« かわいい カワイイ KAWAII | トップページ | 完全版のアポロ11号 »

2021年7月13日 (火)

英雄? あるいは容疑者?

   Photo_20210711102601

 2009年1月15日、氷点下のNYで奇跡は起こった。乗客乗員155人が乗ったエアバスA320がラガーディア空港を離陸後すぐに鳥の群れに衝突。エンジンが左右2基ともクラッシュし、航行不能に陥る。しかし機長のとっさの判断でハドソン川に不時着水し、全員の命が救われた。この実話をクリント・イーストウッド監督が映画化。

Photo_20210711102702

 チェズレイ "サリー” サレンバーガー機長をトム・ハンクス、スカイルズ副操縦士をアーロン・エッカートが演じる『-SULLY- (ハドソン川の奇跡)』です。離陸してから着水までわずか5分間。緊迫した状況を沈着冷静に対処し、乗客乗員の命を救った2人のパイロット。地上管制官やフェリー船長などの素早い対応が前半のハイライト。

Photo_20210711150201

 ところが彼らは英雄から一転、容疑者へ。国家運輸安全委員会NTSBから厳しい追及を受けることになる。最寄りの空港へ着陸できたのに、川へ着水し多くの命を危険にさらしたと。フライトレコーダーやフライトシミュレーションを使った事故の再現結果をタテに、調査というよりは取り調べ。法廷劇のような展開が手に汗を握る。

Photo_20210711102701

 それはコンピューター vs.人間の戦い。科学的データに基づいた可能性と、経験と勘に裏打ちされた人間力。検事と弁護士のようなやり取りで、このシミュレーションの前提における欠陥を見つけ出した機長たちは、公開の場で疑いを晴らすことに成功する。行方不明だったエンジンも発見され、彼らの正しさが補強された。

Photo_20210711121101

 多くの関係者やメディアが見守る公聴会のラスト。「スカイルズ副操縦士、何か付け加えることはありますか。・・・何か違う方法でやりますか・・・もし同じことが起きたら」という質問に、「ええ、やるなら7月に」とユーモアあふれる返答。その場はどっと沸いてハッピーエンド。彼らは正真正銘の英雄になったのでした。

Photo_20210711102801

 マンハッタン上空を低空で飛ぶ旅客機の姿は、アメリカ人のトラウマになっている。ハドソン川の奇跡はその悪夢から脱却できる希望ともなりました。なお「メーデー、メーデー、メーデー」という無線での呼びかけは、航空機や船舶の国際救難信号でフランス語が語源。間違いがないよう3回繰り返す決まりになっているそうだ。

2_20210711102701

 エンドロールで、この事故の乗客乗員が”同窓会”を開いている様子が紹介されていた。2011年6月、川から引き上げられた機体をオークションで手に入れた博物館が、展示のお披露目に機長をはじめ過酷な状況を生き延びた人々を招待して、パーティを開いたのだ。いかにもアメリカらしいお話ですね。

|

« かわいい カワイイ KAWAII | トップページ | 完全版のアポロ11号 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« かわいい カワイイ KAWAII | トップページ | 完全版のアポロ11号 »