2009年3月 5日 (木)

現代アートの最前線@六本木

 前回に続き、けいママに代わって私、“しょう”がお届けする「ニュースしょう」。今回は、六本木の森美術館で開催中の「チャロー!インディア」についてレポートします。森美術館で開催中の「チャロー! インディア」(「CHALO! INDIA」)
 結論から言うと、この展覧会は超オススメ! ホントに面白いです。現代アートというと難しいモノと思われがちですが、「チャロー!インディア」には、誰でも楽しませてくれる間口の広さがあります。
 入場してすぐ現れるのは横たわるゾウ。本物!?と見間違えそうなくらい、体の線がいきいきとした彫刻です。バールティ・ケール(BHARTI KHER)による「The Skin Speaks a Language Not Its Own」バールティ・ケール(BHARTI KHER)による「The Skin Speaks a Language Not Its Own」。
 シルパ・グプタ(SHILPA GUPTA)のビデオ映像作品の部屋に入ると、自分の影がスクリーンに写っていて、その「影の自分」に空からイスやら壷やらが次々と降って来る。そうすると、右に左に動いてみたり、いろいろ試したくなります。シルパ・グプタ(SHILPA GUPTA)のビデオ映像作品「Shadow ♯3」
 ヘマ・ウパディヤイ(HEMA UPADHYAY)によるムンバイの街を表現した作品「Mute Migration」は簡単に説明すると街のジオラマなのですが、それが壁に展示してある(つまり垂直に)。下から見上げることによって、なんだかビルの屋上から街を眺めているような感覚に。
 最後の展示はシルパ・グプタによる音声と映像の作品「Tryst with Destiny」。マイクを模したスピーカーからは、歌うように読み上げるネルー首相の演説・・・
 会場には100点以上が展示されていて、多くの作品は何の前知識がなくても楽しめますが、シルパ・グプタ(SHILPA GUPTA)「Tryst with Destiny」インドの風習や現状、世界情勢などに関心があれば、もっともっと楽しめるのは言うまでもありません。「現代社会において、より批判的であろうとするアーティストたち」というようなことをシルパ・グプタが言っていましたが、作品に込められているメッセージを読み取ることによって私たちの暮らす世界が抱える、様々な問題について考えさせられます。PAXREXの名前の由来のように、アートには世界を良い方向に導く力があるんですよね。
 あと、もう一つ駄目押し(?)を。これは展覧会カタログ。¥2940はお買い得!この展覧会のチケットは1500円なのですが、六本木ヒルズの展望台の入場券も兼ねているのです! あの(!?)六本木ヒルズからの景色を眺められる、観光名所の一つとして立ち寄れる代金が含まれているのだから、1500円はとっても安いと思うのですが、どうでしょうか?
 開催期間は3/15(日)まで。オススメです!(会期終了直前の紹介でスイマセン・・・)

森美術館 開館5周年記念展
CHALO! INDIA
「チャロー!インディア」
A NEW ERA OF INDIAN ART
インド美術の新時代
〜3/15(日)

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2008年12月12日 (金)

