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2021年6月19日 (土)

不眠をめぐる異色スリラー

   Awake

 人間は眠れないと集中力が低下する。それが数日続けば脳が膨張して意識の錯乱を招く。そして人体のあらゆる部分が影響を受け、やがて死に至る。マーク・ラソ監督の『AWAKE/アウェイク』は、全人類を襲った不眠によるパニックを描いたSFスリラー。不眠が原因で人類が滅亡に向かう、という発想がユニークです。

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 ある日主人公が息子と娘を乗せて走っていた車は、突然コントロール不能になる。まわりの車も暴走し、街は狂ったような多重事故でカオス状態に。すべての電子機器が使えなくなるなったのだ。街全体が停電。病院も大パニックに。増幅される不安が生む破壊衝動。善良な普通の市民まで無差別の殺戮を始め出す。

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 警備員をしている母親はワケありの元軍人。娘のマチルダが眠れることに気づいた彼女は、家族で軍が警備する謎の研究所を目指す。電子化されてない古い車を探し出し、狂気の集団や囚人の群れから逃れながら走る家族の危険な冒険行。果たして娘は人類を救う救世主なのか、人体実験の犠牲者にされてしまうだけのか。

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 主演ジーナ・ロドリゲスが問題を抱えながらも勇敢に戦う母親を。アリアナ・グリーンブラットが幼いながらも聡明な娘を熱演。人間の崩壊と日常の消滅から、家族の再生へ向かう物語は感動を誘う。太陽フレアの異常によってリンパ機能が狂わされて不眠に陥る、という理由はもうひとつ説得力に欠けるとは思いますが・・・

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 パニック映画も時代に合わせて恐怖のネタに流行があるようだ。核戦争の勃発、モンスター出現、エイリアンの侵略、小惑星の衝突、未知のウイルス、人間を支配する植物、そして今回は不眠。現実の危機と近未来への不安が、次々と新たな恐怖を生み出すのでしょう。でも自分の問題として真の危機感はあるのかないのか。 

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