2023年12月24日 (日)

中之島のラバー・ダック

Photo_20231223115001

 ラバー・ダックはお風呂に浮かべて遊ぶ、黄色いアヒルちゃん。その巨大バージョンが堂島川に浮かんでいる。高さ9.5mもある巨体が水の流れに身を任せ、風が吹いたらユ~ラユラ。大きな体になっても愛くるしいその姿に、思わず気持ちが和みます。

Photo_20231223115101

 中之島ウエストの『冬ものがたり2023』は、光とアートを生かして水辺のまちを美しく彩るイベントです。そのメインプログラムが『ラバー・ダック&中之島ウォーターファンタジア2023』。アヒルちゃんを見ながらリバーサイドの遊歩道をゆったり散策してみました。

Photo_20231223115201

 キャッチコピーで「光と水が織りなす」とアピールする通り、ライトアップされイルミネーション輝く夜がいちばんの見どころらしいけど、よいこはおうちに帰る時間です。残念ながら来年の楽しみに。

   Photo_20231223122801

中之島ウェスト 冬ものがたり2023
ラバー・ダック&中之島ウォーターファンタジア2023
12月14日(木)~12月25日(月)

| | コメント (0)

2023年12月18日 (月)

ハッピートイズ2023

   Photo_20231212195101

 手作りのぬいぐるみで世界中の子どもたちを笑顔にする、フェリシモの HAPPY TOYS PROJECT 。今年は神戸ファッション美術館のエントランスで、そのお披露目展示に出会いました。全国の皆さんがお気に入りの布や毛糸で手作りしたぬいぐるみを、国内外の子どもたちに贈るこのプロジェクト。スタートは1997年でした。

Photo_20231212195201

 以来、集まったぬいぐるみは66,000体を超え、60ヵ国の保育施設や被災地へ旅立ったそうです。クマやイヌなど毎年変わるテーマキャラクター、2023年は「ほっこりおちゃめなアヒルちゃん」。いつもクリスマスシーズンに開催される展示会。やっぱり贈りものはこの時期ですね。クリスマスツリーやサンタさんによく似合う。

Photo_20231212200301
  
 いろんな色や柄の布を縫い合わす。さまざまな太さの毛糸で編んだニットを組み合わす。カタチもポーズも自由に楽しみながら作られているのが見て取れる。制作者の愛情や情熱がたっぷり注ぎ込まれたアヒルちゃんたちは、どの国に行ってもきっと子どもたちの顔を輝かしてくれることでしょう。

Photo_20231212201401

 江戸っ子スタイル、という立札がたてられたコーナーもありました。お殿さまやお女中、長屋のおかみさんに股旅姿。江戸時代のコスチュームや髪形の変わり種アヒルちゃんもおもしろい。自分が作ったぬいぐるみが子どもたちを笑顔に! 考えただけでワクワクしますね。贈る側も贈られる側もハッピーにする、いい企画です。

HAPPY TOYS PROJECT
https://www.felissimo.co.jp/happytoys/

| | コメント (0)

2023年10月 3日 (火)

モアレにクラクラ

Photo_20231002154301

 見事な、と感嘆するべきか。うっとうしい、と呪うべきか。目を上げればすぐそこにモアレが見える。住んでいる集合住宅の大規模補修工事が、ついに始まりました。これから二カ月近く、この状態が続くことになります。膜で覆われて視界が遮られる。いつも工事の騒音が聞こえる。洗濯物をベランダで干せない。などなど。

   Photo_20231002154401

 外壁の外に組まれたパイプの足場。モノの落下防止や目隠しのために張られた黒いネット。晴れた昼間も薄暗くて、気分がすっきりしないのは難点なのですが、じつはこのモアレ、なかなかのアートなのです。ネットが風に揺れると、次々に予期せぬパターンが現れる。ネットを通して見る景色は、いつもと違って新鮮な感じ。

Photo_20231002154403

 またの名を縞干渉というモアレの正体とは? 細かい縞など規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせたときに、それらの周期のズレにより発生する「不快な」杢目模様のこと。TVは走査線による干渉が、印刷では網点による干渉がしばしば起こる。業界ではモアレが出ないように、衣装や背景にずいぶん気を使ったものです。

