2012年1月 7日 (土)

南京町のパニーニ店

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 南京町の西側突き当たり、ピッツェリア「Tana Forno」と同時にオープンしたのが、パニーニ「Tana」。ピザと同じく、もうすっかりこの国で市民権を得たパニーニを手軽に味わえるお店です。車での移動販売って感じなんだけど、いつもちゃ〜んとここに止まって販売しているパニーニ屋さんです。
 注文して食べるのは、車の前のオープンスペースか、あるいはテイクアウト。注文して出来上がりを待っている間、ふと何年か前にロングステイしていたイタリア・フィレンツェのパニーニ屋さんを思い出してしまいました。
Img_2154_5 フィレンツェ名物「LAMPREDOTTO」(ランプレドット)と呼ばれるパニーニ。牛の内蔵をええほど煮込んだモツを、これでもかと言うくらいたくさんパンに挟んだサンドイッチなんですが、それはもう迫力満点! 口をいっぱいに開けて頬ばりながら、よく思いましたっけ。「フィレンツェ人って、どんだけお肉好きなんやろ!?」  骨付きビステッカからモツ煮込みに至るまで、余すところなく肉を食べ尽くす肉食文化を感じました。ほんまに懐かしい・・・湯気の立ち昇るモツ煮込みをフォークで刺して見せてくれたあのパニーニ屋のお兄ちゃんは、今もフィレンツェの街角で元気にやってるかしらん?Img_2939_2
 と、ちょっとしんみりしていたら「Tana」のパニーニが出来上がりました。生ハム入り、ツナ入り・・・やっぱり上品です。でもサンドイッチと言えば、四角い食パンに挟んで・・・みたいな感じのものしかなかった頃に比べ、イタリアからのパニーニ上陸は、確実にこの国のパン事情を変え、またパンの美味しさの幅を広げてくれたのではないでしょうか。
 熱々のパニーニと珈琲を抱えて、PAXREXに向かう。振り返ればそこに、南京町の西安門と、はためくイタリア国旗。「地球上みんな、仲良く!」って何言ってんだか・・・ でも美味しいものはきっと、きっと万国共通。ラーメンすすって、パニーニ頬張って、今日も楽しく神戸の日々でございまする。

 Panini Tana (パニーニ・ターナ)
 〒650-0022 神戸市中央区元町通3-2-1
 ワコーレ元町ザ・シティ1F
 078-331-8810

 
 
 

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2008年9月29日 (月)

