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2023年12月26日 (火)

テート美術館の光

   Light

 英国が誇る美術の殿堂、テート美術館から110点もの作品がやって来て、光をテーマにした展覧会が中之島美術館で開催されている。もしかしたら2023年で一番かもしれません。ここ200年の近現代アートが光を横串にずらりと並ぶ圧巻の展示。中身の濃さではこの夏に東京で観た『マティス展』と甲乙つけがたいと思います。

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 英国美術といえば、やっぱりターナーとコンスタブル。みずみずしい自然を描いて風景画に革新をもたらしたコンスタブルに対し、ターナーはもやっとした空気、立ち上る水蒸気、ぼーっとした光など、あいまいだけど確かに存在するモノを何とか絵にしようと試行錯誤したようだ。印象派やもっと後の抽象絵画への、いわば先駆け。

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 ターナーは直感的な人だとばかり思っていたけれど、きわめて理論的。そのころ急速に進んだ科学の成果を、自らの絵画に取り込む。ロイヤル・アカデミーの教授として色彩論や透視図法の研究を講義する。透明な球に映り込む景色と、逆に透過して見える景色を詳細に描き分ける、などなど。彼の違う一面を初めて知りました。

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 光の反射と屈折と透過、そして影の生成。モノが見えるのはすべて光のおかげ。自然科学が解き明かしてくれる真実に目覚めると、光をもっと探求したくなるのでしょう。それは光を神の存在証明として捉えた中世までとは明らかに違う態度と哲学。芸術家は天使の光輪や聖人の後光とは、もう別世界に生きることになるのです。

テート美術館展 光
ターナー、印象派から現代へ
2023年10月26日(木)~2024年1月14日(日)
大阪中之島美術館

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