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2021年12月 8日 (水)

地球を捨てて1000年後

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 近未来ではなく、だいぶ先の話だ。2072年、環境悪化が進む地球を捨て惑星ノヴァ・プライムへ移住した人類。この年を元年とする地球後暦アフター・アース(A.E.)1000年の超SF物語。西暦なら3072年ですね。M・ナイト・シャマラン監督によるショッキングなタイトルの『アフター・アース』は、遠征中の宇宙船のトラブルから始まる。

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 事故のため見知らぬ星に墜落した宇宙船。生存者は伝説の戦士サイファとその息子キタイのみ。そして、その見知らぬ星は1000年後の地球だったのだ。主演はウィル・スミスと実の息子ジェイデン・スミス。重傷を負った父に代わり、息子は緊急信号を発信させるため単身で大自然を進む。機体の後部が墜ちた100km先まで。

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 さまざまな危険にさらされ、恐怖におびえながらも歩みを止めない息子キタイ。猛獣の襲来や凍える寒さなど大自然を相手にしたサバイバルで、頼りなさげな表情が徐々に大人っぽく変わっていくのがおもしろい。限られた武器と知恵で敵に立ち向かい、無事に生き延びて使命を全うする。これは少年の成長物語でもあるのだ。

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 最大の敵は遺伝子操作で人類が生み出した生物兵器、「アーサ」というクリーチャー。人間の恐怖を感知して襲ってくるという怪物です。「危険は実在するが恐怖心は自分次第だ」という父の教えを胸に勝利するキタイ。己の恐怖心をコントロールしてアーサに感づかれない能力を身につけたのだ。これで彼も戦士になった。

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 未来の地球は、森林が地表を覆い野生動物が闊歩する、生命力に満ちた世界。また逆に人類が生み出した怪物に1000年後まで苦しめられている世界。人類がいなくなると環境破壊がなくなり、自然はこんなにも豊かになるのか。遺伝子操作はやはり神への冒涜なのか。いろんな意味で逆説的な思考が心に残りました。。

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