フィレンツェ・教会コンサート

 秋の夜長、夜風にフルッと身を震わせ、両手に暖かい飲み物を包み込んで、たまにはクラシック音楽などいいですよね。♪
今日はフィレンツェのちょっとお得な情報を  と、思い出すのはフィレンツェ滞在中に、すっかりハマってしまった教会コンサート。よく出かけましたっけ。でも一度も日本の観光客の方を、見かけた事はありませんでした。やはり穴場なのかも!と、言うわけで今日は、フィレンツェの夜の過ごし方、ちょっとお得な情報を、ひそひそとお教えしちゃいますよ。
 フィレンツェと言えば当然ドゥオーモ。ドゥオーモだけでなく教会がたくさんあります さん然と輝く教会がどっかと君臨していますが、どんだけ〜教会が多い町か! まとまった期間住んでみると、よく分かります。散歩の途中に、偶然見つけた小さな教会、観光客など誰も居ないその空間に、一歩足を踏み入れて見ると、とてつもなく美しいマリアさまと出会えたりする。そんな教会のあちらこちらで、夜になるとコンサートが開かれるのです。お値段はせいぜい10〜15ユーロくらい。献金箱だけが置かれていて無料の場合もあります。でも驚くほど質が高い!
そんな教会のコンサート、オススメです  私が一番よく通った、ドゥオーモからほど近いコルソ通りに面した小さな教会では、日替わりで出し物を変えていました。たとえば今日はバイオリン、明日はオーボエって感じで。いつも入口付近に張り紙が出されていて、「おおっ!! 今夜はヴィバルディの“四季”だぞ! これは来なくちゃ」。そんな時は夕食を早めに済ませ、いそいそと出かける。と言っても始まるのは夜の9時頃ですけどね。
 礼拝堂を意味するイタリア語のcappella(カペッラ)。ア・カペッラ(無伴奏の音楽)は教会から生まれたもの。確かに音響効果は抜群! パイプオルガンの音色や、澄んだ歌声が高い天井のドゥオーモに響き渡ると、荘厳な雰囲気に身が引き締まる思いがします。10〜15ユーロくらい。なかには無料のものも
 フレスコ画が描かれた空間でその音楽に浸る時、今もこの祈りの場所が人々の生活の中に溶け込み、安らぎを与えているんだと、そして音楽もまた、豊かな生活に欠かせないものなんだと気付かされます。
 一方で、この町に暮らす友人のミナ&アマの言葉。「この町にはね、若者の遊ぶ場所が無いのよ。カラオケもゲームセンターも、コンビニも」。確かに。24時間灯りを付けて、若者達を迎える我が祖国との何という違い・・・。でも私は、こっちの方がいいなあ〜。と今夜もあの町の何処かの教会で行われているであろう教会コンサートに、思いを馳せる。この秋フィレンツェに行かれる予定の方、ぜひ夜の教会コンサートをチェックしてみて下さいな。まさか、あの町でカラオケに行きたくはないでしょう?

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2008年7月12日 (土)

フィレンツェの語学学校

スクオーラ・トスカーナ(scuola-toscana)の入口  今流行の、熟年夫婦の海外ロングステイ、その滞在先としてイタリアが意外に少ないのは、やはり英語圏ではないから? 食べ物は美味しいし、観光名所はいやというほどあるのに。。。もったいない! Andiamo in Italia(イタリアに行こう!)で、今日はけいママが通ったフィレンツェの語学学校「スクオーラ・トスカーナ」をご紹介します。目立つ看板もなく、チェントロではごく普通の古い建物の一角。
 ドォーモそばのアパートを8時過ぎに出発。通学途中の道すがら、すでにレッスンはスタート。はい、シニョーリア広場で無料新聞を配るお兄さん、お姉さんと朝の挨拶です。サンタクローチェ教会前この時間帯にすれ違う人たちは、、今から仕事に向かう住民達、そこに混じって新聞片手に、石畳を軽やかに歩く。そう、これだけでも「私、ただの観光客ではありませんことよ♪」って気分上々。後1、2時間もすれば、学校のあるサンタクローチェ教会前の広場は観光客で溢れかえるんです。
 なつかしきクラスメート達。まずはイタリア語で自己紹介。「どこから来たんですか?」「僕はモナコから」。「へええ~、海がきれいなんでしょうね」。と、何言ってんの、君?って怪訝な顔をされました。クラスメートたちミュンヘンの事をイタリア語ではモナコって言うんですね。こんなん常識中の常識らしい・・・。日本で長い事イタリア語を勉強して、多少自信のあったけいママ、いきなりガガァーン! 真摯な気持ちで勉学に励もうと、観念した瞬間でもありました。
 それにしても、休暇を利用して、近隣の国へひょいと語学留学なんてステキですね。そして熟年同士で、気の合ったフローレンスはニューヨークから。自分のルーツである国の言葉を勉強しようと思い立ったんですって。この人たちもクラスメート彼女の名前は、そのままこの美しい町の英語読み。摩天楼が立ち並ぶ大都会から、与えられし我が名の古都にやって来て、毎日がエキサイティングだと話してくれました。
 担任のナディアちゃんは若いけど、そりゃもう優秀な先生!って、生徒が先生をそんな風にいうのはおこがましいかも知れませんが、少しでも教え方が不味いと大ブーイングが起こる厳しい状況。先生方はホンマにプロです。だって、イタリア語なんて一言も分らない生徒にだって、母語のイタリア語以外いっさい使わないで教えるわけですものね。担任の先生とみっちり授業の後、背中をスウっと冷や汗が流れて行く事って、結構ありました。それほど真剣勝負。密度が濃いって感じ。
 授業の後には、参加自由の料理教室、ワイナリー見学や、トスカーナ地方都市への遠足もあって、何より色々な国の人たちと出会えるのが楽しい。言葉がうまく伝わらないもどかしさを、何とか伝えようという気持ちに変える。シャイな自分(?)を奮い立たせて挑んだ日々でした。

