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2023年12月21日 (木)

至高のシモン・アンタイ

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 ハンガリーで生まれ、パリで大活躍したシモン・アンタイ(1922ー2008)。彼は1950年代から80年代にかけて、シュールレアリズム、アクションペインティング、抽象表現主義へと多様な表現の道をたどっていく。当代随一の色彩画家としての地位を築いたアンタイは、意欲溢れる多くの若手アーティストに影響を与えることになる。

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 いま心斎橋のエスパス ルイ・ヴィトンで、そのアンタイの展覧会が開催中。『SIMON HANTAI ― FOLDING』展、すごくエキサイティングな体験です。彼のスタイルが確立されるきっかけとなったのは、ジャクソン・ポロック作品との出会い。抽象の持つ生命力を鮮やかに表現するポロックに魅了され、大きな刺激を受けたのだ。

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 1960年代からアンタイが始めた「pliage comme methode(手法としての折り畳み)」。キャンバスを折り畳んだり、くしゃくしゃにしたりして縛り、アクリル絵具や油彩で色を塗る。すると開いたときに絵具がついた部分とつかない部分が。これを意図的に作っていっても最後は偶然性にゆだねるしかない。それこそ芸術の神の技?

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 プリアージュの手法を多様に深化させていったアンタイ。布地の染色で絞り染めという技法があるけれど、これならできあがる模様は丸くなる。それを試行錯誤を続けて不定形や四角にしていった彼の探求は素晴らしい。そして染にはない絵具の盛り上がりは、平面作品ながら物質としての存在感を際立たせています。

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 今回の展示は10点以上の作品と、多くの書籍や関係資料とVTR映像。作品はタテ・ヨコ2m以上、大きいのは291×584cmもあって見ごたえ十分です。さらに近くによって見るディテールは、まさに神が宿ったかのような面白さ。昨年パリで開催された『シモン・アンタイ生誕100周年記念展』をもとに企画された展覧会でした。

シモン・アンタイ回顧展「Folding」
2023年9月28日(土)~2024年2月4日(日)
エスパス ルイ・ヴィトン大阪

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