« 少年チームに凄腕コーチ | トップページ | 現代にも通じる物語 »

2022年2月14日 (月)

青い光の幻想

   Photo_20220213161201

 深い海底にいるかのような、高い天空にいるかのような、静寂に満たされたブルーの世界。そこでは安らかで崇高な、不思議な感覚が沸き起こってくる。初めて感じるのに懐かしい。うまく表現できないけれど、これは何か大切なもの、もしかしたら宇宙の起源や生命の根幹に触れたという感覚なのかもしれない。

Photo_20220213165101

 いま神戸ファッション美術館で開催されている『ゆるかわふうの世界』展。〈光の芸術家 ― 宇宙の記憶〉というサブタイトルがついた幻想的なアート体験です。透過光のブルーでしか表せない深遠な宇宙。うたた寝するネコも、親子のクジラも、物思う少女も、ブルーの陰影で浮かび上がると哲学的な様相を帯びてくる。

Photo_20220213165102

 イヴ・クラインのインターナショナル・クライン・ブルーを想起させる高貴なブルー。この青い光は、ゆるかわふうの発見・発明だ。知性も情熱も神秘も、すべてを包み込む青。タテ1.8m×ヨコ約5mの大作がずらりと並ぶ展示空間は、はるか宇宙のかなたの見知らぬ惑星に不時着したかのような驚きと感動に満ちている。

Photo_20220213165105
Photo_20220213165104

 展示会場で「ゆるかわブルー」の種明かしをしてくれている。作品を創る素材は建築の断熱材として使われるスタイロフォーム。裏から白色LED照明を当てると青く光るそうだ。厚みがあると青が濃く、薄いと白っぽく。こうして彼は電動金ブラシやコテで削って凹凸でカタチを描き、青の濃淡のみで表現する独自の技法に行きついた。

Photo_20220213165001

 発泡スチロールを硬くしたような建築資材にLED照明。芸術とは縁遠く思われる工業製品を使った、平面と立体と映像を融合した新しいアート表現の誕生です。「光彫り作家」と自称するゆるかわふう。この技法を拡張させ、進化させ、どこまで到達できるのか。これからの活躍がとても楽しみなアーティストです。

光の芸術家 ー宇宙の記憶
ゆるかわふうの世界
2022年1月29日(土)~3月27日(日)

|

« 少年チームに凄腕コーチ | トップページ | 現代にも通じる物語 »

展覧会情報[2022]」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 少年チームに凄腕コーチ | トップページ | 現代にも通じる物語 »