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2008年4月 4日 (金)

天才を育む土壌

ダリ劇場美術館(Teatro-Museo Dali)  バルセロナ郊外、フィゲラスにあるダリ劇場美術館(Teatro-Museo Dali)、我々がそこを訪れた日は5月半ばだというのに、ヨーロッパは記録的な猛暑に見舞われていました。のどカラカラ、頭ボオ〜といまいち乗り気でないけいママをよそに、ひろパパは大はしゃぎ! これまたリベンジであります。以前広告マン時代に仕事でここを訪れた折り、むろんゆっくりと見て回るほどの余裕はなくて、後ろ髪を引かれる思いで次の仕事先に移動したとか。ダリ美術館(ダリ劇場美術館・Teatro-Museo Dali) だから今日は「思い切り楽しむぞ!」とテンション高い。
 奇才の名を欲しいままにしたダリ。晩年になって自身の美術館を故郷に建設するという夢の実現に、これまた思い切りテンション高かった? サーモンピンクのド派手な壁面に、ぺたぺたと張り付いたオブジェは、この地方特産のパンをイメージしたものだとか。決して食べた後に排出されものを、ドサッとてんこ盛りにしたわけではないそうですよ。
ダリ美術館(ダリ劇場美術館・Teatro-Museo Dali)  でもダリの考えることだもの、中庭に置かれた車(これも作品。ちょっと見えにくいですが)は、コインを入れるとガタガタと揺れだすやら、ライトが点滅するやら、クライマックスには車内の天井から雨が降り出すやら、外は晴れでも車内はドシャ降り。巨大なだまし絵や奇妙なオブジェなど、息を凝らして、ケータイ切って、靴音を消すように見て歩く美術館とはまるで違う、テーマパークの先駆けのようなファンタスティックな美術館、人々がキャーキャーと楽しむサマを、今もダリは何処からか見下ろして、ほくそ笑んでいるのかもしれません。
 そしてピカソやミロが愛した、ガウディの作品がそこかしこに溢れるバルセロナの町。これほど多くの天才たちの才能を、たおやかに見守り続けたその土壌。カサ・ミラ(Casa Milà) 個人の邸宅として建てられた「カサ・ミラ」は、既成概念に捕われることなく、波打つ壁面や宇宙人のような煙突。その「異端の美」を見いだしたパトロンの凄さにも圧倒されます。
 また一方で、カタルーニャ地方の独自性。ガウディが、自分をスペイン人ではなく、カタルーニャ人であると称したように、今もこの町の教育はカタルーニャ語で行われ、けいママの友人であるel patitoさんはかたくななまでのその姿勢をブログで綴っています。受け入れることと、守り通すこととの絶妙なバランス。カサ・ミラ(Casa Milà) そして創造の美が溢れる町。
 巨大な高層ビルに混じってサグラダ・ファミリアの未完のファサードが見え隠れする。自分の一生のうちに決してその完成を見ることがない・・・そんな建造物を間近に見て日々を過ごすからこそ、この地に暮らす人々には、誇りと優雅さと、そして気高さが備わっていくのでしょうか。

 3回にわたってお届けした「リベンジ“バルセロナ”」。私にとってはフィレンツェのように懐かしく、そして魅惑的な町。まだまだ行き足りない、堪能したい町の一つです。

Hasta luego!

