2017年4月30日 (日)

レストラン・よねむらのオリジナルクッキー

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   どっしりと重いそのクッキー缶をお土産に頂いた時「これは!一味も二味も違う、究極のクッキーだわ!」と、直感しました。
 「きっと、けいママが大喜びすると思って・・・」と、我が家に届けてくれた彼女、「でも、ほんと言うとね、私も食べてみたかったの、一緒に。だって絶対美味しいと思うから」
 うんうん、一緒に食べよう!最高のお茶タイムになる予感・・・
 まずはそのステキなクッキー缶を愛でる。イラストレーター・つづみさおりさんの作品だとか。レストラン・よねむら祇園本店をイメージして描かれているそう。
 そうなのです。このクッキーはそのお店のオリジナル商品。彼女はそこで思い切り美味しい食事をして、その帰りにこのお土産クッキーを買い求めてくれたのでした。
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   と、いよいよそのお味ですが・・・。まずはひときわ目立つグリーンのクッキーに手が伸びます。はい、京の老舗「丸久小山園」のお抹茶を贅沢に使用したお抹茶味。その濃厚さ!お抹茶は今や日本が世界に誇る味として、様々なものに使われていますが、さすがご当地京都の製品。お抹茶の世界を心得てはるわ。
 と、次に試してみたくなるのが、少し赤みを帯びたクッキー。これは何? あっ、七味味? ピンポ〜ン。これまた京都。清水の「七味屋本舗」の山椒風味豊かな七味を使用。憎いねえ〜!
 イタリアではよくペペロンチーノ(唐辛子)味のチョコレートを、どこのスーパーでも目にするのですが、ちょっと辛いもの、刺激のあるものと甘いものの組み合わせは癖になるんですよね。このクッキーは世界に誇る日本の一品に・・・。目が輝き、口が止まらなくなり、香ばしさ溢れるぶぶあられ(京都・鳴海屋)など、など12種類のクッキーを味わう。アラウンド・ザ・ジャパニーズクッキー。いやはや、参りました。脱帽です!
 レストラン・よねむらでは、毎日店頭販売されていて、また梅田阪急百貨店でも販売はあるそうですが、いずれにしろ入手困難な一品。予約がベターだそうですよ。さもありなん。

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2013年10月 7日 (月)

出石の皿そばを食す

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 人口12,000人なのにそば屋がおよそ50軒もある関西屈指のそばの町、出石。食べ方もユニークです。白い小皿にちょこっとのったそばを、ネギ、ワサビ、とろろ、生卵を薬味にしていただく。最小単位は5皿。ちなみに私は10皿食べましたが、男性としては少食の部類だそうだ。20皿以上食べると「皿そば之証」という木製の通行手形がもらえます。ただし料金が無料となるわけではないのでご注意を。
 出石そばの由来について…。宝永三年(1706)に出石城主の松平氏と信州上田城主の仙石氏がお国替えとなった。そのとき仙石氏とともに信州から来たそば職人の技法が在来のそば打ちの技術に加えられ、出石そばが誕生したという。その後、出石焼が始まり白地の小皿に盛る様式が確立された、と案内に書いてある。おそば自体もおいしく、またいろんな薬味による味の変化で、飽きずに食べられる工夫もしてあってなかなかのものでした。
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 そこかしこに歴史の香りがただよう城下町・出石。しっとりと落ち着いた街並みに、幕末の志士・桂小五郎が250日間潜んでいたという跡地に石碑が建っている。その石碑のとなりの店で食べたのですが、店内には有名人の色紙がいっぱい飾ってありました。十三代・片岡仁左衛門や中村獅童さんなど歌舞伎役者が多いのは、この町に明治34年に開館した「永楽館」という近畿最古の芝居小屋があるからでしょう。廻り舞台や奈落を備え、いまも歌舞伎などの興行が行われているそうだ。
 またNHK大河ドラマの八重の最初の夫がこの出石藩出身とかで、いろんなところに番組のポスターが貼ってありました。城跡もあるし由緒ある神社やお寺も多いので、観光客が増えている出石。11月初旬には新そばまつりも開かれるそうですから、いちどお出かけください。
 

