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2021年2月 3日 (水)

考古学は発掘する学問

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 イングランドのサフォーク州に、ストーンヘンジに並ぶ重要な遺跡「サットン・フー」がある。バイキングより古い中世の初期、アングロ・サクソン時代の船葬墓です。長さ27mの船がそのままの姿で、豪華な装飾品、武具、カロリング朝の金貨とともに埋まっていた。

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 この世紀の発見の顛末を描く、静かだけれど見ごたえのある映画です。サイモン・ストーン監督の『時の面影』(原題は THE DIG)。発掘を依頼した未亡人をキャリー・マリガン、学歴はないけれど知識と経験が豊富な発掘人をレイフ・ファインズが演じる。

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 イングランドの美しい風景。広々とした平原に点在する墳丘。1939年、社会は第二次世界大戦が迫り不穏な空気におおわれていた。そんななか運命に導かれたように一つの古墳の発掘作業に取りかかる。これは実話に基づいた映画です、とクレジットが。

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 考古学は埋もれていた歴史を発掘し、再び目に触れるようにする学問。しかしサットン・フー発掘の功労者たちは考古学会から正当な評価を受けることなく、時間のなかに埋められてしまいました。学会が犯した皮肉な矛盾。この事実を発掘したのが、このお話。

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 太古の墓が並ぶ広い敷地、ヒトラーのニュース、召集令状、心臓の不治の病と、色濃く死の気配が漂う。宇宙飛行を夢見て未来に生きる少年だけが一筋の希望の光。埋もれた古の時間と未来へ続く時間。船葬墓に埋葬された王も時間を超えることを夢見たのか。

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 階級社会、女性蔑視、権威主義。古い体質の英国で日の目を見なかった功績にスポットを当てたこの作品。全編を通して曇り空、弱々しい光とレトロな色調、しっとりと湿度を感じる美しい映像が雰囲気をよく伝えている。英国トラッドのファッションもカッコいい。

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