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2021年8月12日 (木)

小さな夜が愛おしい

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 不器用だけど、引っ込み思案だけど。でも愛すべきフツーの人々の出会いの連鎖を10年にわたって描く、今泉力哉監督の『アイネクライネナハトムジーク』。ケータイで話していた人たちが、スマホを見ている。そうなのだ、10年は短いようで長い。原作は伊坂幸太郎。ストーリーを指し示すキーになる主題歌は斉藤和義。

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 運命の「出会い」か偶然の「出会い」か。仙台を舞台に繰り広げられるいくつかの出会いの物語。主演は三浦春馬と多部未華子。矢本悠馬、森絵梨佳、恒松祐里、萩原利久、成田瑛基、貫地谷しほり、原田泰造ほかの出演者たちが織りなすさまざまな恋愛模様が、絡みあい重なりあいながら、時を越えて繋がっていく。

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 あの頃小っちゃかった子はもう高校生だというのに。なんで私たち一緒にいるんだっけ?と分からなくなったり。奥さんは出ていったきり帰らなくて。心優しいボクサーがチャンピオンに返り咲いたり。バラバラのストーリーが微妙に関係しあって、ハッピーエンドへ向かっていく。爽やかな、まさにモーツァルト的気持ちよさ。

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 いろんなエピソードが伏線となり、それらを手際よく回収していくミステリーのような快感。内にこもってウジウジ悩まず、ポジティブに生きる勇気がもらえる。いろいろと難しい時代だけれど、だからこそ肩の力を抜いて生きようよ、というメッセージでしょうか。やさしい登場人物、やさしい物語。心がほっこりしっとりしてきます。

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 この映画では大きな野心も、高い望みも描かれていない。どこにでもいる人の、珍しくもない日常。友人や仕事、出会いや恋愛、悲しみや喜び。 ♪どこにでもあるような ちっぽけなこの夜♪ 「あの時、あの場所で、出会ったのが君で 本当に良かった」という普遍の幸福に向かって、すべてのベクトルを収れんさせていく。

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   ♪ 小さな夜 数えきれないほど 抱えきれないほど
     積み重ねた 小さな夜
     劇的じゃないけれど キミのとなりなら
    それも”悪くない”よ
    それが”悪くない”んだよ ♪

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