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2021年10月 1日 (金)

ウォール街の変わり者

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 日本でリーマン・ショックと呼ばれる、2008 Finanncial Crisis。この未曾有の金融危機で莫大な利益を上げた男たちがいた。「マネーボール」の原作者、マイケル・ルイスによるノンフィクション「世紀の空売り 世界経済の破綻にかけた男たち」を、アダム・マッケイ監督が映画化した作品が『マネー・ショート 華麗なる大逆転』。

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 タイトルにあるショート(SHORT)とは、株や債券が高いときに売りに出し、価値が下がったら買い戻して利益を得る手法「空売り」です。当時、ハイリスクなサブプライム住宅ローンを複雑に組み合わせてリスクを見えなくした高利回りの金融商品、MBS(モーゲージ債)やCDO(債務担保証券)で投資銀行はぼろ儲けをしていた。

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 2005年、実体が伴わないマネーゲームのリスクに気付いた異端児がいた。好景気に浮かれるウォール街では、彼の主張など誰も聞いてくれない。そこで彼は株や債券が暴落した際の保険であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を大量に買う勝負に出る。その情報に接して、金融業界の破綻を信じる変人もあらわれる。

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 開発の現場を調べれば、まさにバブル。いつ弾けても不思議じゃない。でも未だに周囲は鼻で笑うだけ。CDSの保険料の支払いもかさむ。さて破綻まで持ちこたえられるか。身の破滅か、一攫千金か。スリリングな展開です。最後は金融危機が起こって成功を収めるのだが、観ていて爽快感はない。後味が悪いのだ。

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 なぜならいちばん不幸になるのは強欲な金融マンではなく、住宅ローンを払えなくなる庶民だから。マネーゲームに振り回されたあげく切り捨てられる。格付け会社も加わった詐欺まがいの手法。マーク・トウェインの「厄介なのは知らないことじゃない。知らないのに知っていると思い込むことだ」という言葉も印象的でした。

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 クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピットなどの豪華キャストが、一癖も二癖もある個性的な男たちを見事に演じている。実在の彼らの後日談もおもしろかった。折りしも中国で不動産バブルの崩壊が懸念される今、世界経済に悪影響が広がらぬよう願います。結局苦しむのは庶民だから。

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