Photo_20231002164801

 もともとアラビア語/ペルシャ語で毛織物の衣料を意味した言葉。「Moire 」 TV界や写真会では細ストライプやヘリンボーンの服はご法度でした。でも、この度モアレの面白さ、美しさに目覚めました。ゴッホ顔負けの荒々しいタッチ。ムンクもびっくりの不気味なパターン。うまく活用したらすごいアート作品が生まれるかもね。

| | コメント (0)

2023年5月17日 (水)

世界の街で草間彌生

   Photo_20230514104401

 久しぶりに心斎橋へ。ルイ・ヴィトンのショーウインドーでは草間彌生さんが花に水やりをしています。パリの本店に巨大な草間さんが出現したことは、TVニュースでも見ていたので、「あっ、コレか」と思いました。コラボ商品はこれで二回目。今回はより草間彌生が前面に出ている。高級ブランドがよくぞここまで!という感じ。

Photo_20230514104402

 得意技のドットに、カボチャの髪。存在感のある花たちに囲まれて堂々と立つ、さすがアート界のスーパースターです。世界の街角でこうやって水やりをしている彼女を考えると、なぜかわからないけど感動します。カラフルで、ポップで、力強くて、カワイイ、草間ワールドのパワーが全開。失礼ながら、老いてますます盛んです。

Photo_20230514104501

 ルイ・ヴィトンを含む名だたる高級ブランド帝国を率いる、ベルナール・アルノー氏のアート好きは有名ですよね。そのおかげのコラボ、というかアートへのサポートがビジネスに大きく貢献することをよく知っているのでしょう。公式ホームページの「無限の創造 ― ルイ・ヴィトンと草間彌生の世界」もおもしろいので、お勧めします。

Photo_20230514104503

 ルイ・ヴィトン メゾン大阪御堂筋は、建物もおもしろい。ファサードは青木淳の設計。かつて海の街だった大阪の歴史から着想を得て、帆を立てた和船のような外観にしたという。オープンして3年。風を受けた帆のデザインが、今では街のランドマークになっています。5階にあるエスパスでの展覧会は、次回にご紹介します。

| | コメント (0)

2022年7月29日 (金)

海の未来はダイジョーブ?

  Photo_20220728210601

 『 WITH OCEAN  未来の海を考えよう! 』 大丸神戸店のエスカレーター横 1F広場で、こんなコンセプトのディスプレイが楽しめます。厳しい暑さの中、つかの間の涼を感じる貴重なスポット。地球温暖化や海洋プラスチックごみなどの環境問題を考えて、美しい海を未来に残そうと発信する企画。海辺の町らしい展示です。

Photo_20220728210701

 展示の目玉は、淀川テクニックさんの作品。よく見ると、カラフルな使い捨てライターや電気のプラグでできたサカナ。淀川さんは「瀬戸内国際芸術祭」の『宇野のチヌ』で有名ですよね。ポリバケツや洗剤のプラ容器など、作家がみずから集めた瀬戸内海の漂流物で作った巨大なオブジェ。宇野港の名物になっている。

Photo_20220728210702

 今回の作品は、百貨店の店内というスペースの問題もあって、作品は宇野よりずっと小ぶりです。でも浜辺の石ころで構成したり、海で拾ったガラスを使ったり、それぞれ特徴があっておもしろい。カタチはどれもチヌ。きっといちばんサカナらしいからでしょうね。多くの人が行き交う百貨店での情報発信。とてもいいと思います。

Photo_20220728210602

 下の方はサンゴ礁? えっ、ホンモノ? ダイジョーブなの? はい、きっと環境に悪影響のないモノに違いないと思います。地球温暖化で海水温度が上昇すると、現状あるサンゴは死滅すると言われている。しかし今はサンゴが育たない北の海が生育適地になって、新しいサンゴ礁ができるという。時間はかかりますが・・・。

| | コメント (0)

2022年6月11日 (土)

絶景! 五色塚古墳

Photo_20220609231001

 神戸市の垂水、淡路島を望む高台にある五色塚古墳。4世紀の終わりごろ築かれた全長194m 直径125.5mの前方後円墳です。九州や大陸からヤマトへ来る人々は船でこの沖を進んだはず。さぞ目立ったことでしょう。古墳は墓ですが、権威を誇示する象徴としての役割も大きい。当時を復元したCG画像もご紹介しましょう。

Photo_20220609234101

 この丘の下、海岸沿いの狭いところをJR神戸線と山陽電車と国道2号線が走る。そして周囲はマンションや住宅が取り囲む住宅街に。被葬者は謎ですが、明石海峡周辺を支配した豪族だと考えられている。日本書紀には「仲哀天皇の偽の墓で、葺石は淡路島から船で運んできた」と書かれているが、この記述は怪しいそうだ。