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2008年4月 1日 (火)

スペイン・モンセラットにて

スペイン・モンセラット(Montserrat)  険しい山にある信仰の地、それは各国共通の傾向なのでしょうか? 祈りを捧げるため、神の御心にすがるため人々は一歩一歩を踏みしめて、神のお出でになる場所へと歩みを進めます。バルセロナ郊外のモンセラット、今でこそ電車やケーブルがありますが、自分の足だけで辿り着かなければならない時代は大変だったに違いありません。スペイン・モンセラット(Montserrat)  この山の頂きにはベネディクト派の修道院があり、数々の奇跡を起こして来たと言われる、黒いマリア像が祭られています。ケーブルがその景観の元に近付いて行く、と同時に眼下に、町の風景が鮮やかに広がりを見せる。我々に取ってはピクニック気分のこのアプローチですが、厚い信仰心の元にこの地を訪れるスペインの人びとに取っては、瞳の奥深く、すでに“黒いマリアさま”のお姿が浮かんでいるのでしょうか。
 列を成してそのマリア様に祈りを捧げる人たち・・・。けいママもそこに加わりました。そんな状況で「やった、リベンジ成功!」とほくそ笑む。な、なんて不謹慎な! スペイン・モンセラット(Montserrat) 前回のバルセロナ訪問で、楽しみにしていたモンセラット訪問を果たせなかったけいママ、この日はご機嫌だったのであります。 それにしても、何とも奇妙なこの山の形状。まさしくその名の通り“ノコギリ”で挽かれたような巨大な岩塊が重なり合う、あるいは神の御心のままに切り取られ、重ね合わされたかのようなその光景は圧巻です。
 スペインが生んだ偉大な建築家ガウディはサグラダ・ファミリア教会のイメージを説明する際、このモンセラットの岩山を引用したと言われています。「すべては、大自然という偉大な著作物から生まれてくる」。その言葉を、忠実に作品に込めた天才。スペイン・モンセラット(Montserrat) つかの間の旅人にしてみれば、ただ口をあんぐり。この聖地を訪れる事が出来た喜びをかみしめる。来訪者たちが捧げたロウソクの、その色合い、偶然とは言え配置の美しさにまで“アートなシーン”を感じ、この国に脈々と流れる美意識の高さに打ちひしがれる。そしてリベンジではない再訪を、月日を経た後の、我が身に起きた時の流れを、ゆっくりとこの地で振り返ってみたいと、切に願う一日でした。

スペイン・モンセラット(Montserrat)

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2008年3月29日 (土)

リベンジ“バルセロナ”

