モアレにクラクラ
見事な、と感嘆するべきか。うっとうしい、と呪うべきか。目を上げればすぐそこにモアレが見える。住んでいる集合住宅の大規模補修工事が、ついに始まりました。これから二カ月近く、この状態が続くことになります。膜で覆われて視界が遮られる。いつも工事の騒音が聞こえる。洗濯物をベランダで干せない。などなど。
外壁の外に組まれたパイプの足場。モノの落下防止や目隠しのために張られた黒いネット。晴れた昼間も薄暗くて、気分がすっきりしないのは難点なのですが、じつはこのモアレ、なかなかのアートなのです。ネットが風に揺れると、次々に予期せぬパターンが現れる。ネットを通して見る景色は、いつもと違って新鮮な感じ。
またの名を縞干渉というモアレの正体とは? 細かい縞など規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせたときに、それらの周期のズレにより発生する「不快な」杢目模様のこと。TVは走査線による干渉が、印刷では網点による干渉がしばしば起こる。業界ではモアレが出ないように、衣装や背景にずいぶん気を使ったものです。
もともとアラビア語/ペルシャ語で毛織物の衣料を意味した言葉。「Moire 」 TV界や写真会では細ストライプやヘリンボーンの服はご法度でした。でも、この度モアレの面白さ、美しさに目覚めました。ゴッホ顔負けの荒々しいタッチ。ムンクもびっくりの不気味なパターン。うまく活用したらすごいアート作品が生まれるかもね。
| 固定リンク
「アート雑記」カテゴリの記事
- モアレにクラクラ(2023.10.03)
- 世界の街で草間彌生(2023.05.17)
- 海の未来はダイジョーブ?(2022.07.29)
- 絶景! 五色塚古墳(2022.06.11)
- おもしろキュビズム空間(2022.04.26)
コメント