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2020年7月30日 (木)

90歳の運び屋がいた?

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 クリント・イーストウッド監督が『グラン・トリノ』以来10年ぶりに主人公を演じた『運び屋』(2018年)は、期待にたがわず面白い。メキシコの麻薬組織にスカウトされ、大量のコカインを運ぶことになった老人。実際にあった事件を基にしたクライム・ムービーです。だけど暗くはないし、残虐でもない。残るのは爽快感と正義感。

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 90歳の老人が危険な運び屋に? 運転するな!さっさと免許を返納しろ!と言われる日本とは大違い。しかも危険な麻薬組織と渡り合い、警察の眼をかいくぐって1,000km以上の長距離ドライブ。事情を知らないし、知りたくもない。だから緊張もしない。鼻歌を歌いながら目的地へ向かって淡々と運転するのみ。

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 外面はいいものの、家族をないがしろにして仕事一筋で生きてきた男。(日本の爺さんたちはもっとひどいかも?) 第二次世界大戦の退役軍人でユリの栽培で成功するが、その後没落。時代に取り残され、家族に見放されても、日々の生活を楽しみ飄々と生きている。この爺さんは犯罪者だけど、ユーモアもあるしカッコいい。 

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 元妻や娘との絆を取り戻そうと努力するが、認めてもらえない。実の娘アリソン・イーストウッドが父を憎む娘役を演じているのも面白い。実生活を彷彿とさせるキャスティングに、いろいろあった自身の人生を客観視する余裕を感じます。時間は戻せないし、肩の力を抜いて生きていく決意。彼は人生を達観しているのでしょうか。

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 イーストウッドが演じてきた人物は、みんなカッコいい。ガンマンも、刑事も、ボクシングのトレーナーも・・・。しかし順調に人生を歩んできた苦労知らずは一人もいない。翳のある無名のダーティヒーロー。寡黙で頑固で不器用で、苦悩や悲しみを内に秘めた信念の人。そのキャラが年を経るごとに渋くなる。そんなカッコ良さです。 

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