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2021年2月20日 (土)

荒野に咲いた壮大なドラマ

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 1870年、南北戦争(The Civil War)が終わって5年後のテキサスを舞台にしたヒューマンドラマです。ポール・グリーングラス監督の新作『この茫漠たる荒野で』(NEWS OF THE WORLD)。米国の、わずか150年前とは思えない、荒野のごとき不毛と混沌をリアルに表現した傑作だ。原作はポーレット・ジャイルスのベストセラー。

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 北部と南部の分断、戦争の傷跡、ネイティブ部族との争い、野生動物の乱獲、合衆国の支配が行きわたらない無法地帯。南軍の退役軍人とネイティブ部族に育てられた10歳の少女が、さまざまな危機を乗り越えながら旅をする。言葉も通じない状況から徐々に打ち解けていく心の交流を描く、感動的な冒険ロードムービーです。

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 いろんな新聞記事から選んだ世界各地のニュースを読み伝える、いわばニュース屋を稼業にする男。ラジオやテレビはないし、字を読めない人も多かったことでしょう。そんな時代だからこそ成り立った仕事がおもしろい。いろんな人の思惑。それぞれの事情。人生の苦悩。南部だからこその特殊性もまじえながら旅は続く。

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 トム・ハンクスが演じる勇気があって銃の腕もたつ優しい退役軍人。この男臭いカッコ良さは、ジョン・ウェインやクリント・イーストウッドの域まで達している。こういうのが米国人が理想とする大人の男なのだろうなぁと思いました。少女役のヘレナ・ゼンゲルも凄惨な過去に苦悩する難しい役どころを見事に演じている。

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 テキサスやニューメキシコで撮影された壮大な自然。開拓民の質朴な暮らしぶり。そんな細部の描写が物語に奥行きを与え、深い余韻を残す。撮影センスもVFXの使い方も秀逸です。米国史の一面を鮮やかに切り取ったグリーングラス監督の手腕。バックに流れる音楽、ブルーグラスも素晴らしい。(ダジャレではなく・・・)

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