ウォーホルが出来上がる
ポップアートを牽引したアンディ・ウォーホルの展覧会。日本初公開作品100点以上を含む約200点がやってきました。昨年9月から始まっていたのですが、延び延びになってやっと終了間際に鑑賞。すると、なんとなんと図録が売り切れ。京都のみの展覧会なので増刷はしないとのこと。これはホント残念、ちょっと後悔です。
会場の京都市京セラ美術館は、1933年に開館した和洋折衷のクラシックな建物。それを青木淳と西澤徹夫がリノベーションし、2020年にリニューアルオープンしました。古典的な本体をできるだけ生かし、明るくモダンなガラス張りの部分を付加。新たな息吹を吹き込まれたミュージアムに、ポップなウォーホルはよく似合う。
この展覧会が面白いのは、ポップアートの寵児になる前の商業デザイナー時代の作品も多数展示されていること。たとえば金箔をうまく使った『翼のある妖精』や『孔雀』、『生け花』のシリーズなど。すでに後のポップアートの作品群につながる描写力やデザイン性が現れていて興味深い。そんな若き日に京都を訪れていたという。
1963年、マンハッタンに新しいスタジオを構える。その名も「ファクトリー」。多くのスタッフを雇い、シルクスクリーンの技法を駆使して工場のように制作し、スープ缶、コーラ、洗剤など大量生産されたモノを大量消費する時代を表現。そしてモンローやプレスリーなどの大スターも、同じく大量消費されるイメージと捉えていた。
ここにポップ・アーティストとしてのアンディ・ウォーホルが誕生する。1960年代半ばから70年代80年代を駆け抜けたウォーホル。銀髪のカツラ、ストライプのシャツ、ジーンズ、ブーツというスタイルで、自分自身も消費財としてふるまったその生きざまそのものが、優れたポップアートだった。続きは次回アップしますので、ヨロシク!
アンディ・ウォーホル・キョウト
2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日)
京都市京セラ美術館
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