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2022年7月 5日 (火)

戦艦大和の秘密?


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 へぇ~、こんな秘話があったのか、と思わせるおもしろいフィクション。三田紀房の人気漫画を映画化した『アルキメデスの大戦』は、今までの戦争映画とは全く違う視点で、世界最大の戦艦「大和」を捉えている。監督・脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』の山崎貴。スタートは昭和20年(1945)大和の壮絶な最期。

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 時代はさかのぼり、昭和8年(1933)。海軍省で新しい主力艦の建造を検討する会議が開かれていた。これからの海戦を決するのは、巨砲か? 航空機か? 戦艦派と空母派に分かれて激論が交わされる。しかし提示された巨大戦艦の建造費が思いのほか安かった! 山本五十六をはじめとする空母派は一気に形勢不利に。

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 安過ぎる建造費に不信を抱いた山本五十六は、若き天才数学者・櫂直を海軍に招き入れ、正しい費用を算出してほしいと依頼。裏に隠された不正をあばき戦艦の新造を防ごうと企む。決定会議まで残された時間はあとわずか。軍規の壁、縄張り意識、誹謗中傷と戦いながら、櫂は数学の力で真実に迫ろうとする。

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 適正な予算案をぎりぎりで会議に間に合わせた櫂。不正を明確に示し、空母派はこれで争いに勝ったと思った。ところが意外な展開に。軍中枢部の思惑通り、巨大戦艦は昭和15年(1940)に完成。大和と命名されることとなる。そして真価を発揮することなく冒頭の悲劇へ。菅田将暉、舘ひろし、柄本祐、田中泯などが好演。

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 山崎監督は言う。日本では計画の途中で「これはマズイ」と気づいても、引き返せないことが多いと思う。責任の所在を明確にしないまま、なんとなく金をつぎ込んでいく。はい、わかります。国も、企業も、個人も、思い切って変えられないまま、ズルズルと破局へ向かっていく。これからは変革の勇気を持ちたいものですね。

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