el patitoさんちのちびちゃん  フィレンツェ・ロングステイの際に訪れたバルセロナ。2度目の訪問でしたが、この町には友人el patitoさんが住んでいて、是非とも再訪したかった(写真はこの時が初対面だった生後六ヶ月のel patitoさんちのちび)。彼女やその家族に会いたかったのはもちろんですが、実はもう一つの理由が・・・。はい、リベンジです、リベンジ。シチリアでカウントダウン
 あれは忘れもしない2001年、あと数日でヨーロッパ経済はユーロに移行するという記念すべき年の暮れに、7人の愉快な仲間でこの地を訪れたひろパパとけいママ。それはまるで、悪戦苦闘する新米のツアコン体験のような旅だった! だから、だから 「今度こそ、思い切りこの町を堪能するんだ!」と意気盛んにフィレンツェから、バルセロナへと乗り込んだ次第です。ご存知、サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia) 到着したその日は、グラシャス通りに面したタパスの店「QUQU」へ。スペインの小皿料理をあれこれ注文出来る、カジュアルなお店はチョーお奨めです(残念ながら写真がない・・・)。
 と、ここからリベンジはスタート! 実は前回、この店で7人分のお勘定をカードで済ませたひろパパ、どうやらそのままカードを置き去りに・・・。とっほほ。朝になってから気付いてそりゃもう、パニクりましたとも! あちこちに電話かけて、結局紛失届を出した後、半ば放心状態でel patitoさん宅へ。サグラダ・ファミリア内(Sagrada Familia) と、今度はここでカメラを置き去りに・・・。その後サグラダ・ファミリア観光に向ったけいママのケータイに、el patitoさんが必死で連絡してくれていたのですが気付かず。だからここでもリベンジ!  サグラダ・ファミリアの写真をこれでもか!と撮りまくる。まあカメラはもちろん次の日に、el patitoさんから無事ピックアップしましたけどね。思い出すなあ〜、あの時の事・・・。バルセロナの後はイタリアに飛んだのですが、10日余りのグループツアーにおいて、ひろパパに代わってリーダーに“昇格”してしまったけいママ。“カ”の付くモノ、カメラ、カード、カネは私が管理します!と高らかに宣言。食事最中にもメニューを確認、レシートを細かくチェック。サグラダ・ファミリアからの眺め(Sagrada Familia) 夜も更けてホテルに戻れば電車の切符やお茶代、その日の7人分の支払いをメモメモ・・・。A型ですからねえ〜、わたくし。ツアコンなどに死んでもなるモノか! と毎晩ベッドに崩れ落ちたものです。でもまあ、この時の顔面引きつったけいママがよほど恐ろしかったのでしょうか、ひろパパは。フィレンツェ・ロングステイに関してはもう完璧! お金の管理よし、忘れ物無し! あの旅行の教訓がしっかり生かされたようです。
 ところでバルセロナと言えば、見所が盛り沢山! 次回、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

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2008年3月17日 (月)

ダヴィデと共にフィレンツェ散策

ダビデ像(David von Michelangelo)

 チャオ! 僕はダヴィデ。フィレンツェは僕の町。シニョーリア広場には僕のレプリカが立っているけど、本物の僕は、アカデミアに。知ってるよね? そんな事。
ところがけいママ、ロングステイの折りには一回も、僕ンとこに来なかったんだ。信じられる? 2ヶ月も居てさあ、一回もだぜ! あまりにも人が多過ぎて、もういいかって事にしちゃったらしい。まあ、わからない事もないけどね。確かに「よう、こんだけ来るなあ〜」って毎日そりゃ思うもんね。たまには僕もぶらっと、散歩もしてみたい。ちょっとウエスタン・シャツでも着て変身するよ。ほら、ダヴィデというより、デヴィッド! フィレンツェも英語で言えばフローレンス。花の都の、僕は花形さ、いつでもね。ホテル・ブルネレスキ(Hotel Brunelleschi)
 じゃあ、僕はジモッティーだから“裏フィレンツェ”って感じで行ってみようか。Andiamoci!(行こか!)  あっ、ここ知ってる? ドゥオーモの近くにあるホテル・ブルネレスキ。二千年以上前の歴史ある建物を改装した超有名四つ星ホテル。この塔は囚人を幽閉するためのものだったんだよ。
(けいママから一言・・・)「あっ、知ってます! 実はずっと以前、キャンペーン期間中に一度だけ泊まった事が。ここの屋上テラスから見えるドゥオーモは最高でした。今はもうバカ高くて、とても泊まれません!」ボッティチェリのヴィーナスのトイレ
 ふ〜ん、そうなんだ。それにしても人が多いよね、春のフィレンツェは。ウフィッツィの人混みは凄いわ! ここは避けて裏通りを歩こう。何やら工事中・・・あらら、移動トイレに描かれたボッティチェリのヴィーナスに出くわしたぞ。相変わらずお美しい! 僕もデヴィッド・ベッカムにあやかって、ヴィクトリアみたいな女性に出会いたいもんだ。この近くには、けいママお進めの革製品のお店もあるよ。その名も「ウフィッツィ」。僕みたいなイケメンが居るから、お買い物も楽しい!
ダビデ像(David von Michelangelo) さて、ポンテ・ヴェッキオを渡った雑貨店のショーウインドーで、こんなおちゃらけの僕に出会ったよ。僕を作ったミケランジェロさま、貴男様がうつむき加減に(か、どうかはわからないけど)散策されたこの町は、今も変わらず美しく、僕は人々から深く愛されています。
 それに引き換え、おおっ、可哀想にピン・クッションにされた聖セバスティアヌスは、矢のかわりに針をいっぱい刺されて、相変わらず拷問を受けておりますわ。待ち針突き刺すヤツは快感? その度に聖人は「イテ! イテ!」とおののく。Photo_5
 聖人も天使も歴代の政治家も、この町では途切れる事なく今も呼吸を続け、巡る季節を繰り返す。そこかしこに溢れる観光客、観光馬車が行き交い、鐘楼の鐘が響く・・・。悪くないよね、この喧噪。さあ、そろそろ僕は戻るよ。僕に会いに来てくれる人たちがたくさん居るもんね。君のことも待ってるよ!

