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2022年2月18日 (金)

現代にも通じる物語


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 1950年代後半、マンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドでは古い建物群を取り壊して、総合芸術施設をつくる整備事業が行われていた。METオペラやNYフィルの本拠地、豪華なリンカーンセンターの建設です。その陰で居場所をなくす移民たち。自由を求め成功を夢見てやってきたのに、偏見と差別に苦しむ彼ら。

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 社会への不満を抱えた若者たちは仲間と集団を形成し、他のアイデンティティを持つグループと激しい抗争を続けていた。プエルトリコ移民の「シャークス」と、貧しい白人グループ「ジェッツ」。敵対する2つの集団は、それぞれ受け継がれたコミュニティの物語がある。米国は移民で成り立つ国。多様性の尊重が国の根幹のはず。

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 スピルバーグ監督の『ウエスト・サイド・ストーリー』。ブロードウェイで1957年初演の名作ミュージカル『ウエスト・サイド物語』を、1961年のロバート・ワイズ監督に続く再映画化。映画館で衝撃を受けた中学生が、すっかり老人になるほど時間がたったのに。「分断、不信、暴力の克服」という物語のテーマが古びないのが残念です。

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 ロバート・ワイズ版の『ウエストサイド物語』と比べると、より映画的になっている。実写ならではのリアルな街。彼らの日常のようなコスチューム。ドキュメンタリーのようなカメラワーク。若々しい躍動感と不穏な空気の対比。さすがスピルバーグ監督です。予想をはるかに超える感動作でした。純粋な愛については、次回に。

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