8.「神戸」ー帰郷
帰国後に、あるインド人のホームパーティーに招待されました。
4畳半ほどの小さな部屋には椅子やテーブルもない。布団を折り畳んで作った即席のソファーと床に10人近くが座り、鮨詰めとなった部屋で出された料理は、最高に美味しかった。初めてのメニューがいくつもあり、全てが手の込んだもの。小魚のおつまみに始まり、スープやシチュー、何種類ものカレー、パン類など、皿の数も驚くほど多く、尋ねると、このパーティーのために丸二日かけて作ってくれたらしい。居合わせたプロのコックさんも「レストランでは出せない料理。あまりにも手間がかかるから」と唸るほどの味だった。
飾らず、もてなしてくれる。インド滞在中にずっと感じていたこと。想像していた通り、インドは私にアメリカやイタリアといった、私の好きな他の外国と変わらない「異国」を見せてくれ、想像以上に多様な面を見せてくれた。しかしそれは、たくさんの友人の支えがあったらこそ。現地を案内してくれた人たちは、ほとんどが初対面。友人の友人や、友人の家族や親戚だったから。直接の知り合いではない私を家族のように迎えてくれた彼らは何故そこまで?と思うくらいに親切だった。「誰かに与えた親切は家族や、友人や、子孫に必ず返ってくる、自分自身だけではなく」と信じている人が多いからだ、と後から教わった。
拠り所がそうさせるのか、何かの過酷な状況が拠り所を求めるのか、私にはわからない。
私にできるのは、彼らが日本に来ることがあったなら、と考えること。我が街を良く見せよう、我が街が一番だと競い合うようにして、もてなしてくれた彼らや、彼らが大切にする人が日本に来ることがあったなら、神戸のどこを案内しようか。中華、水族園、夜景、もちろんホームパーティー、それから・・・と考える私は、やはり何かをもらって帰ってきたのだろうと思います。
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