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2021年8月30日 (月)

ビートルズが存在しない?

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 12秒間の大停電で、世界は変わってしまった! 英国の片田舎、売れないミュージシャンのジャックは世界中が停電したとき、たまたま交通事故にあう。そして昏睡から目覚めたら、世界は変わっていた。友人も、家族も、故郷の街も、すべてそのままなのに、ビートルズの存在だけが消滅していたのだ。あの数々の名曲と共に。

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 2019年のイギリス映画 『イエスタデイ』は、「もしあの時・・・」や「もしあの人が・・・」といった誰もが抱く思いをテーマに、大きなスケールでユーモアたっぷりに描く傑作だ。夢や妄想や後悔から「もし」を考えると思うのだけど、ビートルズを持ってきたところが上手い。さすが「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督。

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 パラレルワールドを描いたこの映画、こちらの世界とあちらの世界のギャップが笑いを誘う。誰も知らないビートルズ・ナンバーを自身が作詞作曲したオリジナルとして歌うジャック。あっという間にミュージックシーンの寵児に上り詰める。しかしL.A.まで連れて行かれ、エゲツない現代音楽ビジネスに振り回される日々に。

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 世界を舞台にした偽りの名声と富。故郷に置いてきた真実の愛と幸せ。ジャックが歌うビートルズの曲とストーリー展開がうまくシンクロして、快調にユーモラスに物語は進む。歌詞が思い出せない。不正がバレるのではないか。自分の時間が取れない。募る不安と不満。エド・シーランが本人役で出演しているのも面白い。

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 存在が消えていたのはビートルズだけではなかった。コークも、シガレットも、ハリーポッターも。しかしビートルズは消滅しているのにジョン・レノンは今も海辺の村で幸せに暮らしている。おかしいでしょ。ずうーっと船乗りをしていたそうだけど、哲学者のようでした。ビートルズ愛にあふれたこのコメディ、サービス精神満載です。

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 ウエンブリーの大観衆の前で真実を告白したジャック。肩の重荷を下ろし、本来の自分に戻っていく。エピローグでは子ども二人に「オブラディオブラダ」を歌っている幸せな姿が。そこには大きく「TODAY」のタイトルが表示される。始まりは「YESTERDAY」で、終わりは「TODAY」。どこまでも監督のセンスが感じられますね。

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