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2022年1月16日 (日)

まわり全員みんな殺し屋

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 蜷川実花の美意識全開の美術と映像が、カラフルに、パワフルに、狂気の世界を創り出した。2019年の監督作品『Diner ダイナー』。平山夢明の小説(ポプラ社、ポプラ文庫)を実写映画化した作品だそうです。原作は読んでいませんが、蜷川色に染まってより芸術性の高いものになったのではないでしょうか。

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 凶悪な殺し屋たちに元殺し屋の天才シェフ・ボンベロが極上の料理をふるまう特別なダイナー。そこで新人ウェイトレスとして働くことになったオオバカナコは、恐怖と緊張の日々。不器用でどうしようもなかった彼女も、死と隣り合わせの毎日を生き延びるうちに、したたかに成長していく。こんな二人を藤原竜也と玉城ティナが好演。

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 キッチュ、ゴージャス、グロテスク。クセの強い殺し屋しかいない見世物小屋。あるいはハチャメチャで悪趣味でカッコイイ世界。異色サスペンスで耽美的な殺しのファンタジー。映像美に圧倒されて、ストーリーのぶっ飛び具合も気になりません。本当にあっという間の1時間57分。理解しようなどと思わず、何かを感じればいい。 

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 特別ダイナーの店内に飾られた横尾忠則のポスター。キーになる小道具として名和晃平の立体アート。特殊メイクとチョー個性的なコスチューム。さすが、アーティスト蜷川実花ならではのチョイスが光る。出演者の豪華さにも驚かされます。主演級の俳優がいっぱいで、しかもチョイ役の殺し屋をみんな楽し気に演じている。

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 窪田正孝、本郷奏多、武田真治、斎藤工、小栗旬、土屋アンナ、真矢ミキ、木村佳乃、奥田瑛二、佐藤江梨子、板野友美。お父さまの蜷川幸雄さんが亡くなった大ボス役を「遺影で出演」、というのには笑わせられました。いっぱい血が流れ、いっぱい人は死ぬけれど、凄惨なイメージはありません。むしろ爽やかさを感じました。

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