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2021年7月 1日 (木)

クチナシの花の命は短くて

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 芳しい香りを漂わせて、クチナシの花が咲いています。白いビロードのような花弁が美しい。のですが、朝咲いて昼過ぎにはうっすら黄色味がかって、翌日には早くも茶色くなってくる。白無垢の美はあっという間に終わってしまう。はかないものです。

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 しかし枯れていく過程を見ていると、その時その時、その日その日で新たな異なった美しさがある。茶色くなるのも花びらの端のほうから。まずキレイにデザインされた縁取りがあらわれ、じょじょに全体に広がっていくのですね。決して見飽きません。

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 クチナシはアカネ科クチナシ属の常緑低木。学名は Gardenia jasminoides 。jasminoidesは「ジャスミンのような」という意味だそうです。たしかに、ジャスミンに似た甘い香り。葉脈がくっきり見えるツヤツヤした鮮やかな緑の葉が、白い花をより引きたてる。

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 漢字では梔子。果実が熟しても裂開しないため、口がない実の意味から「口無し」という説がある。秋に実る果実は、漢方薬や着色料の原料になるらしい。古来より布地を黄色に染めるのに使われたそうだ。そして栗きんとんの色付けにも。あ、なるほどね。

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 ここに挙げている写真は八重咲の園芸種(別名 ガーデニア)。つぼみの美しさ、若い美しさ、盛りの美しさ、枯れた美しさ。朽ちていく美しさ。人間も同じだなぁと感じさせてくれる。林芙美子さん、花の命は短くても「苦しきことのみ多かりき」ではありませんよ。

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