フィレンツェに興味のあるあなたに朗報!
けいママトークショー「フィレンツェで暮らそう!」が開催されます。
・日時 3月22日(土)19:00〜
・場所 「クラブ・タリスマン」(神戸・北野)
 神戸市中央区北野町4-8-3 ジャスナムアベニュー4階
・会費 ¥3500
 (お食事とマルコ・マイアンティ撮影ポストカード5枚セット付)
※お申込み・お問い合わせは「クラブ・タリスマン」
(TEL 078-230-4661 FAX 078-271-6699)まで

「詳細は前回の記事を見てね!」

ピノッキオ

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2008年3月14日 (金)

“フィレンツェ・ロングステイ”トークショー

ダビデ像(David von Michelangelo) 「ええっ!新婚旅行にヨーロッパ? 芸能人みたい・・・」。ホントにそう言われたんですよ、ン十年前。今は海外旅行なんて温泉気分? ちょっと行って来るわ〜って。ああ、あそこも行った、ここも行った・・・。でもなんか物足りないような気がする。ただバタバタと過ぎてしまったように思う。「ドゥオ〜モ〜!」
 そして新しい旅行の形を人々は模索し始めました。それがロングステイ。移動型ではない、滞在型の旅。暮らすように旅する。住居を借りて、買い物に行ってご飯を作り、そこに暮らす人々と触れ合う。でもねえ〜英語圏ならともかく、イタリアってどうよ? 言葉通じる? 治安は? 物価は? 経験者は語る! はい、いつもかぜくさ便りで、あれやこれやとロングステイの事を書いているけいママ、トークショーをさせていただく事になりました。「八百屋さんもアートしてるぅ〜!」
 ギャラリーPAXREXのけいママ・トークショーだもの、アートな話題が盛りたくさん? はい、イタリアでは食べ物もアートしております。路地裏の八百屋さんでトマトが、インゲン豆が美しい絵を描く。ドゥオーモを見上げれば、巨大ビステッカが空を飛び、スーパーの売り場にさえアートなシーンが溢れている・・・って食べ物の話ばっかり?けいママ。「どこで写真撮っても絵になるぅ〜!」
 いえいえ、ロングステイ経験者ならではのとっておき穴場情報。ウフィッツィばかりじゃないよ、こんなところもありまっせの紹介から、アパートのお値段ってこれくらいのひそひそ話、はては離れてみてこそ分かる日本ええとこ讃歌まで、ロングステイの光と陰に迫ります。いつもかぜくさ便りを読んでくださっている方には「あ、もう知ってる」。って話も多いかとは思いますが、えも言われぬほどに美しかったトスカーナの春の風景から、こんだけ〜って生活費の表まで100枚近い画像を一挙公開。「ポンテベッキオ〜!」そして写真ギャラリーの威信に掛けてマルコ・マイアンティことグレメッティ撮影の素顔のフィレンツェの様子を、イタリアンミュージックに載せてご披露します。きっとあなたも旅立ちたくなりますぞ!
 当日はワイン教室の先生もご参加下さいます。どんなワインをセレクトして下さるのかけいママも楽しみ。なんてったってワインの国ですからねえ。飲めや歌えやのイタリアンな夜をご一緒に。
 要予約、定員もありますので、もしもご興味ある方、早めにご連絡下さいね。


