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2022年6月11日 (土)

絶景! 五色塚古墳

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 神戸市の垂水、淡路島を望む高台にある五色塚古墳。4世紀の終わりごろ築かれた全長194m 直径125.5mの前方後円墳です。九州や大陸からヤマトへ来る人々は船でこの沖を進んだはず。さぞ目立ったことでしょう。古墳は墓ですが、権威を誇示する象徴としての役割も大きい。当時を復元したCG画像もご紹介しましょう。

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 この丘の下、海岸沿いの狭いところをJR神戸線と山陽電車と国道2号線が走る。そして周囲はマンションや住宅が取り囲む住宅街に。被葬者は謎ですが、明石海峡周辺を支配した豪族だと考えられている。日本書紀には「仲哀天皇の偽の墓で、葺石は淡路島から船で運んできた」と書かれているが、この記述は怪しいそうだ。

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 古墳って樹々に覆われた緑の小山、というイメージですよね。ところが五色塚古墳はなんと223万個ものゴロゴロ石が敷き詰められた見慣れないカタチ。なんか整然とした幾何学的な美しさ。石を積み上げたピラミッドに通じるところがあります。自然的なモノではなく人工的な建造物。考えてみれば当たり前のことに気付かされる。

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 発掘調査と復元整備工事が完了したのは1975年のこと。古墳は三段に築かれ、斜面にはびっしりと葺石が。格段の平坦面と頂上には鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)と鰭付朝顔形埴輪(ひれつきあさがおはにわ)が並べられていたという。兵士や馬や家形の埴輪じゃないけれど、もっと実用的な役割があったのかも。

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 周囲を深い堀と浅い溝で二重に囲われた五色塚古墳。宮内庁管轄の陵墓と違って、自由に見学できるのがいい。階段を昇り、上を歩いて、そのスケールの大きさを体感できる。兵庫県有数のパワースポットであると同時に、明石海峡大橋や淡路島を眺める絶好のビューポイントでもあります。もうすぐイベントもあるみたい。

五色塚古墳まつり2022
6月18日(土)10:00~15:30(雨天中止)

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