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2023年12月12日 (火)

日本の切り絵、進化中

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 現代日本の切り絵アートを代表する7人の作家たち。前回に続きその革新性をお伝えします。切り剣 Masayo さんは、オウムガイやタコ、深海魚のリュウグウノツカイやクラゲを超絶技法で作品に仕上げる。そのモチーフもユニークだけれど、髪の毛ほどの細さで自然な線をカットする凄腕は、まさに「切り剣」の名にふさわしい。

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 彩色しない。折らない。影の効果を使わない。全て繋がった1枚の作品にする。これらは彼女が自らに課した制作のルール。そんな厳しい条件だからこそ、生み出された白黒の世界は高潔なのだ。その対極で表現の高みを追求しているのが筑紫ゆうなさん。擬人化された動物たちが繰り広げるファンタジックな物語世界です。

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 筑紫さんは自分が「切り絵」作家のジャンルに入るという意識がないのではないか。やりたい表現を追求したら、切り絵の手法も取り入れることになった、そんな感じ。なにしろ画力がスゴイのだ。その画力で動物や植物を描いて切り抜き、それらをパーツに構成して作品にする。するとドローイングでは描けない不思議な世界が。

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 輪郭がくっきり浮き出て、紙一枚の厚みとはいえ立体感が現れるのは、やはり切り絵ならでは。懐かしさと、ユーモアと、動物たちの存在感が一段と強調されている。描いて、切って、組み合わせて、イメージの森を構築する筑紫ワールド。鑑賞者はその魔法の王国で空想の翼を広げて自由に遊べば、つかの間の幸せが訪れる。

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 19世紀の哲学者、ヴォルテールの文章を切り絵にした蒼山日菜さん。5年ほど前に初めて見たときは衝撃でした。筆記体の文字にアールヌーヴォー風のツタ模様を絡ませて一枚の作品に仕上げる発想。文章がアート作品になるのか!という驚き。彼女は「レース切り絵画家」という造語を考え出し、いまメディアでも活躍中です。

日本の切り絵 7人のミューズ
7人の作家が創り出す、現代切り絵の世界
2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)
神戸ファッション美術館
 

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