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2020年7月12日 (日)

曲げ木と二人のアアルト

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 アイノとアルヴァ。20世紀フィンランドを代表する建築家、アアルト夫妻。夫のアルヴァが主に建築を、妻のアイノがインテリアデザインやプロダクトデザインを受け持ち、共同で多くの素晴らしい仕事をしました。いま神戸の竹中大工道具館で、『アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命』展が開催中です。

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 アルヴァの生誕120周年を記念して、2018年秋から日本各地の美術館でアアルト展が開催されてきた。昨年の春、東京ステーションギャラリーでの展覧会を見て、当ブログで「アルヴァ・アアルト もう一つの自然」(2019年4月13日)として紹介しています。今回の企画展は大工道具館らしく、『木材曲げ加工の技術革新と家具デザイン』というググッと焦点を絞った展示。

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 曲げ木と言えばト―ネットが19世紀半ばに発明したカフェチェアが有名です。柔らかいブナ材を使ったアールヌーヴォーっぽい曲線美。アアルトはフィンランド産の無垢バーチ材(シラカバ)を使って革新的な曲げ木の技術「L - レッグ」を発明。この脚をイスの座面やテーブルの天板に直角にネジ止めすることで、効率よく量産できる。上質の家具が安く手に入るようになったのです。

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 木の温かさを持ちつつモダンでシャープなデザインを可能にしたL型の脚。これを使った北欧モダンらしい涼しげな家具は、20世紀のインテリアに革命をもたらしました。ゴテゴテ飾らない、ギラギラ主張しない。リラックスして心からくつろげて、不要な刺激をいっさい与えない。まるでシベリウスの音楽のように。 

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 アイノの仕事として有名なのが、イッタラのガラス器シリーズ『ボルゲブリック』(スウェーデン語で水の波紋の意味)。手から滑りにくく、スタッキングもできる、シンプルで機能的な名品です。1932年の発売から90年近くたって今も、世界で愛されている超ロングセラー。アアルト夫妻は一点ものの作品より量産品を普及させて、人々の生活をより良くしたいという理想を追求していたのでしょう。

アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命
木材曲げ加工の技術革新と家具デザイン
2020年3月28日(土)~8月30日(日)
竹中大工道具館

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