2010年8月23日 (月)

テレビで紹介・PECHU作品

 PECHUさんのテレビ番組出演は、去年12月の事でした。朝日放送の「おはようコール」。早朝5時からの放送にもかかわらず、驚くほどたくさんの方々にご覧いただいて、大変な反響を呼びましたっけ。

 でも「見られへんかった!」「もう一回見たいけど録画してへん!」「何とかならんか」って方々も実はたくさん居られることが判明。

 で、この度やっと、やっとYouTubeにアップいたしました。「何でもっと早いこと出来なかったん?」って、ご意見もおありでしょうが、まあまあ初めての方も、すでにご覧下さった方も改めてお楽しみくださいませ。

 あの放送から半年余り、PECHUさんはちょっと体調を崩したり、悩んだりしながらも、ひたすら絵を描いています。そして確実にPECHUファンは増え続け、アーティスト・PECHUの活動の場は広がりつつあります。

 次回は壁画完成のニュースをお届けしますよ。ではでは今日はこちらを。



PECHU作品展「現在進行形」
第2部:8月19日(木)〜8月31日(火)
11時〜19時(水曜定休)


 

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2010年8月10日 (火)

PECHUさん、壁画に取り組む!

_edited2  8月のある日、久々PAXREXにやって来たPECHUさん。まずは「金魚シリーズ」の新作「たんちょう」にサインを入れます。この作品は今回案内ハガキに使用したものですが、やっとPECHU展覧会「現在進行形」に仲間入りしました。大きなハートを、頭にどっかと掲げた「たんちょう」。新入りだけど、気持ち良さそうにPAXREXの地下空間で泳いでいますよ。尾ひれがユラユラ、ハートがバクバク。どうかあなたのハートにも届きますように。
Photo  さてその後、PECHUさんはギャラリー店主と共にお出かけ。向かった先はJR「東加古川」駅と「土山」駅の間あたりにある「MaxValu」・・・。PECHUさんお買い物ですか? いいえ、二人が消えた先はこの巨大な「イオンタウン東加古川ショッピングセンター」内にある整形外科。ええっ!
PECHUさん、どこか悪いんですか? いえ、ご心配なく。PECHUさん、ここでお仕事です。
 そう、2010・8月、PECHUさんは新境地を開拓。この場所にてアーティストとして新たな仕事に挑戦します。今年9月1日、新たにオープンする「ふじい整形外科クリニック」の待合室に、ぜひPECHUアートを!と言うラブコールを受けて、壁画制作に取りかかることになりました。本日はその打ち合わせ。
 明るく清潔な待合ホール。そこに広がる縦3.4m 横6mあまりの巨大な壁。やがてPECHUアートが描かれる壁。ここを訪れるたくさんの方々が、それを目にするサマを想像すると自然と胸が膨らみます。
Photo_3  アートはギャラリーの中だけにあるものではありません。むしろそこから飛び出して、望まれた場所で息づいてこそ価値あるものになり、よりいっそう輝きを増すというもの。
 PECHUさんにとって体力勝負、気力勝負の大変な仕事となりますが、彼女の瞳はキラキラと輝いています。「きっとスゴいものになる!」って予感が、そう、自信ではなく予感と確信が彼女にはあるんです。
 改めてアーティストPECHUにこのようなビッグチャンスを与えてくださった関係者に心からお礼申し上げます。そして「かぜくさ便り」にて、その経過と結果をたくさんのPECHUファンにお届け出来るワクワクをしみじみと感じています。乞うご期待!

※PAXREXは11日(水)より18日(水)まで夏休みとさせて頂きます。19日(木)からはPECHU作品展「現在進行形」第2部を開催いたします。ご来店をお待ちしています。

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2010年3月 6日 (土)

祝!藤井保さん 毎日デザイン賞

祝!藤井保さん 毎日デザイン賞 デザインの全分野において、この1年間で最も活躍した個人・団体を選ぶ「2009毎日デザイン賞」が、藤井保さんの「大気の陰影をとらえた一連の写真」に決まったそうです。おめでとうございます。「現代の水墨画を思わせる作品。オリジナリティが素晴らしい」との選考理由。過去の受賞者を見ると、三宅一生さん、安藤忠雄さん、和田誠さんなどそうそうたる顔ぶれです。
 選考委員の一人、グラフィックデザイナーの佐藤晃一氏の講評が、的確に藤井さんの作品性を表現しておられるので、少し長くなりますがその一部を引用させていただきます。この1年間で最も活躍した個人・団体を選ぶ「2009毎日デザイン賞」 「受賞した藤井保氏は広告写真家としてすでによく知られているが、昨年、深澤直人氏と共著で出版した『THE OUTLINE』において、深澤氏のデザインした家具やプロダクト製品を主な被写体として、ミニマリズムの高い精神性を写真として見事に表現した。これはシンプルきわまりない工業製品を凝視することで、見る者に物質の宇宙性を感じさせる。PAXREXで開催中の「ニッポンテキ」展 と同時に彼の画質は、例えば谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』や横山大観の『生々流転』を彷彿とさせ、はては日本のモノトーンの絵画史や禅的なものの伝統が、まさに今日生きている姿であることをありていに示している」。
 
