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2021年7月

2021年7月27日 (火)

高原の家庭菜園だより

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 信州の高原でイタリア野菜を中心に育てる家庭菜園が楽しい。花園芸家のご厚意で畑の一部を、種類によってはビニールハウスの一角も使わせていただいている。もちろん自分たちが食べるためだけなので、一株とか二株とか少量しか植えていない。

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 昨年に始めて二年目。春先から何を植えるか検討するときがまず楽しい。これは種から、これは苗から、昨年の反省も踏まえてながら、ホームセンターや種苗センターをまわる。店によって置いている品種も違い、さまざまな発見があっておもしろい。

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 セルバティコはルッコラの野生種だと思っている人は多い。苦味があってゴマのような味がするという特徴は似ている。でも同じアブラナ科だけど違う種類。ルッコラは一年草で白い花。セルバティコは多年草で葉のギザギザは深く切れ込み、黄色い花が咲く。

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 カーボロネロ(トスカーナの黒キャベツ)、ケール、フェンネル、イタリアンパセリ、バジル、バイオレットバジル。すでにサラダや炒め物、煮物に役立っている。収穫まで2年かかるカルチョフィ(アーティチョーク)も植えました。さて、どうなることやら。

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 トマトはホールトマト缶に使われている長いカタチのサンマルツァーノやイエローアイコ、イチゴ型のトマトベリー、メチャ甘い極甘(ごくあま)を一本ずつ植えている。どれも接木苗です。トマトは前年に落ちた種から芽吹くのもあります。ただし味は落ちる。

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 よほど生育条件があっているのかセージは驚くほどよく育つ。六甲では難しいのに。ニョッキのセージバターやフリットで楽しんでいる。ラベンダーやミントも元気に育っています。ハーブ類はちょっと取っ付きにくいものもありますが、慣れると病みつきになりますね。

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2021年7月22日 (木)

世界の終末に備えろ

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 大災害か、パンデミックか、戦争か。いまは何が起こるかわからない時代。やがて来る世界の終末を信じて、食料や物資を密かに備蓄する男がいた。リタイアした独り暮らしのおじいさん、愚直なエドは不安に頭を支配されて孤独な人生を送っている。TVのニュース、ネットの書き込みからも、その日は近いと確信を深めながら。

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 もう一人の主役は、こちらも独り暮らしの未亡人ロニー。愛する娘を14歳でなくして以来、ず~っと悲しみと決別できなくて、ありとあらゆるモノを手放せない生活。惹かれ合ってデートや食事を続ける二人。あるとき互いに家を訪問して、あまりの違いに愕然とする。びっしり倉庫に整頓された備蓄品と、家中足の踏み場もない室内。

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 ノーブル・ジョーンズ監督の『THE TOMORROW MAN (明日の恋の見つけ方)』は、日本語タイトルにダマされてはいけない。甘っちょろい老人の恋物語ではないのだ。たしかに人生の辛酸をなめた二人は恋をする。そして穏やかに深く心を通わせて、お互いをBFF(Best Friend Forever 永遠の親友、マブダチ)と呼ぶ関係に。

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 未来に囚われたエドと、過去から抜け出せないロニー。必要最低限のモノだけのストイックなエドと、あふれかえる記憶の氾濫に溺れるロニー。二人ともここまでいくと病気だ。しかしいろんな出来事を乗り越えて、やっと「今を生きることが一番」と気づいたとき、それは起こる。美しい映像が心にしみる、不思議な物語でした。

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2021年7月19日 (月)

残された時間

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 このところ「最高の人生・・・」や「人生最高の・・・」というタイトルの作品が多すぎてウンザリしていました。しかし出演者の顔ぶれが気になって、テレビ東京で放送された新春ドラマスペシャル『人生最高の贈りもの』を、Netflixで見ました。もちろん見たのはお正月ではなく、梅雨明けの猛暑の中。これが思っていた以上に良かった。

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 岡田惠和のオリジナル脚本で監督は石橋冠。寺尾總と石原さとみが父娘を演じるヒューマンドラマです。妻に先立たれ一人暮らしをする翻訳家の父のもとへ、娘が大きなスーツケースをさげて突然帰ってくる。小さいころからいつも不機嫌な関係で、会話もろくにしてこなかった父と娘。久しぶりに会っても、ぎこちない。

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 帰ってきた理由も、いつまで滞在するかも言わない娘に、何があったのか心配ばかり募る父。でも大事なことほど聞き出しにくいものだ。特に昔気質の父親にとっては。じつは娘はガンで余命宣告を受けていたのだ。あまり思い出がない父に、死ぬ前に自分とのいい思い出をプレゼントしたい、という決意の里帰りだった。

