今年こそ!ボローニャ絵本展
西宮の大谷記念美術館で、今年は『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』が開催されている。昨年はコロナの影響により、残念ながら中止。いまだコロナの感染が収まらない今年も、ボローニャの事務局はオンラインでコンクールの審査。見本市もオンラインで開催されたそうです。だから原画を生で見られるのは世界初。
68ヵ国 3,235組の応募のうち、日本人8名を含む23ヵ国 76作家が入選。台湾やイラン、ロシアやアルゼンチン。国が違えば発想も違う。絵の色使いも違う。そんな新鮮な驚きと、多様性あふれる絵本文化の精髄。イタリアではかなわなかった入選作品「5点1組」の展示を、日本で鑑賞できることはとても幸運だと思います。
子どもに向けた本と言っても、明るくハッピーな作品ばかりとは限りません。怖ーいお話やシュールな設定も多く、難民の「避難」をテーマにした作品まであったのには驚きです。テロ、暴力、人権抑圧・・・つい最近のアフガニスタンのみならず、世界にはまだまだ平和とは程遠い地域があることに気づかされる。
鉛筆やペンなどのローテクからコンピューターを駆使したハイテクまで、さすが世界から集まった作品だけに技法もさまざま。特に印象に残ったのは、従来の画材にプラスして粘土や糸なども使った作品群。「混合技法」あるいは「ミクストメディア」と表示されるこれらの作品は、デジタル技術の急速な進歩により可能になりました。
来年こそはコロナが収束して、ボローニャで絵本見本市が盛大に開催されますように。世界中からイラストレーターや絵本作家、編集者や出版人が集まって交流し、お互い刺激しあい向上しあえますように。そして世界の子どもたちへ分け隔てなく、夢と希望を与える美しく豊かな絵本を届けられますように。
2021 イタリア ボローニャ
国際絵本原画展
2021年8月21日(土)~9月26日(日)
西宮市大谷記念美術館
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