牡蠣のシーズン、日生にて

牡蠣を食べに岡山は日生に行ってきました  穏やかな冬の休日、日生に行ってまいりました。お目当ては牡蠣! 漁港に隣接された市場で買うと、すぐさまバーベキューにして食べられると聞き、西へ西へと車を走らせました。
 紅葉が終わって、冬支度本番の山並みを抜けると、磯の香りだ! お腹もグーと鳴る。まずは「五味の市」で、山盛りの牡蠣をゲット。「こんなに食べられるかな?」「あったり前よ! 足りないくらいよ」。バーナーを持ったおばちゃんが登場 と、市場のおばちゃん、やっぱり商売上手。
 駐車場を挟んでむかえの「海の駅しおじ」に牡蠣の袋を下げてぶらぶら。今度は炭の火おこしに使うバーナーを持ったおばちゃんが登場です。セットされた炭に、これでもかと勢いよくガスをふっかけるその姿は、エプロン姿のゴースト・バスター・・・。たまに仮装してくれると楽しいかも♪
 さて新鮮な牡蠣を、新鮮な牡蠣をジュージュー焼いて食べます ジュージュー焼いて食べるんだから、美味しくないはずがない。「おお! 行ってみようか!」という方に、けいママからアドバイス。その1・・・汚れても、どうなってもいい服を着て出掛けましょうね。牡蠣はパシューと熱い汁を噴き出します。アドバイスその2・・・軍手を持参しましょう。牡蠣はかなり熱いです。片手に軍手をはめて食べたほうがベター。アドバイスその3・・・焼き方にコツあり。我々新参者に比べ、廻りのリーピーターらしき方々は・・・ 周りのリーピーターらしき方々は、牡蠣をそのまま焼くだけではなく、殻をはずしてからとろけるチーズやマヨネーズをかけて焼くという手法も取り入れておられる。なるほど、そこにちょっとしょうゆを垂らすと、じゅわ〜としみてこれまた美味かも。レモン持参の方もいらっしゃる。
 牡蠣の他にも、市場で売っている他の魚介類、な〜んでも焼いて食べられますよ。イイダコさんもエビさんもお腹に収まって、お気軽アウトドア体験、大満足の一日。カキフライソフトクリームなるものを発見
 さて再び市場に戻って、何か買って帰ろうか? 新鮮な魚介類に混じって、ここにも在る! 最近、どこに行っても見かける名物ソフトクリーム! ご当地キーワードはもちろん牡蠣ですが、なんとカキフライが2つ。でもなんでそのすぐ横に、お値段300円の古着のスーツが?
 カキフライソフトの甘い香りと、生々しい魚介類の匂いに挟まれて、大漁の旗の下で、ハタハタとなびくMサイズ・ウエスト64cmの千鳥格子のスーツ。お値段300円の古着のスーツ この市場にやって来て「うわあっ、めっけもん! やった!」と購入する人はいったい?
 日生に生きる商魂たくましきおばちゃん達の姿を後に、帰路に付く途中、あらま! 車の窓から見つけたホタテ貝の残骸アート。中味はみ〜んな人間どものお腹に収まっちまったわけか。
 さてさてつかの間の休日が終わり、これでもかと再びPECHUポエムに励むけいママ。ホタテ貝の残骸アート 頭の切り替えはいかに?

五味の市
〒701-3204
岡山県備前市日生町日生801-4

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2008年4月16日 (水)

沢木耕太郎さんと"奈良”

沢木耕太郎さんの講演会 「講演会なんて苦手だし、でも長年の友人からの頼みだったのと、場所が東大寺なんて、二度とない機会かと思い引き受けました」。
 奈良・東大寺は2010年、平城遷都1300年を迎えるそう。区切りの年を前に開かれた「沢木耕太郎氏」の講演会は大盛況でした。『深夜特急』を読まれました? あるいは映像化された『深夜特急』をご覧になりました? その後に続く著者の活躍も、もちろん素晴らしいのですが、私を含めた団塊世代に“生き方”に関わる程の衝撃を与え、そして旅立つ若者のバイブルとなったノンフィックション。その著者を目の前に出来たわけですから。『深夜特急』
 沢木耕太郎さんは、紛れもなく“沢木耕太郎”でした!『深夜特急』に掲載されていた写真と、ほとんど同じかと思うほど変わらぬ容姿、“え〜と”を連発するぼくとつとした、飾り気のない、そして誠意溢れる語り口。作品を通じてしか、知り得ない人物。けれど不思議ですね。とてもとても「沢木耕太郎」と言う人物を身近に感じる事が出来たこの日。家の本棚に並ぶ、彼の何冊かの著書を思い浮かべ、講演に聞き入りながら思いました。「よかった、この人を知っていて。沢木耕太郎のファンである自分でよかった」。会場は奈良・東大寺
 そして久しぶりに訪れた奈良の町。散り行く桜の最後を楽しむかのようなこの日、あちこちにその下で共に穏やかな午後を過ごす“パーティー”の光景がありました。そう、講演のテーマは「ソロとパーティー」でした。仕事で、家庭で、人生の様々な局面に関わる、生き方そのものに置き換えられる永遠のテーマ。ソロである事、パーティーである事。それは桜の木の下の、その光景にさえ繰り広げられるテーマなのかもしれません。今日は一人で居たい? それとも仲間と?桜、見納めです
「ギャラリー店主としてのひろパパは ソロだよね。広告マンとしてパーティーでやっていた時から、ひょっとしたら憧れていたのかな、ソロに」。「かもね。少なくともたとえパーティーに属していても、ソロっぽい人やから。沢木耕太郎さんも、それが大事って言ってはったよね? ソロとしても生きて行ける事が」。しょうさんのカメラに時折、鹿たちがヌッと顔を覗かせる・・・。よく見ればいろんなヤツが居るよね。ポツンと離れて、観光客に見向きもしない。あるいは仲間を押しのけてエサ、エサ。あなたはソロ?パーティー?ひょっとしたらこの先、奈良に来るたび「沢木耕太郎さん」を思い浮かべるかも知れない。何かの思いが、何かの光景と重なり合うってよくある事だから。
「SERENITY」展を控えて、いい休暇となったこの日。そうか、鷹さんもパーティーとして広告写真を撮り、ソロとして「和花」や、「SERENITY」を撮っていらっしゃる。鷹さんに始めてお会いした時も思いましたっけ。この方のファンでいてよかった、と。鹿にもいろいろ・・・
 さてさて「SERENITY」には、人っ子一人登場しない! その光景はある意味、快感かもしれませんよ。

