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2020年12月23日 (水)

甘いか、苦いか、雨のNY

   Inny

 ウッディ・アレン監督の最新作、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク  A Rainy Day in New York』がオシャレです。出てくるホテルやピアノバー、美術館や公園。着ているファッション、流れる音楽。パーティや気の利いた会話。どれもこれもオシャレです。雨に濡れたNYを舞台にすれ違う男と女を軽妙に描くロマンティック・ラブコメディ。

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 主人公ギャッツビーは地方で学ぶNY育ちの大学生。頭が良くて繊細で、ちょっとシャイな男の子。まだ自分探しの途中です。サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』や『フラニーとゾーイ―』を思わせる役をティモシー・シャラメがうまく演じている。ウッディ・アレンがもっと若いころならきっと自分自身で主演も務めたことでしょう。

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 同級生や幼なじみ。有名映画監督や脚本家。大スターやセレブな家族。華やかな大都会、ゴージャスな邸宅で繰り広げられるさまざまなカタチの恋愛模様。ギャッツビーの大人への成長物語は、はたしてどんな結末を迎えるのか。無教養で陽気なアメリカンとは対照的な世界観と辛辣な人物描写。アレン・ワールド全開です。

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 メチャ都会的でとてもセンスがいいんだけれど、それこそが古臭さを感じる理由。いや、これは誉め言葉なんですよ、最高の。最近はCGやVFXを駆使したスペクタクルな映像や刺激の強いシーンばかりを見せられて、感覚がマヒしてしまっている。そんななかハリウッドとは一線を画す小粋な作品が生まれるアメリカの奥深さ。

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 しかし黒人差別問題やジェンダーの多様性に対する意識のなさはどうだろう。ストーリーとは関係ないと言えばそれまでだが、やはりみじんも感じさせないのには違和感が残る。ウッディ・アレンもいまや現実を直視しない都会派インテリの成功者か。すこし本筋をそれてしまいましたが、そんな感想も持ちました。

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