けいママトークショー「フィレンツェで暮らそう!」
・日時 3月22日(土)19:00〜
・場所 「クラブ・タリスマン」(神戸・北野)
 神戸市中央区北野町4-8-3 ジャスナムアベニュー4階
・会費 ¥3500
 (お食事とマルコ・マイアンティ撮影ポストカード5枚セット付)
※お申込み・お問い合わせは「クラブ・タリスマン」
(TEL 078-230-4661 FAX 078-271-6699)まで

       来てね〜!
「Divertiamoci tanto!」

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2008年2月28日 (木)

笑える“砂糖”でカフェタイム

Photo_8  カフェがなければ夜も日も明けないイタリア人。日に何回もエスプレッソをクイッと飲んで、しゃべりまくって一日が過ぎる。カフェ用の砂糖もさすがデザインの国、かっこいいものから、オシャレなもの、歴史を感じる伝統的なもの、ユーモラスなものなど、実にさまざまな袋に入っています。ここにご紹介するのは、某大手スーパーのオリジナル商品。8種類のデザインを1パックにして売られている「ダジャレ」シリーズです。ダジャレとバカにするなかれ、名前とワンビジュアルだけで、しっかり笑える。ダジャレを解説するなんて野暮のきわみですが、ちょっとだけ・・・。
 まずは「John Lemon  ジョン レモン」。2 これは説明するまでもないかな、20世紀を代表するジョン レノンですから。また最近はあの事件が映画になったり、永遠に忘れられないでしょう。レモンにサングラス一つ加えるだけでこうなるなんて、鮮やかなお手並み。バカバカしいけどオシャレでしょ。
2_2  お次は「Lawrence d'Arabica  アラビカのロレンス」。エスプレッソに使用するアラビカ種のコーヒー豆にターバンを巻いて。もちろん第一次世界大戦時の砂漠の英雄・アラビアのロレンスに引っ掛けています。砂漠の映像美とピーター オトゥールやオマー シャリフの名演が懐かしいですね。
 続きましては「Banana Butterfly  バナナ バタフライ」。Photo プッチーニ作曲、長崎を舞台にしたオペラの名作・マダム バタフライ(蝶々夫人)に掛けて、バナナが和服らしきものを着て立っております。なんとなく体のカーブが日本女性らしいしおらしさを表現しています?
Photo_2  さてその次は「Vincent Van Coc  ヴィンセント ヴァン コック」。ココ椰子が麦藁帽子をかぶって、糸杉の並ぶ田舎道かアルルの跳ね橋でもスケッチに出かけるのかな。たしかにCOCは、炎の画家・ゴッホGOGHの綴りに文字面が似てなくもない。発音もね。
 はい、そして「Re Salamone  サラモン王」。Photo_3 ン、何じゃそりゃ? これはちょっと説明が要るかも。旧約聖書で有名なダヴィデの息子・ソロモン。イスラエルが栄華を誇った時代の王様です。イタリア語ではSALOMONE。対してサラミはSALAME。で、サラミが王冠をかぶっています。REは王様で、ちなみにPAXREXのREXも王様ですがこれはラテン語です。
2_3  次は簡単、「Finocchio  フィノッキオ」。野菜のフェンネル(日本ではウイキョウ)をイタリアではフィノッキオと呼んで、煮込み料理やサラダによく使います。ごろりと横に寝かせたら、あら、茎がピノッキオの鼻に。それに赤い帽子をかぶせて。オカマのことも俗にフィノッキオと言うので、あまり大声で叫ばないようご注意ください。
 続いて「Bufala Bill  ブファーラ ビル」。Photo_4 水牛の乳で作った正統モッツァレッラチーズ=ブファーラにウエスタンハットをかぶせて、アメリカ西部開拓時代のガンマン・バッファロー ビル。近頃は水牛の数が減って、普通の牛の乳で代用するモッツァレッラ=バッカも増えていますね。
007  最後は「Agente 00Fette  情報員 00スライス」。こう書いたら、面白くもなんともない。FETTEはスライスしたパンですが蝶ネクタイをつけると、00と次のFで“007”に見えてきませんか。この分だけ文字もイタリック(斜体)にして、“007”に見えやすいようにと芸が細かい。そういえばこのパン、ショーン コネリーの顔の輪郭にどことなく似ているような、似てないような・・・。
 いかがでしたか? ギャハハッとするのもクスッとするのもあったでしょ。日本のスーパーのオリジナル商品にも、こんな遊び心があったらもっと毎日が楽しくなるのに。無駄なことを考えずに、少しでも安くしろ! ということなのでしょうか。

