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2023年12月 9日 (土)

切り絵のミューズたち

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 切り絵って、ハサミやカッターで紙を切って生み出す絵のことでしょ? 間違いではないけれど、それだけと思って見なかったら人生の損失になる。そんな展覧会が神戸ファッション美術館で開催中の『日本の切り絵 7人のミューズ』展です。ただ紙をカットするだけではなく、折り曲げたり彩色したり立体に組み上げたり、自由奔放。

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 切り絵の概念をガラッと変えてくれるのは、蒼山日菜、SouMa、筑紫ゆうな、福井利佐、切り剣 Masayo、松原真紀、柳沢京子。現代切り絵の世界を切り開く7名のアーティストだ。信州の自然と暮らしをテーマにするベテランの柳沢京子は、力強い黒紙のカットに淡い色彩を溶け込ませて、懐かしくもモダンな世界を生み出した。

Team-blue

 ザトウクジラの親子が遊ぶ勇壮な世界。海中の泡まで見事に表現した松原真紀の『 team BLUE 』は、66×84cmの大作。この作品の力強さは、ぜひ会場で実物をご覧になって味わっていただきたい。蜘蛛の巣にかかった蝶と、フレームの外まで垂れ下がった蜘蛛。壁のコーナーをうまく使った展示で、立体感が強調されている。

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 切り絵の伝統に縛られない姿勢。それは手法に限らず、複合的な素材の組み合わせやモチーフの選び方、平面から立体への進化、影を積極的に活用した展示など。工芸的な意味合いが強かった「切り絵」から、「切り絵アート」へ。7人それぞれが自由な精神でチャレンジを続け、独創的な表現に至っているのがよくわかる。
  ※あと2回か3回、この展覧会について書く予定です。

日本の切り絵 7人のミューズ
7人の作家が創り出す、現代切り絵の世界
2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)
神戸ファッション美術館

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