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2021年6月22日 (火)

ニセSF映画でイラン脱出

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 イランでまた保守強硬派の大統領が生まれましたね。ホメイニ師が主導するイラン革命で、反米の宗教国家が誕生したのが1979年。イスラム教シーア派、革命防衛隊、イスラム原理主義など聞きなれない言葉と共に、世界中に衝撃を与えた出来事です。あれから40年あまり、いろんなことが起こりましたが、始まりはコレです。

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 アメリカ大使館に暴徒が乱入し占拠、大使館員52人を人質にとる。世界の常識では外国の公館は警察や軍が警備し守る義務がある。ところがイランの場合は革命防衛隊つまり国家がデモ隊を扇動して襲撃させているのだ。そのとき6人の館員が密かにカナダ大使公邸に逃れる。この6人を無事に国外に脱出させる方法は?

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 CIAの人質救出の専門家が見事に作戦を成功させるのですが、関係者の身の安全のためにその内容は18年間封印されていたそうだ。ベン・アフレック監督・製作・主演の『アルゴ』は、奇想天外なこの救出作戦を描いた実話に基づいたサスペンス。当時のTVニュースやドキュメンタリー風の映像で、緊迫感をうまく出している。

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 では、どんな方法だったのか。それはなんと架空のSF映画(タイトルが「アルゴ」)のカナダ人撮影クルーがロケハンでイランにやって来て、2日後に出国するという計画。笑っちゃうでしょ。でも事実です。それぞれプロデューサー、監督、カメラマン、脚本家などに偽装し、名前も別名でパスポートや入国証明書も偽造する。
 
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 台本も絵コンテも用意。ハリウッドで事務所も構え、新作映画の記者発表も大々的に行って新聞記事にしてもらう。すべてがニセモノ。しかしそれぐらい徹底的にやらないとダマせない。詐欺師のコンゲームと同じ。そして79日間かくまわれていた6人は危機一髪のところスイス航空で空路チューリッヒへ脱出する。

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 大使館で人質になっていた52人は、政治交渉により444日後に解放されることになる。主役のモデルであるCIA局員は2019年に78歳で死亡。イスラム原理主義で世界の在りようを変えたイラン革命は、アルカイダやイスラム国などにも影響力を与え続いている。理解不能な価値観の違いに不気味さを感じます。

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