最高峰の辞典を作れ!
オックスフォード英語辞典 The Oxford English Dictionary(OED)は、オックスフォード大学出版局が刊行する世界最高峰の辞書。『博士と狂人(The Professor and tha Madman)』は、OEDの誕生秘話を描いたサイモン・ウィンテェスターによるノンフィクションを映画化した作品です。監督はP・B・シェムラン。
完成まで70年を要した膨大な辞書OEDの刊行に、重要な役割を果たした二人の天才がいた。貧しい家庭に生まれ14歳で学校を離れて独学で多くの言語を習得した異端の学者ジェームズ・マレー。もう一人はイェール大学を出たエリートでありながら精神を病んだアメリカ人の元軍医で殺人犯のウィリアム・チェスター・マイナー。
マレーを演じるのはメル・ギブソン。19世紀の後半、権威主義の権化のようなオックスフォード大学で、大英帝国の威信をかけた辞典の編集主幹として最高の辞書作りに情熱を燃やす。ギリシャ語やラテン語はもちろん多言語に通じているが、学歴がないばっかりに周囲から中傷され、仕事を妨害され、地位を脅かされる。
ショーン・ペン演じるマイナーは南北戦争に従軍したときの行為がトラウマとなり、妄想から逃れるために訪れていたロンドンで殺人を犯してしまう。刑務所の精神病棟で出会った本に挟まれていた一枚の紙。それは辞書に掲載する単語とその用例を探すボランティアを募集するチラシ。彼の言葉に対する特別な才能が開花する。
二人は究極の辞書作りという壮大なロマンを共有し、堅い絆で結ばれていく。それぞれに降りかかる試練。逆境を克服する勇気。夫を殺された未亡人やマイナーに親切に尽くす看守とも交流を深め、感動的なヒューマンストーリーに。言葉の持つ力によって、人生に光が差してくる様子にはホッと安堵しました。
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