祝 40年越しの美術館
大阪中之島美術館がオープンしました。1983年に構想が発表されてから約40年。バブルが崩壊して大阪市の財政状況が悪くなり、思いのほか時間がかかりましたが無事に開館。おめでとうございます。堂島川のほうから前庭を緩やかに上ると、ヤノベケンジの巨大作品「シップス・キャット(ミューズ)」が出迎えてくれる。
建築家は1970年生まれの遠藤克彦さん。建物全体が地下に隠れている国立国際美術館の隣りに、黒い大きな箱が出現して存在感を放っている。ただし真っ黒なのは3、4、5階部分。宙に浮かんで見えるので意外と軽やかで周辺に圧迫感は与えていません。黒壁とガラスの立方体という潔さが際立つミニマルな建築です。
外観はシンプルな箱ですが、中は大きな吹き抜け空間を囲んでエスカレーターや階段が縦横に展示室をつなぐ複雑な構造。すこし位置を変えるだけでガラッと違う表情を見せる美しい空間。迷路を楽しむようにいろいろ歩いてみたくなる。レストランやカフェ、ミュージアムショップやアーカイブズ情報室など多彩なスペースが。
4階と5階を結ぶ階段の横には、ここにもヤノベケンジの「ジャイアント・トラやん」が設置されている。階段の横、というのが絶妙の展示場所。作品を下から見上げたり、階段の途中で上部のディテールを間近で眺めたり。何度も昇り降りしながら楽しめる。こんな新美術館で開催中の展覧会については、次回お知らせします。
超コレクション展 99のものがたり
2022年2月2日(水)~3月21日(月・祝)
大阪中之島美術館
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