いまPAXREXで開催中の「ニッポンテキ」展では、藤井保さん『カムイミンタラ』の中から冬山のシリーズを展示中です。カラー作品でありながら、水墨画の薄墨のような表現。余分な要素をそぎ落としたミニマルな美しさ。「ニッポンテキ」展 生身の人間が見る風景を超えた、まるで神が眺めるのはきっとこうだろうと思える大地と大気の原初の姿を見せてくれます。それは日本人の美意識に深く根ざした感覚でもある。PAXREXまで足を運んでいただけると、水墨画のようだ、と感じるのは見た目だけではなく、その高い精神性にこそあるのだと納得していただけるでしょう。

ギャラリーPAXREX「ニッポンテキ展」
2月25日(木)~3月9日(火)
11:00~19:00 水曜定休

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2010年2月 9日 (火)

スタイリッシュなマルコの写真

 現在ギャラリーPAXREXで開催中のマルコ・マイアンティの作品「仮面のカーニバル」は、カラフルでとても華やかです。でもこんなに色鮮やかなシリーズは、フォトグラファーマルコにとって、実はめずらしい。
 「へええ〜、じゃあどんなんが多いの?」ってわけで、今日は昨年ヨーロッパで紹介された彼の作品をちょっとご紹介しましょう。
 写真がアートとして、高い位置を築いているヨーロッパでは、企業の中にも優れた作品を積極的に見つけ出し、なおかつ自社製品に取り入れていこうという試みがあります。
GLAMOUR(グラムール)というオランダのファッション雑誌  ジーンズメーカーとして、広くその名を知られるLeeもまたその一つなんですね。Lee・Europe主催の「Make History」と名付けられた写真展。さまざまなアーティストの優秀作品が選ばれているのですが、その中にマルコの撮った一枚も仲間入り。他の作品と共に、ミラノ、ハンブルグ、ベルリン、アムステルダムの各都市を旅したようです。(入賞作品は、Tシャツの図柄として採用され、いずれLeeから販売されます。)
 さらにGLAMOUR(グラムール)というオランダのファッション雑誌に、この展覧会の事が紹介され、そのページをドドンと飾ったのが、マルコの作品です。
Lee・Europe主催の「Make History」  いかにも活発そうな現代っ子がかっかと横断歩道を渡る・・・ちょっとケバい(失礼!)光るピンクの靴と縞模様のストリートとの組み合わせ。これは片時もカメラを離さない、マルコの会心のショットでしょうか? ちなみに撮影場所は大阪。ヨーロッパではありません。でも横文字に囲まれているせい? 何だかとても異国な感じ・・・。
 彼の撮る写真は、それがお相撲さんであっても、日本の伝統的なお祭りであっても、ベタな和食であっても、やっぱり何かが違う。新鮮で驚かされる。イタリア人として日本の異文化に触れる時も、また故郷に戻ってカメラを構える時も、マルコ・マイアンティの溢れんばかりの好奇心は、スタイリッシュな一枚の作品となって、我々の前に現れます。
 国の違い、言葉の違い、それらをひょうひょうと乗り越えて、写真アートの世界が広がっていく。そんな可能性を彼は感じさせてくれる。現代日本の写真がヨーロッパで、そしてヴェネツィアの写真が神戸でお披露目されて、人々を楽しませてくれているわけですものね。

マルコ・マイアンティ写真展
後援:在大阪イタリア総領事館
「仮面のカーニバル」
1月16日(土)~2月21日(日)
11:00~19:00 水曜定休

 

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2010年1月 5日 (火)

マルコ&ユミの近況報告と、展覧会のお知らせ

 「かぜくさ便り」でお馴染みのマルコ&ユミ。何度か故郷イタリアのモデナから、楽しい便りを届けてくれましたが、現在は日本在住。そして今月の16日から、彼の日本での初個展をギャラリーPAXREXで開催します。
 今年はやるぞって、張り切っているマルコ。何とラジオ出演もしちゃったみたいです。今日はそんな二人から皆さまに、新年の挨拶を兼ねてその様子を伝えてもらいましょう。