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 「残された時間の半分をください」と夫に頼み込んで、病気のことをいっさい隠して実家へ帰宅。父が自分の体のことを知ってしまうと、かわいそうな娘との時間になっちゃうから。そういうんじゃなくて、喧嘩したり、つまらないことで笑ったり、二人でご飯を食べたり・・・そういう何気ない日常の時間を父と過ごしたい。

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 おいしそうな料理と調理シーンがたくさん出てくるのが好ましい。おいしいものを愛する人と一緒に食べる。やはりこれが最高の幸せなのだ。料理教室で習ったメニューもいいけれど、思い出しながら作る亡き母の得意料理は格別の味。煮物はゴマ油でいためてから、隠し味はハチミツで。白和えもまた捨てがたい。

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 いよいよ東京雑司ヶ谷の実家から、北アルプスを眺めながら夫と暮らす安曇野の家へ帰る時が来る。「大丈夫だ、がんばれ」という父の一言を胸に、残された半分の時間を精一杯生きる覚悟ができた娘。「大丈夫、私は大丈夫」。向井理が演じるやさしい夫と共に、悲しいけれどきっと幸せな人生を全うすることでしょう。 

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2021年7月16日 (金)

完全版のアポロ11号

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 人類が初めて月面に足跡を残したニール・アームストロング船長。バズ・オルドリン月面着陸船「イーグル」操縦士。マイケル・コリンズ司令船「コロンビア」操縦士。3人の宇宙飛行士によるアポロ11号の9日間の冒険は、フロンティアがなくなったと思われた時代に、広大な可能性あふれるフィールドを私たちにもたらしました。

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 トッド・ダグラス・ミラー監督のドキュメンタリー『APOLLO 11 [完全版]』が素晴らしい。NASAやアメリカ公文書記録管理局の協力で新たに発掘した映像と音声を、4Kリマスターで美しくよみがえらせた作品。ナレーションやインタビューは付け加えず、淡々と事実のみで伝える構成。これがかえって緊迫感を増している。

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 同じテーマをアームストロングの視点で描いたデイミアン・チャゼル監督の『ファースト・マン』も面白かったが、こちらの『完全版』はアーカイブ映像を使ったドキュメンタリー。ドラマチックなカメラワークも緊迫した見せ場もないけれど、「これから18秒間、通信が途絶える」という音声に、ハラハラドキドキ! 結果は知っているのに。

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 乗り込み⇒発射⇒切り離し⇒月面着陸⇒ドッキング⇒帰還⇒回収、と続く一連の出来事を伝えるだけなのに、いろいろと発見があって興味深い。宇宙服の着付け。ヒューストンの管制センターと宇宙飛行士たちの生のやり取り。ミッション完了後の太平洋での回収体制。飛行士たちの隔離車両。なるほど、そうなのか。

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 宇宙船や管制センターのディスプレーや計器類が、色もデザインもレトロでほほえましい。50年前に使われていた巨大な装置は、単純比較は難しいにしても性能は今のスマホ以下でしょう、きっと。当時の未発達なコンピューター技術で、よくぞこんな高度なミッションを成し遂げられたものだ、と感心します。大変な冒険だったのだ。

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 1961年5月、ケネディ大統領が「この60年代が終わるまでに人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還させる」と大号令をかけて始まったアポロ計画。国の威信をかけたアメリカの夢。不可能と思われたこの国家目標を、1969年7月に達成したアポロ11号。このとき持ち帰った「月の石」が翌年の大阪万博の目玉展示になりました。

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 本筋からそれますが、宇宙飛行士はもちろんヒューストンのスタッフや打ち上げ見物の観客にいたるまで、画面に出てくるのは白人ばかり。日頃見ている映像と何か違うなぁ、と感じていた違和感はそれだったのです。いまの映画ではこんなキャスティングはありえない。でもこれはドキュメンタリー。そういう時代だったのです。 

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2021年7月13日 (火)

英雄? あるいは容疑者?

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 2009年1月15日、氷点下のNYで奇跡は起こった。乗客乗員155人が乗ったエアバスA320がラガーディア空港を離陸後すぐに鳥の群れに衝突。エンジンが左右2基ともクラッシュし、航行不能に陥る。しかし機長のとっさの判断でハドソン川に不時着水し、全員の命が救われた。この実話をクリント・イーストウッド監督が映画化。

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 チェズレイ "サリー” サレンバーガー機長をトム・ハンクス、スカイルズ副操縦士をアーロン・エッカートが演じる『-SULLY- (ハドソン川の奇跡)』です。離陸してから着水までわずか5分間。緊迫した状況を沈着冷静に対処し、乗客乗員の命を救った2人のパイロット。地上管制官やフェリー船長などの素早い対応が前半のハイライト。