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2008年2月 4日 (月)

「からほり」でお買い物

Photo_13  大阪の「からほり」という町をご存知? 戦災を免れた多くの町屋や長屋が、今も残されている界隈。懐かしくて、しっとりとした雰囲気のその町並みに、アンティークショップや、雑貨屋さんなど今風の店が軒を連ねます。どこか神戸の栄町に似た雰囲気。長くここの住民でもあるけいママの友人が、昨年この一角に小さなお店をオープンしました。_edited1 女店主はかれこれン十年前、うちのイタリアンな食事会にお招きしたところ、その時のメニューをこんなおしゃれなイラストに描いてプレゼントしてくれました。 お国さあ〜ん! けいママ、今も大事にしてますよ! また旦那様はPAXREXで大好評のモビール制作者。二人とも肩肘張らないステキなアーティストです。
さて、小さなお店が集まった複合ビル『萌』。これも栄町とそっくり。2階へ上がった所の一角「うわあ! このちょこっとしたスペースに、ところ狭しとあれこれ〜!」 Photo_21 はい、お店の名前は「あれこれ」と申します。お国さんは、けいママが崇拝するところの収集家でいらっしゃる。長年お大師さんの市の立つ日に出かけて買い求めた骨董、外国旅行で見つけた小物、ふらっと立ち寄った店でゲットした布類などなど・・・。お宅にお邪魔すると「これ、何処で買ったんですか?」と思わず尋ねてしまうものがワンサと。それがそのまんま「あれこれ」に引っ越して来た。 うわっ! 買えるんだ、とそりゃ興奮します。「ちょっと家ン中整理しようと思って、それでお店を開いたんよ。でもまたあちこちで、あれこれ見つけて来るもんやから・・・」。Photo いや、見つけて来てくださいよ、目利きなんだから。
 けいママがこの日ゲットしたこちらの土鈴も、最近どこかのアジアン雑貨の店じまいの折りに、仕入れて来たモノだそう。 手に取って振ってみる。遠い異国で、人の手の温もりの中で生まれた優しい音色が聞こえる。「一つずつ、違う音ですねえ〜、どれにしよ?」。Photo_2 「そうねえ、これはちょっと音程高い? あれは何か清々しい感じ?」とえらい時間かかる。でもお国さん、もちろん傍らであれこれアドバイスしながら付き合ってくれます。で、ふと目を止めたこちらのショーケース。あっ、ヴェネツィア・フリークの旦那様と旅行の際に二人して選んだ品かな?  「このショーウインドーの中は、非売品なのよねえ。よく幾らですか?って聞かれるんだけど」。とお国さんも、太郎さんも苦笑い。Photo_3 肩寄せ合って自分たちの目に適うモノ、側に置きたいと願うモノをセレクトしてきた、その歩みがぎゅっと詰まってますね。
 ところで「からほり」って名前、豊臣秀吉が大阪城を守るために築いた南忽構堀が、水を入れない「空の堀」だったことに由来しているそう。太閤さあ〜ん、今はこんな平和な、ほっこりした町になってますよ。ご安心あれ。

