この香りはストレスを緩和する働きがあり、香水の原料にもなる。 
 この花は日本でもいろんな人に歌われているが、歌詞はほとんどがリラだと思う。ライラックは、日本語のリズムにのりにくいのでしょうか。

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