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2007年12月16日 (日)

冷静と情熱のあいだ

アパートの窓からは「Max &co」が  以前フィレンツェにロングステイしていた時の事。アパートの目の前は「Max& co」。いつも窓から、目まぐるしく変わる見事なディスプレーを見下ろしていましたっけ。ところが2ヶ月の滞在中、一度も店の中に入った事はなかった! いや、あれ欲しい、あれいいな、と思った事は1度や2度ではなかったのですが。けいママ、この現象を密かに「冷静と情熱のあいだ」と呼んでおりました。ドゥオーモ〜♥ はい、フィレンツェを舞台に繰り広げられるあの恋愛小説とは何の関係もないんですが。
 つまりですね、もしもここでのステイがロングではなく、ショートなら「よし、お値段ちょっと高いけど出会いもんやし、日本の店にはないかもしらんし」。 あるいは「アタシ、日本で頑張ってるんだもの、これくらい自分へのご褒美!」 あるいは「アタシが着なくても、A子ちゃんや、B子ちゃんに譲ってもいいし」。理由は何とでも。気が付けば情熱に身を任せて、カードの支払いにサインしている自分が居る。  ところがです! ロングステイになるとそうはいかないんです。「別に今買わなくても、いいし」。「ちょっと、アタシには派手かも。またもっといいのがそのうち・・・」。「アタシは買い物のためにロングステイしてるわけじゃない!」。 気が付けば情熱は冷めて、冷静に背を向ける自分がいる。
ともあれ日々、冷静に買わなきゃいけないのが食料品。食べなきゃやっていけませんからね。「食料、食料〜っと」 「チェントロで買うより絶対安い!」とミナに勧められた郊外の大型スーパーも、何度も出入りしていると、多少この国の事情には詳しくはなるけれど。出始めのアスパラを手にしていると、大阪のオバちゃん風シニョーラが近付いてきてこう告げる。「ちょっと、あんた! 今頃アスパラ買っちゃだめよ! 高過ぎよ。まだまだ値段下がるんだから!」  あっ、はい。とっほほ。何とここでも「アスパラ買いたい、食べたい!」の情熱は下がる。
 買物三昧って人もいるのかな? 先日「レジデンスホテルという選択」で、Aタイプだの、Bタイプだのというブログを書きましたが、買い物という情熱に身を任せたい方にはロングステイはお薦めできないかも。そこに在るのは冷静な日常の日々ですから。もちろんただひたすら買い物に明け暮れるロングステイもあるかもしれませんが・・・。羨ましい!
 さてさてこの秋、この街にロングステイではなく、チョイステしたけいママのお買い物は何? 次回ご紹介しますね。

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