Photo_20220609231701

 古墳って樹々に覆われた緑の小山、というイメージですよね。ところが五色塚古墳はなんと223万個ものゴロゴロ石が敷き詰められた見慣れないカタチ。なんか整然とした幾何学的な美しさ。石を積み上げたピラミッドに通じるところがあります。自然的なモノではなく人工的な建造物。考えてみれば当たり前のことに気付かされる。

   Photo_20220610001501

 発掘調査と復元整備工事が完了したのは1975年のこと。古墳は三段に築かれ、斜面にはびっしりと葺石が。格段の平坦面と頂上には鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)と鰭付朝顔形埴輪(ひれつきあさがおはにわ)が並べられていたという。兵士や馬や家形の埴輪じゃないけれど、もっと実用的な役割があったのかも。

Photo_20220610002701

 周囲を深い堀と浅い溝で二重に囲われた五色塚古墳。宮内庁管轄の陵墓と違って、自由に見学できるのがいい。階段を昇り、上を歩いて、そのスケールの大きさを体感できる。兵庫県有数のパワースポットであると同時に、明石海峡大橋や淡路島を眺める絶好のビューポイントでもあります。もうすぐイベントもあるみたい。

五色塚古墳まつり2022
6月18日(土)10:00~15:30(雨天中止)

| | コメント (0)

2022年4月26日 (火)

おもしろキュビズム空間

Photo_20220416134701

 横尾忠則現代美術館の4階。アーカイブルームの奥、王子公園や摩耶山を望む窓際に「キュミラズム・トゥ・アオタニ Cu -mirror- ism to Aotani」という横尾忠則さん命名のスペースがある。キュミラズムはキュビズムとミラーを組み合わせた造語で、建築家の武松幸治が監修しました。どこまでが実像なのか、自分がどこにいるのか?

Photo_20220416135201

 窓の外に広がるのは摩耶山麓の風景。ここ青谷は横尾さんが新婚当時に住んでいた思い出の場所だそうだ。山や公園の緑、空の青、神戸文学館のレンガの赤。たくさんの色や景色の断片に包まれて、重力の意識があいまいになる。平衡感覚が崩れて、宙に浮かんだような不思議な体験。これも遊びの原点かもしれない。

Photo_20220416135401

 窓から見える青谷の風景が、ランダムに角度の付いた不定形ミラーに映り込む。天井や床に貼られた三角形にカットされた風景写真が、万華鏡のようにまた映り込む。窓の外と、床などのプリントと、ミラーの鏡像と。横尾夫妻が3年間暮らした街を、いろんな視点から多面的に立体的に目にできる。これこそがキュビズムです。

Photo_20220416140801

 以前プラハにある世界的に有名なキュビズム建築のカフェでお茶したことがありますが、これほど衝撃は受けなかった。もちろん第一次大戦前の建築で、しかも店舗や住居などとして実際に使われるビル。床や壁が歪み傾きまくっていたら、実用にはならないですからね。アート体験のためのスペースとは比較できませんが・・・。

Photo_20220416204101

 イメージの解体・再構成。これは昔から横尾忠則が得意としてきたコラージュの手法。キュビズムが視覚の探求から生まれたのに対し、横尾コラージュはさまざまなモチーフが持つイメージの再構成。だから鑑賞者の遊び心をより刺激する。ここキュミラズムも、スペースの内と外の視覚のみならず、思い出も再構成している。

  Photo_20220416211401

 横尾さんがまだ広告デザイナーだった頃の青谷。芸術家として大成し自分の名前を冠した美術館にできたスペース。60年の歳月を経たいま、風景も、思い出も、時間も、解体し再構成したコラージュ作品。ただ面白いだけの視覚の冒険にとどまらず、深い意味を汲みとれる表現になっていると思います。

キュミラズム・トゥ・アオタニ 
Y+T MOCA
横尾忠則現代美術館

| | コメント (0)

2022年4月14日 (木)

なぎさ公園アート散歩

Photo_20220408215301

 高さ3.5m、ヌッと立ち上がる金色のクマ。三沢厚彦の「Animal 2021-01-B (KOBE Bear)」です。人間に媚を売らない毅然とした姿が持ち味の三沢が作る動物。それでいてどこか愛嬌がある。神々しさもある。瞳には六甲山の緑と空の青が映り込んでいるそうだ。ここはHAT神戸。兵庫県立美術館に隣接する、なぎさ公園です。