〒542-0012 大阪市中央区谷町6-5-26 萌(Hou)2F
地下鉄(谷町線、鶴見緑地線)谷町6丁目駅4番出口 徒歩3分
11:00~19:00 定休日 水曜日(祝祭日除く)

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2008年1月23日 (水)

モーダ・イタリア潜入記

大阪・梅田のホテルにて開催された・・・  モーダな国イタリア。グッチだ、プラダだ、フェラガモだ・・・。いくつ知ってます? 持ってます? メード・イン・イタリーを。でもイタリアの底力はこんなもんじゃない。ファミリービジネスが主流と言われるイタリア社会。お父ちゃんが会社作らはって、お母ちゃんが経理、お兄ちゃんがデザイナー、お姉ちゃんが営業に奔走する。イベント「モーダ・イタリア」に潜入してきました 小規模だけど、とてつもなくセンスが良い、上質なモーダを創り上げている会社が、山ほどひしめき合っています。
 そんな会社とそれを発掘したいバイヤーの、言わば橋渡しをしているイタリア貿易振興会(I.C.E)。その主催イベントが開かれ、けいママ行ってまいりました。
 まずは記者発表会。2008-09秋冬コレクションのトレンドについて、パトリッツィア女史の講演です。ファッションについての講演後・・・ええ〜、要約するとですね、自然との調和、バランス、エコロジー。たとえば表は未加工の自然素材、内側はハイテク合繊という組み合わせ。そしてフォルムはベーシックでナチュラル。すっきりしたシンプルな美が求められ、また製品作りに環境への配慮は不可欠だそうです。おおっ、奥脇孝一氏の「HAHA」を連想させる、こんな映像もあったぞ!
 さて、花も団子も・・・。この後は親睦会を兼ねて、ライト・ビュッフェが用意されていました。ビュッフェもありましたプレスとして参加したしょうさん、ただ今“美味しい焼き肉店”取材で飛び回ってはりますが、日伊友好の優雅な雰囲気にしばし浸る。けいママもあれやこれやと目移りして、お皿をもってウロウロ。この後レディース、メンズ、バッグ&レザー・・・等々100近い出展社の各ブースを回らなくてはいけませんからね。しっかり食べておかなきゃ!
 さあ、そしていよいよイタリア・モーダ巡り!  「ラテンや〜」と、しょうさん大阪のホテルのフロアに誕生した、これぞイタリア、ギュッとイタリア、こってりイタリア! ひしめくハイセンスな商品もさることながら、その商品を熱く語る彼らの情熱、DNAに脈々と流れる、受け継がれていく“美”へのこだわりがムンムンと伝わってくる。「イタリア行くと、こんな匂いがするよねえ〜。複雑な香水が交じり合ったような、それでいて個性が主張し合うような」。確かにしょうさんの言う通り、こちらの服にまでしっかり移って、うち帰っても匂うぞ・・・って焼肉屋じゃないんだけど。イタリア人がいっぱい!
 あれこれ見て歩いて、合間にはカフェで一休み。モーダなファッションに身を包み、カフェも食事もこだわりのスタイルを貫き通す。憧れの国に流れる時間をしばし体験できた一日、楽しかったなあ~。I.C.Eスタッフのみなさん、お招きありがとうございました。これからもモーダに限らず我々の知らない、さまざまなイタリアを紹介していってくださいね。カフェスペースもありました

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2007年9月25日 (火)

三木写真館で撮影!

