芽吹きの春、命輝く時
一昨日は雪が降り、鉢盛山は白く雪化粧しましたが、ふもとの野麦峠スキー場は絶好のハイキング日和。ゲレンデを太陽の光を浴びながらゆっくり登る。サクラが咲き、カラマツが芽吹いて薄緑のモヤのように煙っている。乗鞍もだいぶん雪が解けて雪形があらわれていたのに、また真っ白になっています。神々しい白。
落葉するカラマツは芽吹き始めでまだ葉が茂っていない。だから存在感が薄い。それに対して目立っているのが常緑のドイツトウヒ。枝が幽霊の手のようにダラリと垂れ下がる独特な樹形。ヨーロッパ原産、スカンジナビア半島やドイツ黒の森に多い。豆知識をひとつ。材はストラディバリウスの響板にも使われているそうです。
とは言えカラマツにとっても今はドラマチックな時期。芽吹きと同時に雌花と雄花が咲き、受粉の準備を始める。枝の上、大きくて白っぽい薄緑色のが雌花。枝の下側には、小さくてオレンジ色がかった褐色の雄花。数は雄花がはるかに多い。多くの花で雄しべが雌しべよりずっと多いのと同様、受粉の可能性を高めるため。
人間でも精子の数が圧倒的に多いですからね。これは種として生き延びるための知恵。植物も、動物も、子孫を残すためにさまざまな努力を重ねた結果、今がある。現在われわれが目にしている生物は、すべて進化の道筋の勝者のみ。雑草も虫けらも、すべて不屈のチャンピオン。だからあらゆる生命を大切にしなければ。
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