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 ところが彼らは英雄から一転、容疑者へ。国家運輸安全委員会NTSBから厳しい追及を受けることになる。最寄りの空港へ着陸できたのに、川へ着水し多くの命を危険にさらしたと。フライトレコーダーやフライトシミュレーションを使った事故の再現結果をタテに、調査というよりは取り調べ。法廷劇のような展開が手に汗を握る。

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 それはコンピューター vs.人間の戦い。科学的データに基づいた可能性と、経験と勘に裏打ちされた人間力。検事と弁護士のようなやり取りで、このシミュレーションの前提における欠陥を見つけ出した機長たちは、公開の場で疑いを晴らすことに成功する。行方不明だったエンジンも発見され、彼らの正しさが補強された。

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 多くの関係者やメディアが見守る公聴会のラスト。「スカイルズ副操縦士、何か付け加えることはありますか。・・・何か違う方法でやりますか・・・もし同じことが起きたら」という質問に、「ええ、やるなら7月に」とユーモアあふれる返答。その場はどっと沸いてハッピーエンド。彼らは正真正銘の英雄になったのでした。

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 マンハッタン上空を低空で飛ぶ旅客機の姿は、アメリカ人のトラウマになっている。ハドソン川の奇跡はその悪夢から脱却できる希望ともなりました。なお「メーデー、メーデー、メーデー」という無線での呼びかけは、航空機や船舶の国際救難信号でフランス語が語源。間違いがないよう3回繰り返す決まりになっているそうだ。

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 エンドロールで、この事故の乗客乗員が”同窓会”を開いている様子が紹介されていた。2011年6月、川から引き上げられた機体をオークションで手に入れた博物館が、展示のお披露目に機長をはじめ過酷な状況を生き延びた人々を招待して、パーティを開いたのだ。いかにもアメリカらしいお話ですね。

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2021年7月10日 (土)

かわいい カワイイ KAWAII

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 いま日本文化を世界に発信するキーワードの一つが『かわいい』です。1970年代から90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博したオサムグッズ OSAMUGOODSの原田治も『かわいい』の生みの親の一人。当時、シンプルな線と明快な色彩で描かれたキュートなキャラクターたちが一世を風靡したものです。

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 神戸ファッション美術館で現在開催中の『原田治 展 「かわいい」の発見』。アメリカ黄金時代の50年代、60年代のコミックス、TVアニメ、ポップアートなどから大いに影響を受け、独自の「かわいい」世界を作り上げたイラストレーター原田治(1946-2016)の、無名時代から趣味の抽象作品まで、その全貌を見ることができます。

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 会場に掲出された原田の言葉にこうあります。「終始一貫してぼくが考えた『可愛い』の表現方法は、明るく、屈託が無く、健康的な表情であること。そこに5%ほどの淋しさや切なさを隠し味のように加味するというものでした」。原田の「かわいい」は、まさに夢と自由の国を現出したミッドセンチュリー文化への憧れ。

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 雑誌の表紙イラスト、本の装丁、作品集の出版と、活躍の場は多岐にわたる。印象に強く残っているのは、カルビーポテトチップスやミスタードーナツのキャンペーン用キャラクター。目に触れる機会が多かったからでしょうか。とにかく人の気持ちを快活にハッピーにしてくれるOSAMUキャラクター。愛されて当然ですね。
 
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 展示会場を出たところには「かわいい」キャラクターたちを集めたOSAMUGOODSショップが。トートバッグやTシャツ、マグカップやランチボックス、フェイスタオルや雑貨小物・・・。そこでは往年の女子中高生たちが目を輝かせて物色していました。可愛い、かわいい、カワイイ、KAWAIIは、いつまでも色あせません。

原田治 展
「かわいい」の発見
2021年7月3日(土)~8月29日(日)
神戸ファッション美術館

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2021年7月 7日 (水)

名も無き世界のエンディング

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 神戸大丸の東、イルミネーション輝く京町筋をサンタクロースの赤い服を着て歩く男。このシーンから始まる佐藤祐市監督の『名も無き世界のエンドロール』がメチャおもしろい。原作は行成薫が小説すばる新人賞を受賞した同名のデビュー小説。伊坂幸太郎や米国のサスペンスを思わせる極上のエンタテインメントです。

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 小学生のころからずっと一緒につるんでいたキダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)。そこに転校生のヨッチ(山田杏奈)が加わる。それぞれに複雑な家庭環境を抱えた3人。まわりになじめない3人は、傷をなめ合うように彼らだけの親密な世界を築いていく。小さいけれどそこが幸せのすべて、日々の喜びのすべてだった。

