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2021年7月19日 (月)

残された時間

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 このところ「最高の人生・・・」や「人生最高の・・・」というタイトルの作品が多すぎてウンザリしていました。しかし出演者の顔ぶれが気になって、テレビ東京で放送された新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』を、Netflixで見ました。もちろん見たのはお正月ではなく、梅雨明けの猛暑の中。これが思っていた以上に良かった。

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 岡田惠和のオリジナル脚本で監督は石橋冠。寺尾總と石原さとみが父娘を演じるヒューマンドラマです。妻に先立たれ一人暮らしをする翻訳家の父のもとへ、娘が大きなスーツケースをさげて突然帰ってくる。小さいころからいつも不機嫌な関係で、会話もろくにしてこなかった父と娘。久しぶりに会っても、ぎこちない。

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 帰ってきた理由も、いつまで滞在するかも言わない娘に、何があったのか心配ばかり募る父。でも大事なことほど聞き出しにくいものだ。特に昔気質の父親にとっては。じつは娘はガンで余命宣告を受けていたのだ。あまり思い出がない父に、死ぬ前に自分とのいい思い出をプレゼントしたい、という決意の里帰りだった。

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 「残された時間の半分をください」と夫に頼み込んで、病気のことをいっさい隠して実家へ帰宅。父が自分の体のことを知ってしまうと、かわいそうな娘との時間になっちゃうから。そういうんじゃなくて、喧嘩したり、つまらないことで笑ったり、二人でご飯を食べたり・・・そういう何気ない日常の時間を父と過ごしたい。

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 おいしそうな料理と調理シーンがたくさん出てくるのが好ましい。おいしいものを愛する人と一緒に食べる。やはりこれが最高の幸せなのだ。料理教室で習ったメニューもいいけれど、思い出しながら作る亡き母の得意料理は格別の味。煮物はゴマ油でいためてから、隠し味はハチミツで。白和えもまた捨てがたい。

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 いよいよ東京雑司ヶ谷の実家から、北アルプスを眺めながら夫と暮らす安曇野の家へ帰る時が来る。「大丈夫だ、がんばれ」という父の一言を胸に、残された半分の時間を精一杯生きる覚悟ができた娘。「大丈夫、私は大丈夫」。向井理が演じるやさしい夫と共に、悲しいけれどきっと幸せな人生を全うすることでしょう。 

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