歌舞伎の赤胴鈴之助
赤胴鈴之助は子供のころラジオドラマで聴いていました。今でも主題歌を歌える。歌詞まで覚えているのには、我ながら驚いた。今朝のことは忘れても、昔の記憶は鮮明。さて前置きはこれくらいで。尾上松也・歌舞伎自主公演『赤胴鈴之助』の映像化作品を、Netflixで観ました。昨年8月、下北沢の本多劇場での舞台です。
日本一の剣士を目指す鈴之助は、小さいころからの親友・竜巻雷之進といっしょに江戸へ出る。そこで出会った千葉周作と、その娘さゆり。剣の修業に励みながら、みんなで力を合わせて江戸の町を騒がす鬼面党を退治するというストーリー。絡み合った人間関係。古から続く血の宿命。数々の苦難を克服して邪悪に勝つ!
尾上松也演じる赤胴鈴之助が、ついに極めた特技は真空斬り。生田斗真演じる竜巻雷之進が、悪に授けられた秘技は稲妻斬り。その邪悪の根源こそが冥界の王、平将門と娘の瀧夜叉姫。現代(江戸時代)によみがえり街の人々を悪に導びこうとしている。騒動を起こし体制を転覆するのが目的だ。さて親友同士の対決は?
主演の尾上松也と生田斗真。じつは高校の同級生で、それ以来続く親友だそうだ。さすがに息ピッタリ、見事な競演。特にジャニーズの生田は、さぞ稽古を頑張ったんだろうなと思わせる出来栄え。セリフも所作も決まりの形も、よくぞここまで!と感心させられた。映像と照明でダイナミックに表現した真空斬りも面白かった。
瀧夜叉姫と陽炎大夫の市川蔦之介。千葉周作と平賀源内は澤村國矢など。共演陣も芸達者ぞろい、安心して楽しめる。また和太鼓が舞台中央に置かれ、演奏者の周りで立ち回りをする尾上菊之丞の演出も秀逸。作品の出来栄えもさることながら、何よりも尾上松也と生田斗真の新たな挑戦に拍手を送りたいと思います。
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