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2013年4月20日 (土)

研究者肌の主人のカレーうどん

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 大阪の地下鉄「谷町九丁目」駅から徒歩5分。住宅と商店が混在する静かな一角、マンションの1階に入る皐月庵という手打ちうどん屋さんにやってきました。成田一徹さんの本では「おろしぶっかけうどん」が紹介されているのですが、この店の一番人気「カレーうどん」と栄養満点と添え書きされている「十六穀ごはん」をいただきました。
 成田さんによると、ここの店主は修行経験ゼロの元サラリーマン。食べ歩きと図書館で読破した本の知識だけで、理想のうどんを完成させた。研究者肌である。従来、職人の経験とカンに頼っていたうどん作りを、科学的に分析、数値化することによって完璧に美味しいうどんを作り上げる、という。

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 ここのカレーうどんは長期熟成させた自家製ルーを使う本格派。おもしろいのがカレーの辛さを変更できる点。半辛(辛さ 半分)、辛口(辛さ 1.5倍)、激辛(2倍)、超辛(2.5倍)、極辛(3倍)と、標準を含めて6段階の辛さで味わえる。ちなみに私は1.5倍の辛口にしてみた。ウッ!これで1.5倍? めっちゃカラッ!でも、めっちゃウマッ! 和風だしとのマッチングが抜群なのです。たちまち頭のてっぺんから額から汗が滝のように流れ出す。3倍の極辛てどんなんや! ああ、合間に食べる十六穀ごはんの何とやさしいことよ。自慢の手打ち麺のもっちりとした食感、ツルツルした滑らかなのど越し、辛さの中からじわーっと旨味が染み出てくるカレー。文句なし、病みつきになる美味しさです。
 あと季節限定で数量限定の牡蠣うどんもそそられました。「赤穂・坂越産 牡蠣使用」という張り紙。よーし、次はこれにチャレンジだ。と言っても、ずいぶん先、秋も深まってからということで・・・。

成田一徹 『あの店に会いに行く』
~人生の想い出にしたい全国の名店~
本体 1,500円 + 税 (発行:マーブルトロン、発売:中央公論新社)

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手打ちうどん
皐月庵
大阪市中央区東平1-4-5
Tel. 06-6762-1468

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2013年3月27日 (水)

日本のハンバーガー発祥の店

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 昭和24年に開店したというから、銀座にマクドナルド1号店ができる22年も前からハンバーガーを売っていた店が日本にあったことになる。仙台の繁華街にある「ほそやのサンド」は親子3代で創業当時のままのアメリカの味・手作りハンバーガーを今に伝える老舗です。切り絵作家の成田一徹さん『あの店に会いに行く』によると、初代が当時働いていた進駐軍キャンプの調理場で初めて出会った美味しさに感動し、キャンプ前に開いた店が始まりで、米兵たちでとてもにぎわったという。そして昭和30年、現在地に進出。いまも開店当初のままの味と形を守り続けている。

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 レトロな店内にはトム・ワトソンや王貞治さんが来店された写真が飾られている。初代の趣味だそうだが1800年代のパターやドライバーが壁に並んでいる。ハンバーガーショップというよりは老舗のバーといった風情。Photo_3
 さてお味のほうはと言えば、牛肉100%の旨みがジュワーッと口中に広がる米軍仕込みの本格派。牛肉と玉ネギ、パン粉、卵、塩、コショウだけで作るシンプルだけど力強いおいしさです。オーソドックスなバンズとあいまって、「ハンバーガーってこういう食べ物なんだ」
と改めてその原点を思い知らされた気がします。全国チェーンのハンバーガーショップでは味わえない貴重なものが、仙台にはありました。