Photo  ただ今「FIORI」開催中のPAXREXですが、すでに11月22日から開催の展覧会に向けて、準備を進めています。そのために先週、徳島の「三木写真館」にお邪魔しました。この立派なスタジオの後取り息子に、図録制作の撮影を依頼した次第で。いえ、かの立木写真館で修行されたというお父様も、まだバリバリの現役でいらっしゃるのですが、若きホープはきっぱりと「頑張ります!」と力強く言ってくださいました。
 この展覧会に参加していただく方々・・・。Photo_3 はい、お一人ではなく何と20人! 藤井保さんを始め、奥脇孝一さんや森雅美さん、小林鷹さん、そしてフォトグラファー以外にも高名なアート・ディレクターや、日本画家、イラストレーターなどなど、そうそうたるメンバーですから、そりゃ大変なんです。今をときめくプロたちがいっせいに、この図録の出来映えをチェックするわけですからね。
Photo  ひろパパは久しぶりの撮影現場立ち会いで楽しそう。 それにしても、何とも居心地のいい素晴らしいスタジオです。モダンな白いコンクリートの建物のあちらこちらにスリットがあり、光がやんわりと入り込みます。斬新な設計の中庭。緑の芝生にさわやかな風が渡り、空とのコントラストが鮮やか。本格的なスタジオ撮影以外にも、自然光を生かしたさまざまなシーンが撮れそうです。ロビーには、ちょうどこれからが旬ですよね、七五三の衣装が飾られていました。Photo_5 この写真館を訪れたちびっ子たちは、そりゃもう、いい笑顔でカメラに収まるでしょう。
 さてさて、PAXREXから持参した“あるモノ”も、気持ちよくカメラの前でちんまりと。スタジオのスタッフの方たちに、大事に大事に扱って頂いて満足げです。さまざまな角度から光を当てて、様子を見ながらの撮影・・・。よりいいものを創り上げていくために、和やかではあるけれど、程よい緊張感のなかで濃密な時間が流れていきます。3 そしてまだまだ幾つものプロセスを経て、オープン以来の一大イベントとなるべきPAXREXの図録が完成に近付いていきます。
 三木写真館のみなさん、ありがとうございます。そしてこの後もよろしく。
ところでけいママ、この日撮影していた“あるモノ”って? さあ、何でしょうねえ。今回は初めての立体物! 展示方法も検討中。慣れない事ばかりで苦労はいっぱいありますが、きっと“あるモノ”が微笑んでくれる。みんなに喜びを運んでくれる・・・。ステキな展覧会に乞うご期待!

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2007年8月 9日 (木)

MIHO美術館の“ほほえみ”

Photo  滋賀県甲賀市の「MIHO美術館」に行ってきました。琵琶湖の南、湖南アルプスの山の中。ここにど〜んとオオバコが建っているわけではありません。自然との調和を考慮して、建物の80パーセントは地下に埋没しているそうです。設計者は、ルーブル美術館のガラスのピラミッドで有名なI .M.ペイ氏。世界的に有名な氏が手掛けた美術館を見るために、年間約12,000人の外国人が訪れるとか。駐車場に車を置いて、まずは光溢れるレセプション棟でホッと一息。Photo_7 立ちこめる森の香り、穏やかな風にス〜っと汗が引いて、深い山裾の自然豊かな地に身を置いている自分を実感します。
 そして、いよいよ美術館へと続くアプローチは、まるでスタートレックの世界。こんなに美しいトンネルを初めて見た気がします。大きさ、ライン、素材、全てが完璧なまでに計算されているのでしょね。写真を撮りながら、異空間を楽しみながら期待が高まっていきます。そしてトンネルを抜けると、さあ吊り橋。Photo_8 設計のテーマは桃源郷・・・。 道に迷った漁夫が仙境の楽園“桃源郷”を見つけ出すと言う・・・。まさにこれは別天地への誘い。素晴らしい建築の為せる技にまずは感嘆です。
Photo_10   さて訪れたこの日、美術館のテーマは“いにしえのほほえみ”でした。2,600年ほど前、ギリシャの彫刻に生命を吹き込んだと言われるアルカイック・スマイル・・・。 地中海世界だけではなくオリエント、ガンダーラ、中国、そして日本へ伝わってきた、古代と呼ばれる時代に生まれたほほえみ。Photo_11 今を生きる我々もやっぱりほほえみを求めている。苦しいとき、辛いとき、迷うとき、どうすればいい?ーたいした事ないよ。大丈夫だよ。ー神々や仏様が送ってくださる、慈愛に満ちたメッセージ“ほほえみ”それは言葉よりも深く、そして万人に降り注がれる。120点に及ぶ素晴らしいほほえみに出会った一日。誘ってくれたPAXREXつながり、テラス会の若い仲間に感謝。
_edited1  食事に、買い物に大はしゃぎだった一日。館内のレストランはオーガニックをふんだんに取り入れた自然食。けいママ一押しはお豆腐! 毎日でも食べたい! お持ち帰りも出来ますよ。そしてミュージアムショップも充実しています。栄町の雑貨店大集合みたいな・・・。アートを堪能してほほえみの大切さ、心地よさを実感した大満足の一日でした。

