北欧の悲しき巨人
ノルウェーの山岳地帯から、伝承の怪物がよみがえる。ローアル・ユートハウグ監督のファンタジー・アドベンチャー『トロール』は、ちょっとかわいそうな怪物の物語。あまり見た記憶がないノルウェー映画。でも、だからこその深い真相が隠されていて、とても勉強になりました。ストーリーもよくできていて、気軽に楽しめます。
トンネル工事で山を爆破しているときに起こった謎の大惨事。原因究明のため政府はいろんな分野の専門家を集めて対策会議を開く。古生物学者ノラもその一人。彼女は狂人扱いされている父の助けを借り、謎の解明に取り組む。よみがえった伝説のトロール。首都へ向かって進むモンスター。大砲もミサイルも効き目がない。
トロールは北欧に伝わる妖精で、醜く毛深い性悪な巨人とされる。この絵はノルウェーの著名な画家テオドール・キッテルセンが1906年に描いた『森のトロール』。歴史書は勝者の視点で記述されますが、おとぎ話や言い伝えには征服された先住民族の記憶や真実の痕跡が残っている。歴史の見方を考えさせられました。
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