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2023年12月

2023年12月29日 (金)

印象派から現代絵画へ

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 モネ。シスレー。ピサロ・・・。彼ら印象派の画家たちは自然の中に出かけて描くようになる。従来は外でスケッチだけを行い、描き仕上げるのはアトリエに戻ってから。この戸外制作という方法は、場所と時間による光の変化をより敏感に感じさせる働きがあったのだ。またチューブ入り絵具の登場も戸外制作を助けることになる。

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 現代に近づいて、カンディンスキーやマーク・ロスコの絵画が「光をテーマにした」と言われても、ウーンという感じ。でもブリジット・ライリーの『ナタラージャ』はなぜか納得できました。幾何学的かつ機械的なパターンを、補色関係をものともせずに対比させる。そこからくる強いクラクラ感は、直射日光が目に入ってふらっとする感覚。

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 ゲルハルト・リヒターの『アブストラクト・ペインティング』という作品は、水で濡れた路面に街角の様子が映り込んだように見える。滲んで、歪んで、タイトルからすると作家は何も示唆していないけど。鑑賞者が自由にイメージして作品は完結する。これこそ現代美術。観客が何かを感じたら、その時点で作品に参加しているのだ。

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 科学の進歩によって、色や光が物理学の理論で説明されるようになる。そして写真の発明と技法の進展。まさに写真は光そのもので成り立っているから、絵画に及ぼす影響も大きい。否応なくアーティストは変質を迫られる。このあと展覧会の流れは、キャンバスを離れて直接的に光を扱った作品群へ。続きは年明けに。

テート美術館展 光
ターナー、印象派から現代へ
2023年10月26日(木)~2024年1月14日(日)
大阪中之島美術館

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2023年12月26日 (火)

テート美術館の光

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 英国が誇る美術の殿堂、テート美術館から110点もの作品がやって来て、光をテーマにした展覧会が中之島美術館で開催されている。もしかしたら2023年で一番かもしれません。ここ200年の近現代アートが光を横串にずらりと並ぶ圧巻の展示。中身の濃さではこの夏に東京で観た『マティス展』と甲乙つけがたいと思います。

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 英国美術といえば、やっぱりターナーとコンスタブル。みずみずしい自然を描いて風景画に革新をもたらしたコンスタブルに対し、ターナーはもやっとした空気、立ち上る水蒸気、ぼーっとした光など、あいまいだけど確かに存在するモノを何とか絵にしようと試行錯誤したようだ。印象派やもっと後の抽象絵画への、いわば先駆け。

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 ターナーは直感的な人だとばかり思っていたけれど、きわめて理論的。そのころ急速に進んだ科学の成果を、自らの絵画に取り込む。ロイヤル・アカデミーの教授として色彩論や透視図法の研究を講義する。透明な球に映り込む景色と、逆に透過して見える景色を詳細に描き分ける、などなど。彼の違う一面を初めて知りました。

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 光の反射と屈折と透過、そして影の生成。モノが見えるのはすべて光のおかげ。自然科学が解き明かしてくれる真実に目覚めると、光をもっと探求したくなるのでしょう。それは光を神の存在証明として捉えた中世までとは明らかに違う態度と哲学。芸術家は天使の光輪や聖人の後光とは、もう別世界に生きることになるのです。

テート美術館展 光
ターナー、印象派から現代へ
2023年10月26日(木)~2024年1月14日(日)
大阪中之島美術館

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2023年12月24日 (日)

中之島のラバー・ダック

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 ラバー・ダックはお風呂に浮かべて遊ぶ、黄色いアヒルちゃん。その巨大バージョンが堂島川に浮かんでいる。高さ9.5mもある巨体が水の流れに身を任せ、風が吹いたらユ~ラユラ。大きな体になっても愛くるしいその姿に、思わず気持ちが和みます。

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 中之島ウエストの『冬ものがたり2023』は、光とアートを生かして水辺のまちを美しく彩るイベントです。そのメインプログラムが『ラバー・ダック&中之島ウォーターファンタジア2023』。アヒルちゃんを見ながらリバーサイドの遊歩道をゆったり散策してみました。

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 キャッチコピーで「光と水が織りなす」とアピールする通り、ライトアップされイルミネーション輝く夜がいちばんの見どころらしいけど、よいこはおうちに帰る時間です。残念ながら来年の楽しみに。

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中之島ウェスト 冬ものがたり2023
ラバー・ダック&中之島ウォーターファンタジア2023
12月14日(木)~12月25日(月)

