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2021年4月28日 (水)

お引っ越しは大変だぁ

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 戦国時代を終わらせた江戸幕府。統治の要は全国の藩の力を削ぐこと。対抗勢力が生まれるのを防ぎ、圧倒的なパワーの徳川一強体制を続けるためだ。その具体的な政策の一つが参勤交代。大名行列を仕立てて地元と江戸屋敷を往復する。その資金と労力。これでは地方で富を蓄積して武力を高める余地はない。

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 そんな参勤交代をコミカルに描いて時代劇に新風をもたらした『超高速!参勤交代』。同じ土橋章宏の原作・脚本で犬童一心監督による『引っ越し大名』もまた痛快作だ。参勤交代をはるかに上まわる費用がかかる藩全体10000人のお引っ越し、つまり「国替え」は藩の存亡をかけた一大プロジェクトなのだ。それを仕切るのは?

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 主人公は人と接するのが苦手で真面目な本オタク。まったく向いていないのに無理やり引っ越し奉行に任命された若侍を、星野源が好演。カタツムリとあだ名され、言いたいことも言えない気弱な若者が、さまざまな困難に誠心誠意向き合いながらついにプロジェクトを成功に導く。共演の高橋一生や高畑充希も適役だ。

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 引っ越し大作戦、まずはモノを捨てること、次に莫大な費用を工面する、荷役を雇わず自前で運んで経費削減。さらに国替え先の石高半減で、大規模な藩士のリストラ断行。書物で得た知識と豊かなアイデアで引っ越しを成功させ、若者が信頼されるリーダーになるまでの成長物語。現代ビジネス社会を見ているようですね。

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 行く手を阻む公儀隠密や藩の裏切り者。エンターテインメント時代劇のツボを押さえた脚本と演出が見事です。また、士農工商だけじゃなく、武士にも上士と下士の差別があったなんて知らなかった。そしてこの藩は5回も国替えの憂き目にあっていたなんて、イジメとしか言いようがない。歴史のお勉強にもなりました。

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