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2023年3月11日 (土)

日展、まぁまぁでした

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 日展なんて40年以上観に行っていませんでした。年寄りの審査員のお眼鏡にかなった作品しか評価されない。なんか権威主義的で、冒険より完成度、だから面白味に欠ける。そんなイメージ。今年は関西の会場が神戸ということで、久しぶりに行ってみました。日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門に、計534点の作品。

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 こういう大きな公募展は、それぞれの作家が思い思いに制作した作品がいっぱい並べられるので、残念ながら散漫な印象。しょうがないことだけど。そして枠からはみ出る強烈な個性は見られなかったな、というのがもうひとつの印象。どの先生に師事するかで入選かが決まるといった古い体質が、まだ残っているのでしょうか。

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 それぞれの作品は作家の強い意欲や努力が感じられ、どれも見どころがある。ただし、予想の範囲内。(生意気でスミマセン) 「上手い」や「すごい」という言葉は浮かんだけれど、見たことがないモノに出会う衝撃はなかった。もしかしたら自我を殺してでも審査員の評価を得たい? まさか、そんなことはないでしょうが・・・。

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 全体的には、洋画や彫刻の部門はあまり面白くなく、日本画と工芸美術に面白い作品が多かったように思う。これはちょっと意外。予測と逆だったのだ。たまたま停滞期が過ぎて、新たな胎動が始まっているのか。別の深い意味があるのか。今のところはよく分かりません。入選作がいちばん多い書についてはノーコメントです。

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 個々に見れば長谷川喜久、土長けい、奥田小由女など、素晴らしいアーティストも発見しました。その一方、腕は達者だしアイデアもあるけど、どこか物足りない。そんな作家が多いのも日展。もしかしたらハードルを高く設定しすぎかもしれませんが。何を作るか、なぜ作るか、どう作るか。いろいろ考えさせられる展覧会でした。

第9回 日展 神戸展
2023年2月18日(土)~3月26日(日)
神戸ゆかりの美術館
神戸ファッション美術館

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