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2023年12月21日 (木)

至高のシモン・アンタイ

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 ハンガリーで生まれ、パリで大活躍したシモン・アンタイ(1922ー2008)。彼は1950年代から80年代にかけて、シュールレアリズム、アクションペインティング、抽象表現主義へと多様な表現の道をたどっていく。当代随一の色彩画家としての地位を築いたアンタイは、意欲溢れる多くの若手アーティストに影響を与えることになる。

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 いま心斎橋のエスパス ルイ・ヴィトンで、そのアンタイの展覧会が開催中。『SIMON HANTAI ― FOLDING』展、すごくエキサイティングな体験です。彼のスタイルが確立されるきっかけとなったのは、ジャクソン・ポロック作品との出会い。抽象の持つ生命力を鮮やかに表現するポロックに魅了され、大きな刺激を受けたのだ。

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 1960年代からアンタイが始めた「pliage comme methode(手法としての折り畳み)」。キャンバスを折り畳んだり、くしゃくしゃにしたりして縛り、アクリル絵具や油彩で色を塗る。すると開いたときに絵具がついた部分とつかない部分が。これを意図的に作っていっても最後は偶然性にゆだねるしかない。それこそ芸術の神の技?

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 プリアージュの手法を多様に深化させていったアンタイ。布地の染色で絞り染めという技法があるけれど、これならできあがる模様は丸くなる。それを試行錯誤を続けて不定形や四角にしていった彼の探求は素晴らしい。そして染にはない絵具の盛り上がりは、平面作品ながら物質としての存在感を際立たせています。

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 今回の展示は10点以上の作品と、多くの書籍や関係資料とVTR映像。作品はタテ・ヨコ2m以上、大きいのは291×584cmもあって見ごたえ十分です。さらに近くによって見るディテールは、まさに神が宿ったかのような面白さ。昨年パリで開催された『シモン・アンタイ生誕100周年記念展』をもとに企画された展覧会でした。

シモン・アンタイ回顧展「Folding」
2023年9月28日(土)~2024年2月4日(日)
エスパス ルイ・ヴィトン大阪

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2023年12月18日 (月)

ハッピートイズ2023

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 手作りのぬいぐるみで世界中の子どもたちを笑顔にする、フェリシモの HAPPY TOYS PROJECT 。今年は神戸ファッション美術館のエントランスで、そのお披露目展示に出会いました。全国の皆さんがお気に入りの布や毛糸で手作りしたぬいぐるみを、国内外の子どもたちに贈るこのプロジェクト。スタートは1997年でした。

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 以来、集まったぬいぐるみは66,000体を超え、60ヵ国の保育施設や被災地へ旅立ったそうです。クマやイヌなど毎年変わるテーマキャラクター、2023年は「ほっこりおちゃめなアヒルちゃん」。いつもクリスマスシーズンに開催される展示会。やっぱり贈りものはこの時期ですね。クリスマスツリーやサンタさんによく似合う。

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 いろんな色や柄の布を縫い合わす。さまざまな太さの毛糸で編んだニットを組み合わす。カタチもポーズも自由に楽しみながら作られているのが見て取れる。制作者の愛情や情熱がたっぷり注ぎ込まれたアヒルちゃんたちは、どの国に行ってもきっと子どもたちの顔を輝かしてくれることでしょう。

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 江戸っ子スタイル、という立札がたてられたコーナーもありました。お殿さまやお女中、長屋のおかみさんに股旅姿。江戸時代のコスチュームや髪形の変わり種アヒルちゃんもおもしろい。自分が作ったぬいぐるみが子どもたちを笑顔に! 考えただけでワクワクしますね。贈る側も贈られる側もハッピーにする、いい企画です。

HAPPY TOYS PROJECT
https://www.felissimo.co.jp/happytoys/

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2023年12月15日 (金)

切り絵の現在と未来

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 切り絵の最先端をリードするアーティスト。その一人がSouMaさんです。カッターナイフ1本と1枚の和紙から、こんなに豊かな形状と量感を持つ作品が生まれるとは。もはや「切り絵」のイメージを超越しているのみならず、「平面」や「立体」といった従来の大きなジャンル分けさえ無力化している。それほど独創的なアート作品です。

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 紙の層を剥がし、捩り、曲げ、捻じり、編み、焼き・・・独創的な技が詰め込まれた作品は、すべて1枚の繋がった紙で出来ている。和紙だからこその特性を生かした驚異の作品群は、ぜひ会場でご覧いただきたい。もう一人、切り絵の新たな地平を切り開いているのが福井利佐さん。表現の限界に挑戦する姿勢に感動します。