“マルコ、ラジオデビュー”  皆さま、明けましておめでとうございます!今日は“マルコ、ラジオデビュー”のご報告です。
ひょんな事から、FMaiai(FMあまがさき)の“シネコンでカフェ”と言う番組にゲストとして迎えて頂きました。
 最近日本語の勉強に意欲的なマルコですが、ラジオだし「会話」が命の場なので、心配、心配ってことで、ユミも急きょ参加する事に!
DJの荻野恵美子さんはすごい美声で、癒し系の方でしたので、日本語不安に怯えていたマルコも80%理解出来る脅威の声でした。
この番組は名前の通り、映画の番組でしたので、半分くらい映画のお話を。マルコもユミも映画大好きなのでとても楽しく話せましたが、やはりマルコはイタリア人。会話の中にちょっと形態模写を登場させてしまい・・・何度かひやっとしましたが、そこは荻野さんがうまくカバーしてくださいました。形態模写の通訳なんて想定外です、私。1月16日〜マルコ・マイアンティ写真展
そして後半分は、1月16日からギャラリーPAXREXにて開催のマルコの写真展『仮面のカーニバル』の事と、彼の写真観についてお話しさせて頂きました。映画好きのマルコですが、やはり展覧会と写真については饒舌です!通訳する間もなく喋る、喋る。もちろん身振り手振り付きですが・・・
ともあれ12月27日の放送は無事(?)終了。次回は1月3日・・・

って、あれあれ、もう終わっちゃったんですね。「かぜくさ便り」での紹介が遅れちまってごめんなさい。でもひょっとしたら「あっ!それ、聞いた!」って方が?
マルコの形態模写って、どんなんだったのかな?身振り手振りで展覧会と写真観の話?ラジオだけど・・・う〜ん、けいママも聞きたかったです!
さてお二人さん、ラジオ出演の後はいよいよ展覧会、そしてKCCでの講演会もありますよ。ノリノリでまいりましょうね。

マルコ・マイアンティ写真展
後援:在大阪イタリア総領事館
仮面のカーニバル
1月16日(土)〜2月21日(日)
11:00〜19:00
(水曜定休)

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2009年12月31日 (木)

09'K-ママ・グランプリ(アート編)

 「ゲーテが見た植物園」あっという間のアートな一年・・・まさか当ギャラリーで開催した展覧会の中から、K-ママ・グランプリを選ぶなんて事はしませんよ。自画自賛、手前味噌ですから・・・。
 でも振り返ってみますと、素晴らしい作品をPAXREX に提供してくださったトップアーティストに、改めて感嘆したくなります。
 3月の「ゲーテが見た植物園」。奥脇孝一氏がイタリア・パドヴァにある世界最古の植物園で撮影された一連の作品は、美しいゼラチンシルバーの素晴らしさを思う存分見せてくれました。「風姿」 奥脇氏は今年『ディーター・ラムス』の図録撮影でニューヨークADC賞金賞を受賞。これほどのトップ・フォトグラファーが、ずっと関西を基盤に活動してくださっているのも嬉しい事です。
 6月の「風姿」。長い歳月、蓮の花を追い続けた披田野昭治氏の個展は、ギャラリーのオープン当初から開催を熱望したPAXREXの夢の実現でもありました。もう一年、後もう一年と、納得が行くまで撮影を敢行された披田野さん。そのひたむきな情熱は、見る者を圧倒。「là」 季節の移ろいの中で、黙々とその営みを続ける蓮の表情は、胸を打たずにはいられないほどの迫力がありました。
 7月の「là」。現在超売れっ子フォトグラファーである泊昭雄氏の作品は、さすがにかっこよかった!世界各地の光を追った作品は、額装も目を見張るほどスタイリッシュ! 写真を愛する現在の若者たちが、こぞって彼を目標にするのも納得。
 10月の「雅花」。森雅美氏が、産みの親である高名な歌人・雨宮雅子さんとコラボレートして出版された写真集「雅花」の出版記念を兼ねた展覧会。森氏独自の写真と、研ぎ澄まされた言葉が織りなす世界の深さは、「雅花」 ただ美しいだけではない花たちの、魂の叫びまでをも感じさせてくれました。
 そして11月の「あるふぁべっと」。 新進アーティストとして、各メディアが注目をし始めたPECHUさんの新作展。森雅美氏や披田野昭治氏、また奥脇孝一氏もこぞって彼女を応援してくださっています。
 と、グランプリそっちのけで、うるうるしてしまったけいママ。PAXREXに足を運んでくださったあなたにこそグランプリを決めていただかないといけませんね。「あるふぁべっと」
 一年の終わりに改めてPAXREXに込めた祈りを。PAXREXはラテン語で平和の王様を意味します。アートを愛する心があれば、人は戦争などしない。人々のそんな気持ちにこそグランプリを。みなさまどうかよいお年を。そして来年もよろしく。

