大阪のMoMAを目指す?
天保山サントリーミュージアムの休館により寄託された、約18,000点のポスターコレクションが素晴らしい。ロートレック、ミュシャ、クリムト、カッサンドルからサヴィニャックやフォロンまで。ベルエポックからアールヌーボー、アールデコにロシアアヴァンギャルド。そしてモダンデザインから多彩な現代へとつながっていく。
リトグラフやシルクスクリーンそして写真製版へ。19世紀から20世紀、技術の進歩はさまざまな新しいスタイルを生み出し、美術の領域を広げてきた。プリントや写真、映像などの新表現。もはや絵画や彫刻だけではアートは語れない。さらに21世紀はITを駆使した想像を絶する豊かな体験が実現するかもしれませんね。
また椅子やテーブルや食器棚など、優れたデザイン製品がたくさんコレクションされているのもうれしい。興味深いのがリートフェルトの名作「レッド・ブルーチェア」に至るプロトタイプを素材替えや色替えで並べた展示。ほかにマッキントッシュ、アルヴァ・アアルト、マルセル・ブロイヤー、ミース・ファン・デル・ローエ、倉俣史朗など。
アールデコのコロマン・モーザーのアームチェアや倉俣史朗の透明アクリルの現代チェア。時代を越えて「美の極み」と評価される家具や機械製品、そしてファッションもアート作品として収集、保管するのはこれからの美術館のたいせつな役割だと思います。ぜひ大阪中之島美術館に期待しましょう。目指せ! 日本のMoMAを。
超コレクション展 99のものがたり
2022年2月2日(水)~3月21日(月・祝)
大阪中之島美術館
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