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 影を作品として見せるための作品。EL照明を点滅させて見せる作品。書籍の表紙用の作品。写真家とコラボした作品。などなど。多彩な領域で次々とその才能を発揮している福井さん。きっと一時の成功にとどまることができないのでしょう。もっと面白く、もっと力強く、もっと高みへ。クリエイターの魂と業、凄みを感じる。

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 伝統的なクラフトから、最先端のアートへ。わずか20年足らずで、切り絵の世界もずいぶん遠くまで来たものだ。紹介した7人のミューズが大きくシーンを動かしたのは間違いない。個々の表現手法も目指すゴールもさまざまだけど、お互いが刺激しながら大きな進化を遂げたアーティストたち。爆発的な勢いの行く末が楽しみです。

日本の切り絵 7人のミューズ
7人の作家が創り出す、現代切り絵の世界
2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)
神戸ファッション美術館

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2023年12月12日 (火)

日本の切り絵、進化中

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 現代日本の切り絵アートを代表する7人の作家たち。前回に続きその革新性をお伝えします。切り剣 Masayo さんは、オウムガイやタコ、深海魚のリュウグウノツカイやクラゲを超絶技法で作品に仕上げる。そのモチーフもユニークだけれど、髪の毛ほどの細さで自然な線をカットする凄腕は、まさに「切り剣」の名にふさわしい。

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 彩色しない。折らない。影の効果を使わない。全て繋がった1枚の作品にする。これらは彼女が自らに課した制作のルール。そんな厳しい条件だからこそ、生み出された白黒の世界は高潔なのだ。その対極で表現の高みを追求しているのが筑紫ゆうなさん。擬人化された動物たちが繰り広げるファンタジックな物語世界です。

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 筑紫さんは自分が「切り絵」作家のジャンルに入るという意識がないのではないか。やりたい表現を追求したら、切り絵の手法も取り入れることになった、そんな感じ。なにしろ画力がスゴイのだ。その画力で動物や植物を描いて切り抜き、それらをパーツに構成して作品にする。するとドローイングでは描けない不思議な世界が。

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 輪郭がくっきり浮き出て、紙一枚の厚みとはいえ立体感が現れるのは、やはり切り絵ならでは。懐かしさと、ユーモアと、動物たちの存在感が一段と強調されている。描いて、切って、組み合わせて、イメージの森を構築する筑紫ワールド。鑑賞者はその魔法の王国で空想の翼を広げて自由に遊べば、つかの間の幸せが訪れる。

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 19世紀の哲学者、ヴォルテールの文章を切り絵にした蒼山日菜さん。5年ほど前に初めて見たときは衝撃でした。筆記体の文字にアールヌーヴォー風のツタ模様を絡ませて一枚の作品に仕上げる発想。文章がアート作品になるのか!という驚き。彼女は「レース切り絵画家」という造語を考え出し、いまメディアでも活躍中です。

日本の切り絵 7人のミューズ
7人の作家が創り出す、現代切り絵の世界
2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)
神戸ファッション美術館
 

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2023年12月 9日 (土)

切り絵のミューズたち

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 切り絵って、ハサミやカッターで紙を切って生み出す絵のことでしょ? 間違いではないけれど、それだけと思って見なかったら人生の損失になる。そんな展覧会が神戸ファッション美術館で開催中の『日本の切り絵 7人のミューズ』展です。ただ紙をカットするだけではなく、折り曲げたり彩色したり立体に組み上げたり、自由奔放。

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 切り絵の概念をガラッと変えてくれるのは、蒼山日菜、SouMa、筑紫ゆうな、福井利佐、切り剣 Masayo、松原真紀、柳沢京子。現代切り絵の世界を切り開く7名のアーティストだ。信州の自然と暮らしをテーマにするベテランの柳沢京子は、力強い黒紙のカットに淡い色彩を溶け込ませて、懐かしくもモダンな世界を生み出した。

Team-blue

 ザトウクジラの親子が遊ぶ勇壮な世界。海中の泡まで見事に表現した松原真紀の『 team BLUE 』は、66×84cmの大作。この作品の力強さは、ぜひ会場で実物をご覧になって味わっていただきたい。蜘蛛の巣にかかった蝶と、フレームの外まで垂れ下がった蜘蛛。壁のコーナーをうまく使った展示で、立体感が強調されている。

