2022年1月13日 (木)

THE METの運営のヒミツ

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 フェルメールの『信仰の寓意』〈Allegory of the Catholic Faith〉には、The Friedsam Collection, Bequest of Michael Friedsam, 1931 
とキャプションがついている。一方、レンブラントの『フローラ』〈Flora〉には、Gift of Archer M.Huntington, in memory of his father, Collis Potter Huntington, 1926 と。それが何か?でしょ。

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 実業家や資産家、芸術家などの市民によって1870年に創立されたメトロポリタン美術館。じつはこの人たちから寄贈された作品で成り立っているのです。上記フェルメールの作品はBequest(遺贈)、レンブラントはGift(贈与)。つまり死後に贈られたものと、生前に贈られたもの。展示する場合は必ず表記する取り決めなのでしょう。

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 でも驚くのは外国での展覧会まで徹底されていること。さすが契約の国アメリカ、キチッとしています。セザンヌの『リンゴと洋ナシのある静物』〈Still Life with Apples and Pears〉は1960年のBequestだし、モネの『睡蓮』〈Water Lilies〉は1983年のGiftです。150年以上の歴史でこのように増え続けた所蔵作品は150万点。へぇー、でしょ。

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 THE METはお金も意識も豊かさの象徴、みんなでつくるオラが美術館なのだ。相続税や贈与税など税制の違いと、寄付文化の成熟度は羨ましい。作品を寄贈できない一般市民もサポート会員になって盛り立てる。会員募集も入口の一番目立つところで大々的に。初めてのとき「えっ、またお金取られるの?」。 お恥ずかしい。

メトロポリタン美術館展
 ー西洋絵画の500年ー
~2022年1月16日(日)まで
大阪市立美術館

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2022年1月10日 (月)

西洋絵画、500年の歴史

   Met

 初期ルネサンスからポスト印象派まで、THE METが所蔵する巨匠たちの名画65点がやってきました。ヨーロッパ絵画部門の展示館が現在改修工事で閉鎖中のために実現した、またとない企画。NYではコレクションが膨大だから目星をつけた作品を駆け足で観ることになる。それでも目指す作品を見損なうほど広い。

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 今回は2500点以上からMETが選んでくれたおすすめ展覧会。西洋絵画の歴史を概観するのにこれ以上ない機会です。展示は、Ⅰ「信仰とルネサンス」、Ⅱ「絶対主義と啓蒙主義の時代」、Ⅲ「革命と人々のための芸術」の3部構成。美術は誰のものか?という本質が、バロックや印象派などの専門用語よりわかりやすい。

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 第1部ではフラ・アンジェリコ、ギルランダイオ、ラファエロ、フィリッポ・リッピ。クラーナハ、エル・グレコ、ティツィアーノなどの作品が。美術が教会と神様から人間のものへと向かう過程が見て取れる。第2部はルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、カラヴァッジョ、ラ・トゥール、フェルメール、レンブラントなど、強い王権の時代。

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 そして第3部は、革命と市民の時代へ。ターナー、クールベ、カミーユ・コロー、ゴヤ、マネ、ルノワール、ドガ。シスレー。そしてモネ、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌ。名前を挙げただけでアタマががくらくら顔ぶれです。この後、現代までは大衆の時代。美術館の所蔵や研究の役割もメトロポリタンからMoMAへと変わることになります。

メトロポリタン美術館展
 ―西洋絵画の500年ー
~2022年1月16日(日)まで
大阪市立美術館

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