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2020年11月10日 (火)

サンタクロースの新たな伝説

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 クリスマスが近づいてきた今の時期にぴったりの映画をNetflixで観ました。スペイン発の長編アニメーション、2019年セルジオ・パブロス監督の『クロース』です。まったく新しい解釈で生まれたサンタクロース誕生秘話。英国アカデミー賞やアニー賞7部門を受賞したのもナットクの、子どもも大人も楽しめるいいお話です。

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 落ちこぼれの郵便配達人ジャスパーは最果ての島に飛ばされる。そこは極寒の地、2つの氏族が何代にも渡っていがみ合い、戦い続ける村。一刻も早く逃げ出したいジャスパーは、ひょんなことで世を捨て森に住むオモチャ職人クロースに出会う。次第に友情を育んだ二人は子どもたちにオモチャを配達するようになる。

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 やがて2つの氏族の子どもたちは仲良くオモチャで遊ぶようになり、大人たちもわだかまりを解いていく。こうして村は平和になるという物語。クロースへの手紙。オモチャの配達。トナカイが引くソリ。さまざまな困難に立ち向かいながら、サンタクロース伝説の要素がうまく繋がっていく展開は心地よい。

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 「本当に欲のない行いは、人の心を動かす」という言葉に導かれて成長するジャスパー。人との関わりを拒んでいたクロースはたくさんの人の愛に包まれて天国へ。クリスマスの時期にはこんな性善説の物語がふさわしい。気持ちが落ち込むニュースが多いこの頃、せめて映画は心が優しくなるものを観たいと思います。

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 ここに挙げた画像でもお分かりだと思いますが、とても斬新で美しい。日本アニメとは一味違うでしょ。2Dの手描きアニメながらキャラクターを照らすライティングの技術で、3Dのような立体感を表現。CGも使っていないとは驚きです。観る者の心に干天の慈雨のように、温かくてじわっと沸き起こる感動をもたらせてくれる新伝説!

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