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 切り絵の伝統に縛られない姿勢。それは手法に限らず、複合的な素材の組み合わせやモチーフの選び方、平面から立体への進化、影を積極的に活用した展示など。工芸的な意味合いが強かった「切り絵」から、「切り絵アート」へ。7人それぞれが自由な精神でチャレンジを続け、独創的な表現に至っているのがよくわかる。
  ※あと2回か3回、この展覧会について書く予定です。

日本の切り絵 7人のミューズ
7人の作家が創り出す、現代切り絵の世界
2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)
神戸ファッション美術館

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2023年12月 6日 (水)

バビロンの繁栄と破滅

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 砂漠の中、「1926年 ベルエア 」というスーパーが入るシーンから始まる『バビロン』。舞台は映画黄金時代のハリウッド。そしてサイレント全盛からトーキーへ移り変わる過渡期でもある。野心と欲望が渦巻く豪勢で華やかな日々。熱病に浮かされたような狂乱の時代。デイミアン・チャゼル監督が作ったおもしろい作品です。

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 サイレント映画の大スター・ジャックをブラッド・ピット。女優を目指す奔放な女性ネリーをマーゴット・ロビー。映画製作を夢見てメキシコからやって来た青年・マニーをディエゴ・カルバが演じる群像劇です。富と名声を追い求め、栄光を手にするもやがて夢は破綻する。3人の思いが絡み合いながら展開する、ギラギラした時代の物語。

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 タイトルの『バビロン』は古代メソポタミアの都市名で、人類史上初めて人口が20万人を超えたと言われる。旧約聖書のバベルの塔のモデルもこの街にあったという。繁栄を極めた末に破滅へ向かう。栄枯盛衰。人も、街も、時代も、永遠に栄えることはない。しかしバビロンの名は歴史に残り、人々の記憶に永遠に生き続ける。

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 「重要で長く続くものの一部になりたい」という深い思いのこもったセリフが出てくる。これは映画が、人類がこれからも長く持ち続ける共通記憶だと確信しているからこその言葉。映画が持つ魅力と魔力は、たとえ表現するスタイルやメディアが変わっても永遠に続く。バビロンのように。ここに監督の信念と映画愛があらわれている。

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 3時間を超える大作ですが、ダレるところは全然なくあっという間にラストを迎えました。『ラ・ラ・ランド』の名コンビ、チャゼル監督の演出とジャスティン・ハーウィッツの音楽がなせる業。映画の歴史を築いてきた数々の名作の映像がフラッシュバックするラストも、改めて映画のすばらしさを思い起こさせてくれました。

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2023年12月 3日 (日)

モダン建築祭の真打は?

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 神戸モダン建築祭でぜひ見るべきは、神戸税関。昭和2年(1927)に竣工した重厚な2代目庁舎を保存・活用しながら、3代目のモダンな新庁舎が平成11年(1999)に建築されました。クラシックな様式とポストモダンの新旧デザインがうまく一体化。国際貿易港のシンボル施設にふさわしい見応えのある建物の出来上がりです。

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 格調ある古典派様式にアールデコを取り入れたデザインが随所にみられる2代目庁舎。円柱で囲まれた玄関ロビーの吹き抜け空間。幾何学模様の床モザイク。階段の手すりや飾り金具の凝った意匠。はるか上の天井には花模様のレリーフ。各部屋もドアや照明器具や洗面台など、細部まで神経が行き届きとても美しい。

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旧館を抜けて噴水のある中庭へ。 正面に大きな新館の入口が見える。 コンクリートだけではなく御影石など自然素材を多用し、直線と曲線のバランスが素晴らしい。 やはり新しいだけあって、ガラスの使い方も大胆だ。 中に広がる巨大な吹き抜け空間も見事です。 これらは70年間の技術の進歩によるところも大きいのでしょうね。

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エレベーターで9Fの屋上に上がる。 船のブリッジをイメージした展望デッキの前は芝生張り。 周りに木道がめぐらされている。 目の下に倉庫やクレーンなどの港湾施設。 メリケンパークやポートアイランドのビル群。 行き交うポートライナーや遊覧船。 神戸港から阪神高速、六甲の山並みまで360度のパノラマビューが楽しめる。

9次

 いやぁ、こんな穴場があったとは驚きです。 昼休みにお弁当を食べるにはもってこい。 でも国家公務員の人たち、そんなことはしないでしょうね。 ま、知ることができただけでも良しとしましょう。 11月 26日(日)で神戸モダン建築祭は終了しましたが、公開された建築は合計18ヵ所。 来年はもっと多くの参加を願っています。

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