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2022年5月26日 (木)

前は山火事、後ろは殺し屋

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 アメリカで毎年大きな被害を出す山火事。地球温暖化の影響か、近年ますますその規模が拡大している。テイラー・シェリダン監督の『モンタナの目撃者(Those Who Wish Me Dead)』で、森林消防隊という専門組織があることを知りました。凄まじい火の勢いと、猛烈な延焼スピード。彼らは悪魔のような火に勇敢に立ち向かう。

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 主演のアンジェリーナ・ジョリーは、トラウマを抱えながらも職務に打ち込む消防隊員ハンナを演じる。狂暴で冷酷な暗殺者コンビに命を狙われる少年と、彼を救うことによって過去を乗り越えようと奮闘するハンナ。サスペンス、アクション、サバイバル、ヒューマンドラマ・・・いろんな要素がギュッと凝縮された上質の1時間40分です。

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 いつまでも執拗に後を追ってくる殺し屋。行く手を阻む大規模な森林火災。絶体絶命の危機を生き抜いていく、心に傷を負った者同士。そのうち二人には相棒としての信頼感が芽生えてくる。相変わらず強い女を演じるとピカイチのアンジェリーナ・ジョリーと、みずみずしい少年を演じたフィン・リトルが、なかなかの名コンビぶり。

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 ほかの出演者たちもみんな素晴らしい。なかでも妊娠6ヵ月の警官の妻を演じたメディナ・センゴアが、アッと驚く強さを見せる。いちばん弱々しい立場かと思いきや、知恵と度胸と腕力で殺し屋たちを痛い目に合わせるじゃないですか。しかも生まれてくる子供を思う情愛の深さ。殺伐としがちなアクション映画に潤いを与えました。

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 本来なら出会うはずのなかった人たちが、偶然ひとつの事件に巻き込まれてしまう。そして極限状況を共に体験することによって生まれる深い絆。強さも弱さも、勇気も犠牲心も、ぎりぎりの状況に置かれると人は本性をさらけ出す。でも強さが善で弱いからダメなわけではない。それぞれが個性。しかもそれは日々成長し続けるのだ。

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 潔いラストがカッコいい。じつは殺し屋の背後には、政治、行政、警察など地方権力を牛耳る巨悪がいるのだが、彼らは捕まるのか? 救い出されたハンナや少年はどうなるのか? そんなことは一切触れずスパッと終わる。中途半端と感じる人もいるでしょうが、観客が勝手に想像すればいいという割り切りが気持ちいい。

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