抽象絵画って何なのか?
アブストラクション、抽象芸術。現代アートは難しい、と毛嫌いされるようになった元凶のようなジャンル。(ジャンル分けは意味がなく、嫌いですが・・・) とは言えモンドリアンの絵が、どう面白いのか、なぜ良いのか、なんてリクツで知りたいとも思わないし・・・。そんなことを考えながら『ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開』展へ。
「セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」と、サブタイトルがつけられたこの展覧会。ブリヂストン美術館が前身の、八重洲にできたアーティゾン美術で開催されています。264点の大規模な展示で、難しいテーマに正面から立ち向かう意気込みが感じられました。➀「抽象絵画の源泉」としてセザンヌ、モネ、ゴッホなどが。
➁「フォーヴィスムとキュビスム」では、マティス、ブラック、ヴラマンク、ピカソ、フェルナン・レジェなど。印象派より前はどこまで写実的に描けるか、が絵画の基本だった。それが主観的に見た世界をどう描くかに変わってくる。そしていよいよカンディンスキーやクレーやモンドリアンが現れて、③「抽象絵画の覚醒」へ。これぞ抽象。
色で構成。幾何学的な形態。要素をそぎ落とし、美意識を突き詰めて、どこまで絵画の可能性を追求できるか。ミロやデュビュッフェを経て、アートの中心はヨーロッパからアメリカに移る。ジャクソン・ポロック、デ・クーニング、マーク・ロスコ、サム・フランシスらが革新的な表現技法を生み出した時代を⑦「抽象表現主義」と分類。
⑧「戦後日本の抽象絵画の展開」で草間彌生や猪熊弦一郎ほか、⑨「具体美術協会」では吉原治良や白髪一雄、元永定正や田中敦子などもしっかりと展示されています。ここまでで210点余り。これだけの作品を観ていくと、抽象芸術とは何なのかがリクツを超えて分かった気になってくる。次回は⑫「現代の作家たち」です。
ABSTRACTION
抽象絵画の覚醒と展開
2023年6月3日(土)~8月20日(日)
アーティゾン美術館
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