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2007年6月19日 (火)

“藤井保作品”ここに在り

Photo_462  和歌山県南紀白浜 椿温泉。ここに部屋数わずか6つ、なかなか予約の取れない超人気旅館「海椿葉山」があります。空の青、海の青にくっきり浮かび上がるベンガラの紅。竹原義二氏設計 “2002年建築学会作品選奨”にも輝いたその建物は、“人をもてなす”という行為を、究極に突き詰めた結果生み出されたお宿、Photo_472 そんな印象を受けます。  そしてこの美しい建物のロビーを、堂々と飾るのが巨匠「藤井保氏」のこちらの作品。台風の日に「待ってました!」とばかりに、機材担いで馳せ参じる藤井さんの真骨頂でしょうか。Photo_473  鋭い洞察の元に切り取られた自然は、己の身に降りかかる水しぶきをも連想させるド迫力! 「へええ〜! ここで藤井氏の作品に遭えるとは・・・。何か得した気分ってお客さま、結構いらっしゃるんですよ。」とオーナーの伊谷さん。
 昨年カムイミンタラ展の時に、PAXREXにお越し頂いて、この作品をお選び頂いたんですよね。 さて我々が訪れたこの日、客室前に拡がる大海原は静まり返り、初夏を思わせる爽やかな陽光にキラキラと輝いていました。Photo_474 “海”という上質の舞台を、思う存分味わうために設えられた空間。廊下の片隅にさり気なく飾られた野の花、繊細な料理の数々、すべてに宿のオーナーの心づくしがあるからこそ味わえる、贅沢な時間です。母なる安らぎに身を委ねながら、刻一刻と変化する空の色や、空気や、風を楽しみ、そして明日の海をも、そう、藤井さんの作品のような荒れ狂う、牙を向いた荒々しい父なる“海”をも心に描く。 それはひととき癒されて、また慌ただしい日常の日々に戻っていく、旅という名のサプリメントでしょうか。
Photo_475  帰り際に求めたポストカード、藤井保氏の元アシスタント、現在チョー売れっ子カメラマン「瀧本幹也氏」撮影の海の表情・・・。さすが!空気写真家と評される師匠の技をしっかり受け継ぎ、しかも独自の世界を! 是非ともPAXREXでの個展をお願いせねばなりませぬ。この「海椿葉山」の案内パンフレットをPAXREXにて、僅かですがご用意しております。「ステキ!」と叫びたくなるほど「ステキ!」ですよ。気品溢れるホームページも必見です。

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2007年2月 1日 (木)

神戸発、TOKYO名物?

表参道ヒルズ内、ジュリアン・オピーの作品  けいママ、2年ぶりに東京に行ってまいりました。まずは話題彷彿の“表参道ヒルズ”へ。美しいケヤキ並木の景観を壊さないために、高さは低く、その変わり地下を30m掘り下げたという建物、中央の階段をくるくる廻っていくうちに上へ下へ。。。あちこちの壁面で見かけるイギリス人アーティスト、ジュリアン・オピーの作品は、フロアー毎に色合いが変化して、それらを見ているだけでも質の高いギャラリーのよう。表参道ヒルズ内、ジュリアン・オピーの作品設計者は、ご存じ安藤忠雄氏! テレビのインタビューでも、関西弁丸出しで、建築への思いを熱く語ってはりますよね。今回のテーマは「美しい日本を後世に残す」・・・。う〜ん! PAXREXの「ニッポンテキ展」とコンセプトは同じや!
 さて次の日は、築地でお寿司を食べた後、浜離宮から浅草まで遊覧船に乗って隅田川クルーズ隅田川クルーズ何ともベタな観光コース? しかし、この写真をご覧あれ! 回りは外国人観光客ばかり。。。まるでヴェネツィアのヴァポレットのようだと思いません? もちろん川岸に展開する光景は違いますけどね。名だたる歴史的な橋の下をくぐり、進化し続ける東京の町並みを船上から眺める・・・ カモメも飛んできます。そして、こちらはイルカ・・・。JR品川駅から徒歩2分の、ホテルに隣接された水族館で、出会えます。さすが東京!
 さてさて、十分に楽しんだ東京見物の中で、とてもうれしかった事が一つ。隅田川クルーズそれは神戸発のお店が、大都会東京にも進出、支店を構えて頑張ってる姿を見たことです。
 まずは神戸ッ子お馴染みの輸入衣料を扱う「乱痴気」東京店。フーン、この外装は最初から狙ってたのかしらん?それとも“この足場、もうこのままにしとこか? ここになんか掛けたらちょっとおもろいんちゃう?”となったのかしらん? ホテルに隣接された水族館のイルカです場所は、表参道付近の閑静な住宅街。セール中だったこともあるのかな、お客さんいっぱいでした。
 一方、1番下の写真は、昨年の東京ウォーカーにも紹介された、神戸フードで有名な「MARUYOSHI」赤坂店。けいママも夜はここでおいしい、ホルモンと鉄板焼き、もちろん名物ネギ焼きもいただききました。 店内では、聞こえる、聞こえる関西弁! 乱痴気でも東京の方にも、神戸の味は人気で、じわじわ浸透してきているようですよ。
 何もかもが東京に吸い寄せられていく感のある今のニホン。もっと人が動き、モノが動き、地方と東京の差が縮まればいいですよね。PAXREXも、今まで東京でしか観られなかったアートな写真を栄町でご覧頂けるよう、頑張ってますよ!MARUYOSHI