成田一徹 『あの店に会いに行く』
~人生の想い出にしたい全国の名店~
本体 1,500円 + 税 (発行:マーブルトロン、発売:中央公論新社)

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ハンバーガー
ほそやのサンド
仙台市青葉区国分町2-10-7 大内ビル1F
Tel. 022-223-9228

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2013年3月 3日 (日)

銀座で安ウマ洋食

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 え、銀座でこの価格でいいの? まずはそこに驚いた。老舗レストランあづま。赤白のチェック柄のテーブルクロスや典型的な洋食メニューのハンバーグ、カキフライ、ステーキ、オムライス・・・。そして価格まで、ここには古き良き昭和があふれております。この店も成田一徹さんの『あの店に会いに行く』に教えられました。で注文したのは、この本で紹介されている「豚のジュウジュウ焼き」。鉄皿にキャベツを敷いた上に豚ばら肉をのせて焼いたお料理。ジュウジュウ音を立てながら運ばれてくる。確かにジュウジュウ焼きだ、と思いながら特製玉ネギソースをかけると、さぁ大変! ザザッジュジュジュジュー!とすさまじい音と立ち昇る水蒸気に、まわりのお客さんまで振り向かせる。

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  昭和38年創業。シェフなどという言葉が使われるずっと前の、職人気質の美食がここには残っている。ビストロやリストランテという言葉も知らないころの、でもヨーロッパの香りのする佇まいが今もある。日本人が工夫して作った日本人のための欧風料理=洋食。それが銀座に、しかも昭和38年の雰囲気と価格であるとはうれしい限りです。ぜひお立ち寄りください。

成田一徹 『あの店に会いに行く』
~人生の想い出にしたい全国の名店~
本体 1,500円 + 税 (発行:マーブルトロン、発売:中央公論新社)

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洋食屋
レストラン あづま
Tel. 03-3571-0392
東京都中央区銀座6-7-6
地下鉄 銀座駅 B5出口より徒歩3分

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2013年1月 6日 (日)

鉄人28号、ぼっかけ焼きそば

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 ここはJR新長田駅の前。鉄人28号が雄姿を見せる広場のそばのビルに、ご当地グルメ「ぼっかけ焼きそば」で有名な焼きそば専門店イカリがあります。「ぼっかけ」とは牛スジとコンニャクを甘辛く煮たもの。ぼっかけの入ったお好み焼きは何度も食べているが、焼きそばは初めて。メニューはぼっかけ焼きそばとぶた焼きそばの2種類だけ、と、めちゃくちゃ潔い。もちっとした麺としゃきしゃきのキャベツ、そこへ歯ごたえのある牛スジと味がしみ込んだコンニャク。めっちゃウマイやん! これは想像をはるかに超えていた。
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 じつはこの店、切り絵作家・成田一徹さんが今年の春に出版された『あの店に会いに行く』で知って食べに出かけたのです。ギャラリーを閉める直前、7月にふらっと来られた成田さんが「こんな本を出しました。バーじゃなくて食べもの屋ですよ」と見せてもらった本。もちろんそのあと得意のバーめぐりにお付き合いしたことは言うまでもありません。それから3ヶ月後にお亡くなりになったと聞いて、キツネにつままれたようでした。いつものようにとても饒舌で、知り合った10年前からぜんぜん変わらないお元気さだったのに。
 これからこの本をいつも手元に置いて、成田さんの代わりに全国のおいしい店に会いに行こうと思います。バーはいっぱい一緒にまわったから、こんどは成田さんの「食いしん坊」という一面をたどってみよう。横から「ね、うまいでしょ」とあの人なつっこい笑顔があらわれそうな気がします。

成田一徹 『あの店に会いに行く』
~人生の想い出にしたい全国の名店~
本体 1,500円 + 税 (発行:マーブルトロン、発売:中央公論新社)

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焼きそば専門店 イカリ
Tel. 078-767-9289
神戸市長田区若松町5丁目2-1

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