Photo_20220408215401

 名和晃平の白く輝く「Ether (family)」もある。エーテル。下から上に、上から下に、水滴が垂れるイメージ? 4本の柱は、たしかに4人家族に見える。「復興した街を見守る家族のように、互いに寄り添って立っています」と作家の言葉。この2作品は昨年6月に設置されました。このあたり一帯は、春のアート散歩にサイコー。

  Sungirl

 美術館の前には海に向かって、ヤノベ ケンジの「Sun Sister」。過去、現在、未来を見つめ、希望の象徴としての「輝く太陽」を手に持つ少女。阪神・淡路大震災から20年のモニュメントとして設置されました。瀬戸内国際芸術祭での活躍をはじめ、大阪中之島美術館にも2点の大作が設置され、いま大人気のヤノベです。

Photo_20220408232501

 元永定正の「きいろとぶるう」。以前はシンプル過ぎるオブジェだなぁと思っていました。でも今見ると、ウクライナにエールを送っているように見えるじゃないですか。国民が支え合って、力を合わせて残虐な敵に立ち向かう。作品は時に作家の思いを超えて、独り歩きを始める。気楽で自由な、ぶらぶらアート巡り。サイコー!

| | コメント (0)

2020年9月 1日 (火)

神戸市庁舎の壁画アート

   Photo_20200829170101

 神戸市役所の本庁舎2号館。阪神淡路大震災で6階部分がグシャッと押しつぶされました。はい、覚えています。衝撃でした。そして、もともと8階建てだった建物の6、7、8階部分を取り除き、耐震補強をして5階建てのビルとして利用していた。しかし、もうすぐ築60年。老朽化が進みついに建て替えられることに。

Photo_20200829170102

 そこで10月から順次始まる解体工事を前に、Kobe Mural Art Project 実行委員会がクラウドファンディングで資金を集め、クーリングタワーの壁面と合わせて計6作品の壁画を完成させました。この界隈は路上に野外彫刻が飾ってあったり、緑豊かな東遊園地があったり、港やKIITOへ向かう気持ちのいい散歩コースでもある。

Photo_20200829170201

 2号館の北側3~4階は、HITOTZUKI(ヒトツキ)さん。同じく南側の3~4階は、TITIFREAK(チチフリーク)さん。南側1階の通路にはComic Heads(コミックヘッズ)さんの、それぞれ迫力ある力作が設置されている。解体されるまでしか見ることができないのは惜しいかぎり。今のうちに現代アートのおもしろさを味わいましょう。

Photo_20200829170202

 2号館の山側にあるクーリングタワー南面には、海をテーマにKAC(ケーシー)さんが。北面には山をテーマにsaggy steez(サギースティーズ)さんが。西面には街をテーマに佐藤未瑛(みえい)さんが描いている。本庁舎の大作に比べると、こちらはメルヘン風の優しさ。街の魅力がアップし、見て歩く楽しみが増え、アーティストの仕事も増える、こんな企画がもっと盛んになればいいですね。

| | コメント (0)

2020年6月20日 (土)

エズ・デブリンの魔法


Photo_20200604162902

 舞台美術の常識をはみ出している。誰も思いつかなかった方法論でステージを演出する。デジタル映像やコンピューター制御の光を駆使して、ステージデザイナーという新しいジャンルを切り開いたエズ・デブリン。その圧巻の仕事ぶりで演劇界に革命をもたらした天才芸術家です。NETFLIX「アート・オブ・デザイン」の一篇。

Photo_20200616194802

 ロイヤルオペラハウスやメトロポリタン歌劇場など名門からのオファーが引きも切らないエズ。演劇やオペラの舞台のみならず、ビヨンセやU2、アデルやカニエ・ウエストのステージを作り上げ、有名ブランドのファッションショーも手掛ける。1971年生まれ、ロンドンを拠点に世界を駆けまわる超売れっ子デザイナー。

Photo_20200616194801

 ステージに不吉や歓喜といった抽象的な心象をもたらす手腕は、「エズの魔法使い」と呼ばれる面目躍如。彼女はステージ美術について「物理的には何も残らない。そこがおもしろい」と言う。出演者と観客が、その瞬間その場で共有したイメージと空気。二つとして同じモノはない、これこそ至上の作品かもしれません。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