●新年PAXREXの展覧会予定
マルコ・マイアンティ写真展
後援:在大阪イタリア総領事館
「仮面のカーニバル」
1月16日(土)〜2月21日(日)
11:00〜19:00
(水曜定休)

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2009年12月10日 (木)

あるふぁべっと「P」に込めたPECHUさんの願い

あるふぁべっと「P」 連日続く『PECHUあるふぁべっと』シリーズは「P」まで来ました!
はい、PはPECHUさんの「P」です。
制作に半年以上を要した今回の作品は、どれもPECHUさんにとって、
全身全霊を込めて生み出したものばかりです、もちろん。
ただとりわけ「P」はPECHUさんの「P」
最初から決めていたみたいです。「P」の色は黒にしようと。
彼女には黒がよく似合います。何故だろう?

PECHUさんはいつも光の中で闇を
あるいは闇の中で光を見つめていますよ。
果てしなく続く漆黒の空の中に
銀色の光を放つ月や、愛らしい星が姿を見せるように
時折アーティストPECHUの元に降り立つ
彼女にしか見えない世界を描く。

絵を描く事が、ずっとそうしていける事が彼女の願い
この世がPEACEである事
自分がそこでアーティストとして存在していく事
それがPECHUさんの願いです。

ギャラリーPAXREX
PECHU作品展「あるふぁべっと」
11月14日(土)〜12月23日(水・祝)
11時〜19時 水曜定休(12月23日はオープン)

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2009年10月30日 (金)

森雅美「雅花」展、11月3日まで

PAXREXで開催中の展覧会「雅花」  現在ギャラリーPAXREXで開催中の展覧会「雅花」。先週末には作家の森雅美氏が、東京から駆けつけてくださいました。
 彼独自の不思議なお花たちは、どうやって撮影されているの? 作家自ら語るなぞ解きを直接聞けた方たちは、ラッキーでしたねえ~。
例えば、大判で撮ったネガを裏から光を当ててポジで複写(一度写したモノを更に写す。)その時カラーフィルターを入れると、ネガフィルムの褐色が消えて、さまざまな色が現れる・・・ 何のこっちゃ? 広告の仕事を通して森さんとお仕事をさせて頂いていたひろパパには、その理屈がわかるのですが、けいママにはちょっと??でも技法は二の次。彼の作品を楽しむのが第一ですよね?「つひの日を知ることはなしコスモスの風にふかるるところ過ぎつつ」
たとえばコスモスってピンクや紫。でも青をまとうと、どうよ? 小さな花瓶に活けられた、たった一輪の青いコスモスがじっとあなたを見つめる。今回全ての作品には、森さんのお母様である有名な歌人雨宮雅子さんの短歌が添えられています。この作品に添えられた歌がこちら。
「つひの日を知ることはなしコスモスの風にふかるるところ過ぎつつ」群れをなして野原に揺れるコスモス。そしてまた一瞬のシャッターチャンスの中に収まるコスモス。地上に溢れるもの全ては、決して単純ではないのだと思い知らされる気がします。
 さて花と言えばやっぱり薔薇? 展覧会ではまるで表情の違う薔薇たちに出会う事が出来ます。「いくたびも薔薇の真紅にゆく視線花を疲らせゐるにあらずや」 ある美しいお客様の元に飾られる事が決まった真紅の薔薇。そこに添えられている短歌はこうです。
「いくたびも薔薇の真紅にゆく視線花を疲らせゐるにあらずや」何と言う見事なマッチングでしょう。短歌と写真、両作品は今回の展覧会のために新たに生まれたものではなく、すでにお母様が詠まれたたくさんの短歌に、森さんがご自身の膨大な作品を合わせられたとか。
 その大変な作業の中で、森さんはきっとお母様の、歌人としてのゾッとするほどの凄さ、底知れぬ感性を嫌というほど見せ付けられたのではないでしょうか。
 展覧会では26点のオリジナルプリントをご覧いただけます。また写真集では60点余りの作品に、それぞれ短歌が添えられています。しかも英訳付ですよ。
超一級のフォトグラファーと歌人のコラボをぜひ、お楽しみください。

