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2022年8月 1日 (月)

風を食べる生命体

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 風を受けて砂浜を駆ける生命体⁉ 大阪南港のATCギャラリーで開催されている展覧会で、オランダのアーティスト、テオ・ヤンセンによって生み出された奇妙な動きをする「ストランド(砂浜)ビースト(生命体)」を体験できる。これはアートか、それともサイエンスか。芸術と物理工学を融合したダ・ヴィンチのような発想に感動です。

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 創造主のヤンセンは「ビーストは風を食べる」と表現する。風を受けて動く作品から、空気を貯めてエネルギーに変換する作品へ進化したストランド・ビースト。学名のような作品名は animal(動物)と mare(海)との造語 animaris 「アニマリス」から始まる。たとえば体長12mの作品は「アニマリス・オムニア・セグンダ」という具合。

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 作品の素材は、ビーストの骨格を形作るプラスチックチューブ、動くための空気を全身に巡らせる血管に当たるウレタンチューブ、エネルギーとなる圧縮空気を貯めるペットボトルは肺や胃袋だ。ホームセンターで手軽に手に入る材料で、これだけ多種多様なアニマリスを生み出すなんて、まさに神業。官能的で妄想が膨らみます。

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 従来のアートの分類に収まらない独創的なヤンセン作品。展示の方法もフツーでは面白くないので、いろいろと工夫を凝らしています。現物を並べて見せる。オランダの砂浜で動き回る映像を見せる。観客が手で押して動かす参加体験。展示会場で、圧縮空気を送り込んでビーストが実際に動きだす様子を体感する。などなど。

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 骨格、血管、関節、内臓に当たるパーツの滑らかで有機的な動きは、懐かしく官能的ですらある。デジタル技術全盛の時代に、機械仕掛けのビーストたち。ブラックボックスではなく、構造や動く仕組みがわかる魅力。夏休みの工作の楽しみが、そのまま大きく成長して精密になった、そんな夢とロマンを感じる展覧会でした。

テオ・ヤンセン展
2022年7月9日(土)~9月25日(日)
大阪南港 ATC Gallery

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