異常気象を武器にする
『インデペンデンス・デイ』で製作・脚本を担ったディーン・デヴリンの監督デビュー作品『ジオストーム』。やはり近未来SFパニック映画です。ただし宇宙人の侵略ではなく、異常気象で世界が破滅の危機に陥るお話。豪雨や台風、寒波や熱波など、気候変動による災害の拡大が叫ばれる時代にぴったりのテーマですね。
地球規模の大災害を防ぐために開発されたシステムは、世界各地の気象をピンポイントでコントロールする数十の人工衛星のネットワーク。それが突然誤作動を始める。世界中で異常気象が発生。アフガンでは寒波で人間が凍りつく。香港で道路からマグマが噴き出る。銀座に超巨大ひょうが降る。ムンバイでは無数の竜巻。
リオの海まで凍ってしまうなど、次々と人類を襲う大災害。ついにNYもモスクワも壊滅。そこで衛星システムの生みの親ジェイクが宇宙ステーションに派遣される。ワケあってプロジェクトから外されていた天才科学者はシステムの暴走を止められるのか。原因を突き止めようと試みるが・・・。残された時間は少ない。
見どころはSFX技術を駆使したショッキングな映像だけではない。ジェイクと反目していた弟が協力し、宇宙と地球で奮闘しながら絆を取り戻していく姿。ジェイクと離れて暮らす娘との愛情。感動的な人間ドラマもたっぷり盛り込まれている。そして大統領と後釜を狙う側近のバトル。国連を舞台にした外交上の駆け引き。
ハラハラドキドキに加え、謎解きのおもしろさや人間味あふれる情感がスパイスになって、物語にぐいぐい引き込まれていく。最後はうまくいくだろう、とわかっていても目を離せない。出演者も素晴らしいけれど、ディーン・デヴリン監督のデビュー作とは思えない老練な手腕に驚きました。ハリウッドらしい大作です。
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