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 ひんぱんに交錯する現在と過去。時制の変化と予期せぬ展開に振り回されながらも、いろんな事実が浮かび上がってくる快感に酔う。佐藤監督の演出の妙です。整備工場に持ち込まれた高級車。泡が噴き出る缶コーラ。交通事故にあった犬。そして突然いなくなったヨッチ。はたして物語はどこへ向かっていくのか。

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 数年後、再会したキダとマコト。それぞれ表社会と裏社会でのし上がっていた2人は、憧れのトップモデルへのプロポーズ大作戦を企てる。日本中を巻き込んだ壮大な計画。小さいころから「ドッキリ」を仕掛けるのを生きがいにしていたマコトと、いつも引っかかっていたキダ。10年におよぶ作戦の総仕上げはクリスマスの夜。

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 ラストのクライマックスは、ポートアイランド市民広場とポートピアホテルが舞台。本館とアネックス南館を使ったトリックも神戸っ子を喜ばせます。ヨッチがいちばん怖いのは「自分の存在が消されること」という言葉をキーにして、物語の全体像が明らかになる。真実を知ったとき、さわやかな感動が訪れます。見事なエンディング!

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2021年7月 4日 (日)

ヴィクトリア女王の孤独

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 (ほとんど・・・)真実に基づいた物語、というキャプション付きの映画『ヴィクトリア女王 最後の秘密 Victoria & Abdul』がおもしろい。100年以上も隠されていた女王とインド人従者の交流と深い絆を描いたスティーブン・ブリアーズ監督の作品。主演はジュディ・デンチ、とアリ・ファザル。絶対権力者の孤独と癒しが感動を呼びます。

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 大英帝国が絶頂時代の1887年、ヴィクトリア女王の在位50周年を祝う式典が行われる。植民地のインド帝国から記念金貨を贈呈する役に選ばれ、はるばる英国へやってきた若者アブドゥル。王室のしきたりなど臆することなく、年老いた女王に真っすぐな笑顔を向ける。周りに閉ざしていた心を融かし、女王は輝きを取り戻す。

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 インド人の従僕は、やがて友人で、先生で、女王が心を許すたった一人の人間になる。しかし皇太子をはじめとする王室関係者、総理大臣や政治家などはみんな困惑の極みに。身分の違い、年齢の違い、民族の違い、宗教の違いなどで嫌悪する。現代でも難しいのに19世紀ですから。差別をしているという意識すら存在しない。

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 「若いころは死にたいと願ったこともあったのに、老いると死が怖くなる」と告白するまで心を許す女王と、それに真剣に応えるアブドゥル。わが子ですら信じられない姿に、絶対権力者の絶対的な孤独を見る。誰も本気で向き合わない、いや大帝国の君主に対等に向き合える人間は誰一人いないのだ。

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 いま世界中で州や街や駅や通りの名前に付けられたヴィクトリア。湖や山や滝の名前にも。駅やホールなどの施設にも。北米、アジア、アフリカ、オセアニアと、地球の陸地の四分の一を支配した女王にあやかって名付けたのでしょう。またその長い治世に繫栄した科学や文化や生活スタイルがヴィクトリア朝様式です。

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2021年7月 1日 (木)

クチナシの花の命は短くて

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 芳しい香りを漂わせて、クチナシの花が咲いています。白いビロードのような花弁が美しい。のですが、朝咲いて昼過ぎにはうっすら黄色味がかって、翌日には早くも茶色くなってくる。白無垢の美はあっという間に終わってしまう。はかないものです。

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 しかし枯れていく過程を見ていると、その時その時、その日その日で新たな異なった美しさがある。茶色くなるのも花びらの端のほうから。まずキレイにデザインされた縁取りがあらわれ、じょじょに全体に広がっていくのですね。決して見飽きません。

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 クチナシはアカネ科クチナシ属の常緑低木。学名は Gardenia jasminoides 。jasminoidesは「ジャスミンのような」という意味だそうです。たしかに、ジャスミンに似た甘い香り。葉脈がくっきり見えるツヤツヤした鮮やかな緑の葉が、白い花をより引きたてる。

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 漢字では梔子。果実が熟しても裂開しないため、口がない実の意味から「口無し」という説がある。秋に実る果実は、漢方薬や着色料の原料になるらしい。古来より布地を黄色に染めるのに使われたそうだ。そして栗きんとんの色付けにも。あ、なるほどね。

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 ここに挙げている写真は八重咲の園芸種(別名 ガーデニア)。つぼみの美しさ、若い美しさ、盛りの美しさ、枯れた美しさ。朽ちていく美しさ。人間も同じだなぁと感じさせてくれる。林芙美子さん、花の命は短くても「苦しきことのみ多かりき」ではありませんよ。

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