2020年はサイテーだった
Netflixがコメディイベントと称する映画『DEATH TO 2020 さらば!2020』。チャ-リー・ブルッカーとアナベル・ジョーンズの作品です。新聞記者や歴史学者、心理学者や科学者、政府報道官や億万長者、女王陛下から一般庶民まで、さまざまなコメンテーターが英国と米国の視点でニュース映像とともに2020年を振り返る。
ところが彼らはすべて架空のキャラクターなのだ。サミュエル・L・ジャクソンやヒュー・グラントなど有名な俳優さんが演じている。言わばドキュメンタリーの形で描いたフィクション。こんなユニークな仕組みだからこそ繰り出せる辛辣な意見、キツイ風刺、過激なジョークは、笑えないけど面白い。普通の報道よりはるかにリアルだ。
オーストラリアの山火事、ダボス会議のグレタ・トゥンベリーのスピーチ。真面目な一年の総集編かと思っていたら、足元をすくわれる。バカバカしさと不真面目さ。大人の悪ふざけ。大統領選挙の公開討論会は、「老人ホームのラップバトル」という感じ。しかも事件を語るコメンテーターたちが、みんなクセが強くてヘンなのだ。
それにしても酷い一年でしたね。激化する自然災害やコロナウイルスによるパンデミックはまだ理解できる。でもブラック ライブズ マターに異様な大統領選挙騒動など、人間の知恵で築き上げてきた文化や美徳がひっくり返されたのはショックでした。後世、2020年は歴史の変わり目の年と呼ばれるかもしれませんね。
最後にコメンテーターみんながしゃべるセリフが、「土壇場でみんな目を覚ました。怖い夢だった」。果たして夢だったのでしょうか。ウソの日常化。身勝手と分断。どうか悪夢であってほしい。2020年に死を! さらば!2020年。それでは、生まれ変わった新しい時代をポジティブに楽しみましょう。
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