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2006年10月28日 (土)

鷹ワールドが、ここにも。

1_16  小林鷹さんの「和花」がずらり・・・ ここはPAXREXでしょ? いえ、最近リニューアルした、大阪西区北堀江にある“倉商本社ビル”1階のレセプションルームなんです。この内装を手掛けたのは“cafe co.”という、関西屈指、今や全国区のインテリアデザイン会社。そこを通じて鷹さんの作品をこの度、納入させていただきました。

Photo_105  PAXREXから嫁いでいった「和花」たちに会いたくて先日出かけたのですが、ステキな雰囲気の部屋に見事にマッチした彼女たちを見たとたん胸キュン! 一方の「和花」たちも「あっ!けいママだ。会いに来てくれたんだ!」って・・・。 応対してくださったリゾート事業部の辻さん曰く「えっ!これ写真なんですか? ホントに? 絵だとばかり思ってました。」「ええ~ええ。たいていの方は、そうおっしゃいます。」

Photo_106  ところでこちらの会社が、現在力を注いでおられる「昴ロマンリゾート」のプロジェクト。兵庫県佐用町500万㎡の広大な敷地に、ゴルフ場、テニスコート、プール、別荘分譲地などがゆったりと点在・・・。またシンボルとして高台にそびえる「佐用コンドミニアム」は、建築家安藤忠雄氏設計、内装担当は、レセプションルームと同じくcafe coの森井良幸氏という豪華さ! ひろパパ、残念ながらゴルフはやらないんですけど、ここのコースは相当評判いいみたいですよ。ゴルフに訪れて、いっぺんに気に入って別荘や、コンドミニアム購入をお考えになる方も多いとか。そりゃ、大阪からでも80分で行けるんですものね。毎週末でも・・・。 ビデオも見せて頂いて「へええ~! いいですねえ~!」そのうち、現地からの生情報もお伝えしますね。もちろんパンフレットもたくさんいただいてきて、PAXREXに置いてありますからね。興味のある方、是非。

 さて、オープンして半年が経ったPAXREX、おかげさまでこのような形で、色々な方たちとのつながりが出来てきました。そんな中、今月58歳の誕生日を迎えたひろパパ。先日NHKの番組“プロフェッショナル=広告カメラマン上田義彦氏”を、懐かしそうに観ていましたが、まさにああいう現場真っ只中にいた二年前・・・。 今は何て静かで、穏やかな仕事場でしょうか(笑!) けれどあの頃出会った素晴らしい方たち・・・そのかけがえのない財産の上にこそチョイス出来た第二の仕事、みなさんに感謝です。そして「これが写真? 何だかイメージ変わりました!」と驚いてくださった方たち、ありがとう。それこそがひろパパの望みだったんです。「素晴らしい写真アートの世界へようこそ」と扉を開くことが。

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