ギャラリーPAXREX
森雅美写真集展『雅花』
10月10日(土)〜11月3日(火・祝)
11時〜19時 水曜定休

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2009年7月20日 (月)

“奥脇スタジオ”訪問記

奥脇スタジオへ  PAXREX取り扱い作品の中でも、多くのファンを持つ奥脇孝一氏の『HANA』シリーズ。モノトーンのあのスタイリッシュな作品は、いったいどんな所で撮影されているのか、今日はちょっとスタジオ訪問に参りましょう。
 奥脇スタジオは、大阪市中央区淡路町の船場ビルディングの中にあります。このビルをご存知の方、きっと居られますよね? 船場ビルディングの中にあります 1925年(大正14年)にオフィスと住宅機能を併せ持つ、ユニークで革新的なビルとして誕生、数々の自然災害や戦火をくぐり抜け、今は登録有形文化財指定建物となっています。
 さあ、中に入りましょう。エントランスの緩やかなスロープは、トラックや荷馬車などを引き込むために必要だったとか。何と言ってもここは船場ですからね。吹き抜けのパティオ そして吹き抜けのパティオに足を踏み入れると、まるで空気が違う別世界が現れます。切り取られた空から届く風はやさしく、今しがた通って来たはずの町中の喧噪は何処へやら、身を包む静けさは訪れた者へのご褒美のよう。床に敷かれた木のレンガは熱気や騒音をふんわりと受け止め、同時に計算され尽くした建物の美を感じます。軒を連ねる小さなお店やオフィスの前をそっと抜け、目指す奥脇スタジオは左手奥。
 木枠のドアーをガラガラと・・・「散らかっていて恥ずかしいです」。ここが奥脇スタジオ とにこやかな笑みを浮かべて、奥脇夫人が入れてくださるコーヒーの香りを吸い込みながら思います。暮らす場所、時を刻んでゆく場所を選ぶ事は、どんなに大切かと。
 モダンなと称された建物が時を経て、レトロなと呼ばれるようになる。けれどそこに息づくピンと筋の通った美意識は少しも変わることなく、色あせる事なく存在し続ける。そしてそんな中に身を置くことによって、奥脇氏の研ぎ澄まされた感性は、鋭く、ぶれる事なくファインダーに向かうのです。『HANA』の新作、楽しみです
 階段を下りて地下に位置する撮影スタジオは、私が想像していたよりずっと小さなスペースでした。「狭いですけど、ライト一灯で撮るにはちょうどいいんですよ」。夫人のお話に耳を傾けながら、ここから生まれる『HANA』にぞくっと身震いがしました。
 この日はロケ撮影に出掛けられていた奥脇さん、20年以上に渡って撮り続けておられるライフワークの『HANA』、新作を拝見するのが楽しみです。
 
 

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2009年6月15日 (月)

祝!「三瀬夏之介」VOCA賞

『ART iT』に三瀬夏之介さんが! 一昨年、PAXREXで開催した「20人の天使」展。その参加アーティストの1人、三瀬夏之介さんがVOCA賞を受賞しました! 過去には「やなぎみわ」さんが受賞していたり(99年)と現代アートの登竜門的な賞なのでとても喜ばしいニュース! 雑誌『ART iT』にもドドンっと取り上げられております!
 今回の『ART iT』、特集は「Giappone@Venezia(日本発、ヴェネツィアへ!)」。ヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表のやなぎみわさんのインタビュー、そしてヴェネツィアに開館する美術館を手掛けた安藤忠雄さん&そこに出品する杉本博司さんのインタビューなど、いつも以上に魅力的な内容の『ART iT』であります。
三瀬夏之介さんの天使、『ART iT』最新号表紙 なんだか、イイでしょ? 言葉の響きが。“Giappone@Venezia”。アート界の最前線で活躍する日本人たち! 中国やインドのアーティストの台頭が著しい昨今のアート界ですが、日本人ももっと見せられる強みがあるハズ。
 残念ながら『ART iT』(印刷版)は今号をもって休刊し、今後はウェブサイト(http://www.art-it.asia)に移行するようですが、これからもリアルタイムなアジアのアートシーンを伝えて欲しいと思います。陰ながらエールを送ります!
 いつか、三瀬夏之介さんやPAXREX取扱いのアーティストさん達が“Giappone@Venezia”になれたらイイな♪

前回(2007年)のヴェネツィア・ビエンナーレ、当ブログでレポートしています

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